化学物質法規制への対応

SCREENグループは、「環境・安全・健康活動について」に沿って、環境・安全・健康関連の法規制の順守評価を徹底しています。国内グループでは化学物質法規制の要求事項も含めた「法規制登録表・順守評価および評価結果報告書」を運用し、年に2回の順守評価を行っています。
環境・安全・健康活動について

薬品・高圧ガス法規制の対応

労働安全衛生法改正により危険有害性を有する化学物質のリスクアセスメント実施が義務化されたことを受け、当社では「薬品・高圧ガス管理レベルの向上」を目的として、薬品・ガス管理システムを導入し、新規使用時の化学物質のリスクアセスメントの徹底、在庫・入出庫管理の運用定着に取り組んでいます。
化学物質排出把握管理促進法(PRTR制度)については、彦根事業所で使用しているふっ化水素及びその水溶性塩を届け出ています。
フロン排出抑制法については該当機器の簡易点検、定期点検を実施しています。2023年3月期はフロン類の算定漏えい量の報告の基準に達した事業所はありません。

製品法規制の対応

SCREENグループでは、グループEHSマネジメントのフレームワークに、「安全性と地球環境に配慮した製品の提供」をうたい、環境経営に取り組んでいます。製品に係る各国の環境法規制に対応するために、グループEHS委員会のもとで活動するプロダクトEHS分科会で早期に法規制の情報を共有し、各事業会社で製品の環境規制対応に取り組んでいます。製品に関連する法規制についても関連するグループ各社で「法規制登録表・順守評価および評価結果報告書」を運用し、1年に2回の順守評価を行っています。2023年3月期は法規制の順守に関して特に問題は発生していません。
EUのREACH規則などへの対応として、含有物質調査のITプラットフォーム「chemSHERPA」の運用にて、サプライチェーンを通じた高懸念物質の調査を実施しています。
また、製品の法規制対応としては、グリーン調達基準を改訂し、調達物品への含有禁止物質の追加等の対応を定期的に行っています。
グリーン調達基準

環境リスク管理

彦根事業所 スクラバー(排気清浄装置)

半導体製造装置事業などの化学物質を扱う実験研究棟にはスクラバー(排気清浄装置)を設置し、化学物質を含んだ排気を浄化後、大気中に放出しています。また定期的な排気成分分析と装置点検を行っており、リスク回避に努めています。
生産拠点で生じる原液廃液はタンクで回収し、産業廃棄物として処理しています。水洗廃液は廃水処理設備において法令基準値より厳しい自主基準値まで浄化し、放流しています。
排出する放流水については、生物に与える影響を把握するWET試験による環境影響評価を実施しています。廃水処理施設では24時間監視体制をとっており、浄化した水を放流している川の下流域にはホタルも生息しています。また、緊急時に汚染水を受け入れるための緊急貯槽を設けており、万一の場合にも敷地外に汚染物質が排出されない体制を構築しています。
※全排水毒性試験で、Whole Effluent Toxicityの略
「生物応答(バイオアッセイ)を利用した排水管理手法」のことで、河川や公共用水、事業場排水に含まれる化学物質の影響を総合的に把握・評価する手法

薬液漏洩訓練

洛西事業所 薬液漏洩訓練

彦根事業所、野洲事業所、洛西事業所など化学物質を取り扱う事業所では、薬液の性状に応じた薬液漏洩訓練を定期的に行っています。何度も重ねて訓練を行うことで、万一の漏洩事故時にも迅速な対応が可能になります。

土壌・地下水汚染リスク管理

彦根事業所 地上廃液配管

半導体製造装置事業およびディスプレー製造装置事業の主力製造拠点である彦根事業所では、土壌・地下水汚染対策として、浄化処理が必要な廃液はすべて地上配管で搬送しています。
地上廃液配管で廃水処理設備まで搬送されるため、目視点検が可能であり、緊急事態に迅速な対応が可能です。この地上廃液配管系統の定期的な点検を実施し、漏洩リスクを低減しています。

彦根事業所 廃水処理設備の防液提

廃水浄化工程に必要な薬液を保管する薬液タンクの設置場所には防液堤を設け、耐薬加工を施しているため、万一の薬液漏洩時にも外に漏れない構造となっています。

地下水観測井(かんそくせい)

野洲事業所 地下水観測井

化学物質を取り扱う野洲事業所では地下水観測井を設け、定期的に水質を観測し、汚染の有無を確認しています。