企業理念の浸透活動を通して、社員一人ひとりがソリューションクリエーターを目指すことへの理解・共感を得ることができました(企業理念の浸透活動)。今後は、理解・共感から日々の「行動」に移すフェーズに移行し、成果に結び付けることが重要だと考えています。「従業員エンゲージメントサーベイHearts」からも日々の業務と企業理念との結び付きが分からないとの声もあり、より「行動」に移してもらうために、ソリューションクリエーターに求められる行動基準を策定しました。策定にあたっては、SCREENグループ7社の社長へのインタビュー、代表社員へのインタビューや車座を行うなど、策定プロセスの段階から社員に関わってもらうことで、当社グループが重視している行動の意識醸成に取り組みました。
人的資産の強化
「経営大綱」で特定したマテリアリティの一つである「社員一人ひとりの成長を促進」に対し、人財戦略を策定しました。経営環境が大きく変化する不確実性の高い時代において、中長期的な視点での経営を支えるため、中期経営計画「Value Up 2023」では、企業理念の浸透活動を通してSCREENグループとして大切にしたい価値観を共有しました。新中期経営計画「Value Up Further 2026」では、経営戦略や事業戦略とより一層連動した人財戦略を策定・実行していく中で、「ソリューションクリエーターの育成」を当社の重要施策と置き、人財育成を図っていきます。
人財戦略におけるソリューションクリエーターの必要性
長期的な成長が予想される半導体市場などでのプレゼンスを維持・発揮するためには、高度専門人財の確保や育成、グローバルな競争力の強化が急務です。また、創業の精神である「思考展開」を体現するさまざまな事業を展開し、新規事業の創出にも挑戦し続けています。そのような中、当社グループが目指す未来として共通しているのは、VUCAの時代に絶えず変化する社会や顧客ニーズに応じ、顧客との信頼関係を強固にするソリューションを提供し続けることです。そのため人財戦略では、社員一人ひとりが何をするべきかを自律的に考えて行動し、能動的な提案で顧客ニーズを先取りすることによって事業を通じて社会に貢献できる「ソリューションクリエーター」の育成が、必要不可欠だと考えています。
ソリューションクリエーターを生み出す人財戦略・人事方針
経営大綱では、ソリューションクリエーターは企業体および人を示しています。経営大綱を実現するため人財戦略では、組織の活性化と個人の成長を方針に掲げています。中期経営計画「Value Up 2023」の最終年度である2024年3月期には、社員との対話や「従業員エンゲージメントサーベイHearts」を通し、組織および個人の課題が明確になりました。そして、新たな中期経営計画「Value Up Further 2026」へバトンをつなぎ、課題解決に向けより有機的かつ効果的な人財戦略を推進していきます。また、経営戦略と連携しながら獲得・育成・リテンションのサイクルを展開し、人財ポートフォリオ(以下、人財PF)の充足率を高めるとともに、エンゲージメントサーベイを通じて課題解決に対する施策の有効性を確認していきます。このように、人財戦略を通じて組織の活性化と個人の成長を実現し、当社の持続的な成長を支えていきます。
「Value Up Further 2026」における人財戦略推進フロー
「Value Up Further 2026」における指標
人財ポートフォリオ
生産年齢人口の減少に加え、特に半導体業界での人財不足が予想される中、当社の中長期的な成長と価値向上には、多様な人財によるイノベーションの創出が不可欠です。2024年3月期には、経営戦略の実現に必要な人財の量と質のギャップを明らかにするため、人財PFを策定しました。経営戦略や事業戦略と連動させながら、獲得・育成・リテンションのサイクルにより、人財PFの充足を図っていきます。
獲得
人財発掘
