コンプライアンス体制

当社グループは、企業理念に基づく行動原則、グループの全役員・従業員が心掛けるべき行動規範を定めた「CSR憲章・行動規範」のもと、各国の法令や社会規範を順守し、公明正大に良識ある企業活動を展開しています。法務・知財・コンプライアンス室が中心となり、国際的なルールや各国法令・規則の順守を推進するとともに、国内外グループ会社への各種コンプライアンス教育を行うことで、コンプライアンス意識の向上や浸透にも取り組んでいます。また、年2回開催されるCSR委員会では、グループ各社のコンプライアンスへの取り組み状況の確認や情報共有を行っています。

コンプライアンス教育

対面教育やeラーニングの活用により、新入社員や中途入社者、国内外の役員および従業員などへのコンプライアンス基礎教育、階層別教育、専門者教育、「CSR憲章・行動規範」教育に取り組んでいます。定期的に行う、ハラスメント防止、不正競争防止法、腐敗防止、独占禁止法(下請法を含む)、個人情報保護法、労働者派遣法、インサイダー取引禁止などの各種コンプライアンス教育、各事業会社の技術開発および新規事業に関わる技術系従業員を対象に行う技術契約および開発契約に関する教育を含め、2023年3月期は延べ45回実施しました。また、欧州・米国およびアジアの現地法人を対象に個人情報保護、秘密保持契約、営業秘密管理に関する教育資料を提供。国内グループ会社へは、eラーニングで公開していた16コンテンツの教育資料を提供し、各社にて教育ができる体制を構築しました。

● 講習会実績(2023年3月期 )

 
 
講習会名 対象者 開催回数 講習内容
新入社員導入研修 国内グループ会社 新入社員 2 法務・営業秘密基礎、コンプライアンス
中途入社者教育 国内グループ会社 中途入社者 11 コンプライアンス・営業秘密
海外赴任者教育 国内グループ会社 海外赴任予定者 5 コンプライアンス
新任資格者知識教育 国内グループ会社 新任主任、副主事、マネジャー、シニアマネジャー
(各1)
コンプライアンス
ハラスメント窓口担当者教育 国内グループ会社 新任ハラスメント窓口担当者 2 窓口担当者の役割、ハラスメント
ハラスメント防止教育 国内グループ会社 5社の役員・管理者・一般職・派遣社員・請負会社責任者など 13 ハラスメント防止教育(パワハラ、セクハラ、育児・介護に関するハラスメント)、倫理観など
労働者派遣と請負 国内グループ会社 1社のリーダー職以上(管理職含む) 1 労働者派遣と請負
契約と営業秘密の基礎 国内グループ会社1社の若手社員 1 契約と営業秘密の基礎
ビジネス基礎講座 国内グループ会社の一般職、管理職(希望者) 2 契約の基礎と実務(NDA)
技術者教育講座 国内グループ会社の技術系新入社員 1 構内請負・労働者派遣のコンプライアンス、営業秘密
売買契約書について 海外現地法人1社の営業担当者 1 売買契約書について
NDAについて 海外現地法人1社の営業担当者 1 NDAについて
機関運営業務勉強会 国内グループ会社機関運営担当者 1 機関 (株主総会・取締役会)運営業務について
国内グループ会社:持株・事業・機能会社、並びにそれぞれの国内グループ子会社

 BUSINESS SCHOOL 教育実績(2023年3月期)

講座名 講習のねらい
独占禁止法 独占禁止法について、「公正かつ自由な競争」を促進するための具体的な規制内容を正しく理解するとともに、同法に違反することにより発生するリスクについて理解する。
PL法(製造物責任法) PL法を基礎から学び、主要論点を正しく理解する。製造物責任を負うリスクについて認識し、事業活動を通じて製造物責任を負う事態を招くことのないようリスクの低減を図る。
契約の基礎 事業活動を行うにあたり必要不可欠な契約について、契約を締結する意味を理解する。また、契約書作成時の基本的なポイントとSCREENグループの運用手順を学び、自身の業務に役立てる。
インサイダー取引規制 インサイダー取引規制について、基礎から正しく理解する。SCREENグループにおける仕組みおよびルールを再確認し、従業員一人ひとりのコンプライアンス意識の更なる向上を図る。
著作権法の基礎 著作権の基礎知識(著作権法の概要や業務上の注意事項等)を修得する。更には、著作権に関連して日々のソフトウェア開発業務に潜むリスクを認識し、そのリスクを低減する手段の一つとして契約の重要性を理解する。
NDAの基礎・実務と関連契約 NDAの基礎知識(主要契約条項、実務上の留意事項、他の契約類型との関係性等)を修得する。
取引基本契約の基礎 取引基本契約の基礎知識(契約構成、典型論点、実務上の留意事項等)を修得する。
個人情報保護法 個人情報保護法の基礎知識(個人情報の内容、取扱い場面別のルール)を修得する。
他社と契約を行う際の留意事項 契約に伴う業務の進め方および社内の法務ツールの利用方法を習得する。
中国顧客との装置売買契約書 中国顧客と締結する当社装置の売買契約書について、留意すべき契約条項や契約交渉の際のポイント等を理解し、売買契約を巡るリスクの低減を図る。
ソフトウェアビジネスに関わる留意点 著作権法の改正ポイントやオープンソースソフトウェアに関する基本的な事項を中心にソフトウェアビジネスを進めるにあたり必要な知識を習得し、ソフトウェアビジネスにかかるリスクの低減を図る。
下請法 下請法の基礎を学び、日常業務において下請法に違反することがないように親事業者に課せられる義務や禁止事項を理解する。
営業秘密の基礎 「営業秘密」に関する事件や事故の発生は企業に多大な損害を与える恐れがあるため、営業秘密に関する正しい知識を身につけ、日々の業務を適切に行うことでリスクの低減を図る。
労働者派遣と請負(構内請負) 労働者派遣と請負(構内請負)との違いおよび留意すべき事項に関する知識を習得する。
標準契約書の利用・法務案件依頼の手順 契約締結部門とHD法務・知財・コンプライアンス室双方にとってより円滑に業務推進を図ることを目的に、標準契約書の使い方と法務案件依頼システムの利用方法について理解する。
債権保全・回収の知識 国内の取引先に対し債権保全・債権回収を図る上で重要な契約条項や倒産手続き等の基本知識を習得する。