生産年齢人口の減少に加え、特に半導体業界全体での人財不足が予想される中、企業の中長期的な成長と価値向上には、多様な人財によるイノベーションの創出が不可欠です。SCREENグループの基盤を担う人財の獲得においては、各事業戦略に応じた人員数の拡充を図るとともに、女性・外国人・キャリア採用者といった多様な人財の登用をより一層強化し、国内外で積極果敢に社会課題を解決する、未来のソリューションクリエーターを獲得していきます。
ダイバーシティ
■ ダイバーシティの確保
当社グループの行動規範である「CSR憲章」では、「多様な人材の育成と積極活用」という理念を掲げています。グローバル化の進行や不確実性が高まる時代の中で、環境の変化に柔軟に対応できるような組織の構築が必要であり、異なるバックグラウンドを持つ人財が集まることで、新たなアイデアや視点の獲得につながります。「ダイバーシティはイノベーションの源泉」という考えのもと、女性・外国人・キャリア採用者など多様な属性の人財の積極的な採用、および多様性に即した環境整備を進めています。
■ 女性・外国人・キャリア採用者の積極的な登用
当社グループでは女性の活躍推進に関して、2031年3月期に、管理職に占める女性の割合を6%以上、全社員に占める女性の割合を15%以上にすることを目指しています。この目標に向け、新卒採用者に占める女性の割合20%以上を掲げ、女性の積極的な採用に注力しています。2024年3月期は、理系職種に占める女性の割合が少ないという課題に対し、新卒採用活動において理系の女子学生をターゲットに、技術者として働く女性社員、育児と両立させている女性社員、女性管理職などとの座談会や個別面談の機会を設けました。加えて、女性向けの会社紹介パンフレット『SCREEN CAREER & LIFE BOOK for women』を発行し、当社グループにおける女性の具体的なキャリア形成イメージを発信しています。また、今後は国内グループ会社における年度目標を設定し、各社の状況に応じた施策を展開し、グループを挙げて推進を強化していきます。 また、当社国内グループ会社には現在52名の外国人が在籍しており、海外グループ会社においては、常勤役員ポストのうち半数以上を現地採用の外国人が担っています。2024年3月期には、外国人留学生向けの採用説明会および選考会を実施。キャリア採用も積極的に行っており(2024年3月期:正社員採用者におけるキャリア採用比率63.7%)、2031年3月期には、女性・外国人・キャリア採用者といった多様な属性の社員の割合を50%以上にしたいと考えています。
■ 障がい者雇用の促進
特例子会社である株式会社SCREENビジネスエキスパートにおいて、2009年3月期から継続して障がい者雇用を進めています(2024年6月時点の雇用率:2.71%)。従来の彦根事業所での雇用(「彦根パルテ」)に加え、本社事業所にも障がい者雇用組織「京都パルテ」を設置し、総勢85名が活躍しています(2024年6月時点)。また、2024年3月期は、多様な人財が活躍できる風土づくりの一環として、多様な障がい特性者の受け入れの実施や、京都大学や外部企業から専門家を招いて障がい者雇用セミナーを開催しました。今後は、集合型就労の事業拠点の拡大と採用の強化を図り、さまざまな人財の雇用をさらに進めていきます。
育成
社員一人ひとりがソリューションクリエーターでありたいとの考えのもと、すべての階層における人財の成長を支援し、その成長を実感できる仕組みを整備するとともに、グループ経営の視点を持つ次世代の経営人財の育成を目指しています。
「ソリューションクリエーター行動基準」の策定

ソリューションクリエーターの行動の「仕組み化」
個人の成長への支援として、策定された行動基準を基に、研修内容の見直しおよび拡充を実施しています。クリティカルシンキングやビジネス定量分析など、ソリューションクリエーターに必要な研修を新設するほか、各人のスキルアップにつながる研修を拡充し、社員一人ひとりが自律的に能力を開発できる環境を整備しています。今後は、行動基準を人事諸制度と連動させ、各人がより高いレベルの行動を体現できるよう、取り組みを拡大していきます。 「ソリューションクリエーター」になるためには、個人の成長だけでなく組織の活性化が必要との考えのもと、組織のソリューションクリエーターレベルを0~4に設定しました。経営層から、レベル向上に向けた期待や経験談を発信するなど、社員一人ひとりの行動につなげる基盤づくりに取り組んでいます。今後は、所属組織単位で行動を具体化できるようなワークショップを進めていく予定です。これらの組織のソリューションクリエーターレベルについては、エンゲージメントサーベイを通じて成長を測定していきます。
ソリューションクリエーター組織レベル
次世代の経営人財の育成
ソリューションクリエーターとして、社員一人ひとりが経営者的な視点を持って時代の変化に対応し、行動することが求められています。その一方では、企業理念を自ら体現し、ありたい姿に向けて率先して組織をけん引する強いリーダーを育てることも、サステナブルな経営基盤をつくるための重要課題です。当社グループでは、次世代の経営人財を育成するための研修プログラムとして、管理職向けの「ビジネスリーダー養成コース」を18期にわたって、非管理職向けの「Jr.ビジネスリーダー養成コース」を7期にわたって実施しています。各社から選出された社員が、役員講話や社外講師による専門的な講義の聴講のほか、他社従業員との異業種交流型研修(他流試合形式)で競い合うなど、1年を通して密度の高いプログラムを受講します。その中で、実践的な経営知識を習得するとともに経営的視点を養い、将来のビジネスリーダーとして自ら道を創り進む力を醸成しています。修了後は、当社グループをけん引するリーダーとして活躍しています。 また、経営者を目指す管理職を対象にした「経営力伝承塾」を2022年から実施しています。当社の経営経験者の成功体験や失敗の実体験を基に、経営判断の背景やスピリット、実践的な「経営力」のノウハウを次世代の経営人財に伝承する場として、発起人である会長の垣内永次のほか、新たに経営経験者を講師に加え、2024年3月期はグループ全体で113名が受講しました。2025年3月期も複数回の実施を予定しています。 今後は、人財PFを基にグループ全体で次世代経営人財の見える化を行い、より戦略的に育成を進めていきます。
専門人財の育成
2024年4月、特定領域において専門能力で会社に貢献する人財のキャリアパスを拡充しました。各事業戦略の実現に必要なスキルを明確にしたディスクリプションを策定し、全社員に公開しています。新たに2022年3月期の3倍となる27名を任用し、人財PFにおける量の充足および多様性の確保に向け、価値創造を後押しする環境を整備しています。 また、開発・技術分野における当社グループの教育プログラムを運営している技術者育成委員会では、入社3年目までの社員を対象に、技術的知見の向上や育成計画の「可視化」を行ってきました。2023年3月期には、「次世代技術者育成コース」として、プロジェクトマネジャーを育成する研修をスタートさせています。さらに、入社4年目の技術者を対象にした研修では、顧客ニーズをつかむためのマインドセットを重視。2024年3月期には、入社5年目の技術者を対象に、顧客ニーズを満たす価値提案のスキルを学ぶ研修を実施しました。今後は育成計画の最終段階として、アイデアや発想を学びながら実際にシナリオプランニングを行い、企画を推進する実践力の向上を図る予定です。研修を通じて、ものづくり全体を把握できるリーダーを育成し、社会課題を解決するソリューションを生み出す人財を輩出していきます。 そのほかにも、技術者のキャリア形成を目的として、中堅技術者を対象とした事業間ローテーション制度を継続して実施しています。異なる組織の中で、技術者としての能力を伸長させるための経験を積むほか、自組織以外でのコミュニケーションネットワークの形成にも活用しています。
インタビュー
技術者ローテーション参加者数(各年4月時点)
項目 | 2021年(第1回) | 2022年(第2回) | 2023年(第3回) | 2024年(第4回) |