 

内部通報制度

社内向けポスター
社内向けポスター

国内外の法令、国際ルール、企業倫理や社内規則への違反が疑われる行為やハラスメント行為の早期発見、および不正・不祥事の未然防止を目的として、ウェブベースで会社から独立したグループ統一の内部通報制度「企業倫理ヘルプライン」を導入し、コンプライアンス教育やポスターの掲示などを通じて周知を図っています。国内外のグループの全役員・従業員、取引先企業などを対象に、賄賂や過剰な接待、癒着など、腐敗防止も包括的に取り扱うグローバルな通報体制を整備しています。また、改正公益通報者保護法に準拠し、通報者の匿名性の確保や秘密保持に加え、通報による不利益な取り扱いがないように「企業倫理ヘルプライン制度運営規程」を定めています。各種法令や企業倫理の順守状況については、内部監査による定期的な監査を実施しています。
内部通報制度により寄せられた相談は、法務・知財・コンプライアンス室を中心に対応し、代表取締役や監査役に定期的に報告を行っています。2023年3月期の内部通報件数は22件で、全件について対応を行いました。

 

 

● 内部通報対応概要compliance_01.png

税の透明性

当社グループは、「CSR憲章・行動規範」において、「健全で効果的な企業統治による、透明性の高い経営の実践」と、「各国の法令や社会規範を順守し、公明正大に良識ある企業活動を展開」を定めています。これらに基づき、税務については各所在国の税制を順守の上、CFOを税務運営の責任者とし、適正な申告および納税を行っています。また、各国の移転価格税制やOECD移転価格ガイドライン等に広く鑑みた移転価格ポリシーを制定し、グループ会社間の取引価格の設定および検証を行っています。租税回避を意図した税務プランニングやタックスヘイブンの使用は行いません。

安全保障貿易管理

国際的な平和および安全の維持を目的として、武器や軍事転用可能な貨物や技術が世界の安全を脅かすおそれのある国家やテロリストなどに渡ることを防ぐため、当社グループの重点課題の一つとして安全保障貿易管理に取り組んでいます。外国為替および外国貿易法をはじめとする輸出関連法規の最新情報を入手しグループに周知するとともに、輸出する貨物や技術が規制に該当するかの確認、および用途、需要者を確認する輸出管理プロセスを社内規定で定め、順守しています。
当社グループの各事業会社は、AEO(認定事業者)制度に基づく「特定輸出者」として承認を受けています。関係法令の周知、および定期的な法令監査を実施することにより、AEOの維持継続活動を展開しています。

競争法順守・腐敗防止

当社グループでは、独占禁止法など競争法の違反対象となる談合や私的独占といった反競争的な行動、取引上の便宜を図る、または受ける目的の贈収賄といった不正行為の発生を未然に防止するため、CSR憲章において公正な取引の実施を求め、「カルテル・入札談合の防止に関するガイドライン」の制定や不正防止教育を実施し、役員・従業員に周知しています。2023年3月期、反競争的な行動や反トラスト、および独占的慣行に関する違反は発生していません。

営業秘密の管理

当社グループでは営業秘密の管理手法に関して共通の内部規定および営業秘密管理規定運用基準を設けています。これにより営業秘密の適切な管理・運用を行い、外部への漏えいを防止しています。また、他者から受領する営業秘密についても上記内部規定に従った管理・運用の対象としております。
営業秘密の管理を徹底するために、当社グループの従業員に対して講習会やe-ラーニングによる教育を実施し、啓蒙を行っています。

反社会的勢力の排除

当社グループは、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは一切の関係を持ちません。反社会的勢力の不当な要求に毅然(きぜん)たる態度で臨み、断固としてこれを拒絶します。また、反社会的勢力とは取引関係その他一切の関係を持ちません。さらに、顧客や取引先に対しても、反社会的勢力との関係の排除を要求します。

製品・サービスへの対応

当社は、製品・サービスの法規制対応については、事業ごとに半期に1度順守評価を行っています。製品や、CEマーキングなどのラベリングに関する順守状況を確認し、グループEHS 委員会で報告しています。また、製品・サービスの対外的な情報発信にあたっては、主管組織、法務、知的財産、CSR、広報など関連組織の連携のもと、公正で正確な情報提供に努めており、2023年3月期において重大な法令違反は発生していません。