参加者数 | 9名 | 8名 | 8名 | 9名 |
教育・研修費用および受講実績
項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 |
教育研修費用 | 1.6億円 | 2.5億円 | 4.0億円※2 |
1人あたりの研修費用※1 | 75,000円 | 115,000円 | 149,000円 |
1人あたりの研修費用※2 | - | - | 105,000円 |
※1 持株・事業・機能会社における社内教育訓練費・講習会などの受講料の全体費用 ※2 上記の※1に国内連結グループ会社を含めた全体費用) |
教育体系図
目標管理と多面評価
年2回の目標管理では、目標設定時や成果確認時に上司との個別面談を行っています。面談では会社や組織の目標と個人の目標のベクトルを合わせ、その他年間を通じた上司との対話により、モチベーションの向上や内省の機会を設けることで組織の活性化と個人の成長を図っています。 評価は、役割と成果やどのような行動を取ったかという業務プロセスに基づき、公正で納得性の高い評価を行います。 また、それを会社・組織の業績とともに報酬に反映することで、 社員一人ひとりの貢献に報いる公平な処遇を行っています。加えて、このような制度運用の基盤となる目標管理と評価制度への理解が深まるよう、定期的に評価者研修を実施しています。 その他、部下が上司を評価する多面評価を行い、双方向性を 実現することで、評価の適正化を図っています。
リテンション
変化の激しい事業環境・社会情勢の中で企業価値を向上させていくには、多様な価値観を持ったさまざまな世代の社員全員が一体となり、同じベクトルで積極的に挑戦していく必要があります。そのために、企業理念の浸透や人財戦略の実行を通じて、一体感を醸成しながら実践の場を提供することで、年齢にかかわらず活躍できる環境を構築していきます。
一体感の醸成によるソリューション創出の促進
2023年4月に企業理念が再定義され、10年後のありたい姿とSCREEN Value(企業価値)を高めるための基本指針を定めた「経営大綱」も見直しました。これらの浸透を図るために、企業理念に対する経営陣の考えをディスカッションする様子を、主要事業所(7拠点)で同時中継しました。また、社員一人ひとりがそれぞれの仕事に対する動機付けを高め、組織としての志を一つにすることを目的に、経営層と社員との対話の場であるタウンホールミーティングを実施しました(全37回/参加者2,638名)。その結果、企業理念への理解・共感度は90%となりました。今後は、国内外のグループ会社に対してもタウンホールミーティングを実施し、SCREENグループとしての一体感を高めていきます。さらに、組織横断交流イベントを実施し、職種を超えたコミュニケーションの強化を図っていく予定です。
多様な人財が活躍できる環境整備
当社グループでは、多様な個性を持つ従業員一人ひとりが、本人や配偶者の妊娠・出産、育児・介護・疾病治療など、性別やライフステージにおけるさまざまな変化に左右されることなく、能力を発揮できる環境の整備に努めています。在宅勤務制度の整備をはじめ、連続5日間の有給休暇を取得できる「リフレッシュ休暇」、子どもの学校行事参加などで取得できる「子育てサポート休暇」など各種の休暇制度を整備することで、エンゲージメントサーベイにおいても厚い支持を得ていることが分かっています。また、働きやすさの整備だけでなく、多様な人財の活躍に向け、定年延長の検討を開始しています。 今後は、社員一人ひとりの働きがいをより一層向上させるため、若手層へのキャリアデザイン研修を実施するほか、自己申告制度や人財公募によるキャリア自律支援施策を拡充していきます。
従業員持株会 ~経営参画意識の向上に寄与~
当社では、国内グループ全従業員を対象に自社株式の購入を奨励する「従業員持株会」を設けており、各種施策や拠出金に対する15%の奨励金付与などを通じて加入促進を図り、従業員の経営参画意識の向上や、従業員の長期資産形成の支援を推進しています。(2024年3月時点の加入率:85%超)
労使関係
当社は「国連グローバル・コンパクト」に署名し、労働者による結社の自由と団体交渉権を承認しています。労働組合への主要7社の加入率は、2024年3月末現在61.6%となっています。労働組合とは、月1回の定例労使折衝以外にも各種テーマについて必要に応じて労使協議会を開催するなど、建設的な対話を重視する労使関係を構築しています。
Topics
組織の活性化と個人の成長を測る
人財戦略の実践、つまりはソリューションクリエーターとして社会課題を解決するという10年後のありたい姿の実現には、組織の活性化と個人の成長の両輪が有機的につながることが大切です。さらに、多様な価値観を持った社員一人ひとりが同じベクトルで、やりがいを持って働くことも重要だと考えています。当社では、個人や組織が抱えている課題を特定し、より働きがいを持てる会社とするため、2022年3月期から「従業員エンゲージメントサーベイHearts」を実施しています。Heartsで特定された課題の解決に向け、獲得・育成・リテンションのそれぞれのプロセスで施策の有効性を確認していきます。
従業員エンゲージメントサーベイHearts
Heartsでは大きく3つの観点から、持続可能なエンゲージメント※を測定しています。さらに、これら3つの観点を15のカテゴリーの設問に分解し、あらゆる角度から当社グループが持続的な成長のために向き合っていくべき内容を確認していきます。
※ 持続可能なエンゲージメント:生産的な職場環境や心身の健康などによって、目標達成に向けた高い貢献意欲や組織に対する強い帰属意識を維持できる環境が整っているかを表す指標。
エンゲージメント | 会社の目指すゴールや目標への支持、および会社への誇りや帰属意識による目標達成への貢献意欲 |
発揮可能な環境 | 業務遂行上の阻害要因の排除、問題対処能力の向上、および業務効率化のためのツールやリソースの確保 |
活力 | 仕事の達成感や活力の維持、チームや職場での人間関係の深耕 |
* WTW(ウイリス・タワーズワトソン)からの提案資料を基に当社で作成
2024年3月期の結果および取り組み
2024年3月期の結果から、「コンプライアンス」や「ウェルビーイング」といった、会社の誠実さや働きやすさを測るカテゴリーで高い数値となった一方で、「業務推進体制」「コミュニケーション・連携」「顧客志向」「目標・戦略」「キャリアパス」の5つのカテゴリーにおいて、低い水準にとどまっていることが分かりました。これらのカテゴリーにおける分析を行い、人財戦略における施策のほか、各社・各組織との連携を強化しながら、取り組みを推進していきます。 2024年3月期には、エンゲージメントサーベイから特定された課題が、経営課題であることの共通認識を持つため、CEOの廣江敏朗をはじめとするHD経営層や各事業会社社長と共に議論しました。また、社員一人ひとりが持つ多様で多彩な個性や能力を、年齢にかかわらず最大限に発揮できる環境を整備するには、経営層だけでなく現場を統轄する管理職が、常に企業理念・CSVを意識したマネジメントを実施することが重要と考え、管理職ワークショップを開催し、自組織の課題を特定しています。そのほか、企業理念・CSVと自組織の目標を連動させ、組織全体が瞬時に判断しながら動くことができるマネジメントを行うための研修など、部下の成長と組織成果の最大化を実現できる支援を行っています。
今後の取り組み
新中計における人財戦略のKPIとして、Heartsスコアの好意的回答率を70%にすることを掲げています。経営課題として各社・各組織での取り組みのほか、Heartsでの課題と連動した人財戦略としての施策を推進し、その有効性を再びHeartsで確認するPDCAを回しながら、スコアの向上を目指します。なお、Heartsの対象はこれまで7社としていましたが、今後はグローバルでの実施を予定しており、当社グループとしての課題を特定し、グローバルでの競争力強化に活用していきます。
Hearts好意的回答率
* 当社グループでは2024年3月期から、WTW(ウイリス・タワーズワトソン)の従業員エンゲージメントサーベイを通して、エンゲージメントスコアを把握しています。
■ 休暇・休業制度の充実
多種多様な休暇制度の一例として、自己啓発促進や心身のリフレッシュなどを目的とし、勤続5年目以降10年ごとに連続5日間の休暇を取得できる「リフレッシュ有休」や、家族の看護・介護などのライフイベントや本人の疾病治療などに対して年間5日まで取得可能な「ファミリーサポート有休」など、一人ひとりのニーズに合わせた休暇制度を広く設けています。その結果、2024年3月期の有給休暇取得率は85%となりました。2025年3月期もワークライフバランスのさらなる推進を目指し、各種休暇制度の利用促進に取り組みます。また、男性が、仕事と育児の両立がしやすい環境づくりの一環として、配偶者育児休職(有給・3日)を制定し、原則として取得を義務化しています。2024年3月期の取得率は、従来の育児休業取得と合わせて8割を超えています。
■ 在宅勤務制度の拡充
社員一人ひとりの状況に応じて在宅勤務時間を柔軟に設定できる両立支援のための在宅勤務制度を整備し、妊娠(配偶者の妊娠含む)・出産・育児・介護・疾病治療などより時間に制約のある中でも働きやすい環境を実現しています。また、両制度とも自宅に限らず、親族の住居でも勤務を可能とし、休暇制度だけではない持続可能な働き方に向けた環境整備を推進しています。
主な制度(2024年4月現在) | |
PitStop5有休 | 前年度有休取得率が60%未満の場合に、当年度に必ず設定する連続5日の有給休暇 |
リフレッシュ有休 | 勤続5年目以降10年ごとに取得できる、連続5日の有給休暇 |
ファミリーサポート有休 | 家族の看護・介護、本人の疾病治療を目的とした、年間5日以内の有給休暇 |
ボランティア休暇 | 社会貢献のためのボランティア活動を目的とした、年間3日以内の特別休暇 |
子育てサポート休暇 | 中学3年生までの子どもの検診や学校行事参加などを目的として取得できる、年間2日以内の特別休暇 |
配偶者育児休職 | 配偶者出産後の育児参加を目的とした休職(有給休職 原則取得) |
配偶者同行休職 | 外国で勤務する配偶者に同行することを目的とした休職(無給休職・一定期間) |
フレックスタイム制 (コアタイムなし) |
育児・介護・妊娠・本人の疾病治療中の社員を対象としたコアタイムを設定しないフレックス勤務 |
勤務間インターバル | 勤務終了から翌日の勤務開始までに一定の連続した休息時間を確保する制度(9時間以上を確保) |
在宅勤務 | 働き方の柔軟性と業務効率・効果の向上のため、全社員を対象とした業務の一部を自宅で行う勤務形態 |
両立支援のための 部分在宅勤務 |
育児・介護・妊娠・本人の疾病治療中の社員を対象とした業務の一部を自宅で行う勤務形態 |
短時間勤務 | 育児(小学校6年生までの子を養育)・介護・本人の疾病治療中の社員を対象とした勤務時間を短縮できる制度 |
準総合コース | 育児・介護などで転勤が難しい社員を対象とした勤務地を限定するコース |
育児休職等補助金給付 | 育児休職・育児短時間勤務などにより減額となる賃金の一部を補助 |
育児早期復職補助金給付 | 育児休職からの早期復職者に保育所費用などを補助 |
育児休職中能力アップ 支援プログラム |
育児休職中の自己啓発を支援するウェブサービス |
介護休業等補助金給付 | 介護休業・介護短時間勤務などにより減額となる賃金の一部を補助 |
介護用具費補助金制度 | 介護のための器具購入・レンタル費用の一部を補助 |
介護に関する相談窓口の設置 | 社内制度および公的支援、民間サービスなどに関する専任の担当者による相談受け付け |
介護セミナーの開催 | 介護離職を無くすことを目的とした、介護の基礎知識に関するセミナーの実施 |