当社は、2020年4月に「Science Based Targets イニシアチブ(SBTi)※1」の認定を取得し、CO2排出削減の取り組みを進めており、2021年12月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明しました。TCFD 提言に準じた情報開示を積極的に進め、2050年のカーボンニュートラル社会の実現を見据えた気候変動への取り組みを一層推進していきます。
※1 科学的根拠に基づいたCO₂排出削減目標の設定を求める、地球温暖化防止に向けた国際的なイニシアチブ
TCFD 提言に関する取り組み

2050年カーボンニュートラルに向けて

カーボンニュートラル宣言

SCREENグループは、社会の脱炭素化と持続的な発展に貢献するため、事業を通じたCO2排出量の削減に努め2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指します。
当社は事業活動によるCO2排出量について気温上昇を1.5℃以下に抑制するペースで気候変動対策に取り組んでおり、今後も各種設備の省エネ・創エネ化、蓄電設備や再生可能エネルギーの導入など、カーボンニュートラルの実現に向けた持続的な取り組みを推進していきます。

指標と目標

Science Based Targets

事業活動によるCO2排出量(Scope1※2+Scope2※3)に加え、特に排出量が大きく顧客の関心も高い、販売した製品の使用によるCO2排出量(Scope3カテゴリー11)について、2030年の削減目標を設定し、Science Based Targets(SBT)として認定を受けています。
2024年1月、1.5℃水準に整合的な目標として、SBTの認定を更新しました。
「Science Based Targets イニシアチブ(SBTi)」の認定を更新
       ~1.5℃水準に整合的な温室効果ガス削減目標~

*気候変動に関するより詳細な実績は、「サステナビリティ・データ」および「Sustainability Data Book 2023」に記載しています。
*当社は、当社が開示するサステナビリティ情報の信頼性向上のため、「Sustainability Data Book 2023」に記載の2022年4月1日から2023年3月31日までを対象とした気候変動に関するパフォーマンス指標の一部に独立第三者保証を受けています。
詳細は「Sustainability Data Book 2023」をご覧ください。

※2 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
※3 他者から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出

 事業活動によるCO2排出量(Scope1、Scope2)
事業活動によるCO2排出量を2030年までに2019年3月期比30% 削減
2030年目標     :35.4千t-CO2e
2023年3月期実績:23.9千t-CO2e(2019年3月期比52.7%減)

Scope1_2_J.png

2023年3月期、事業活動によるCO2排出量は、再生可能エネルギー導入を主因として、基準年度比で52.7%の大幅削減を実現し、2030年のSBTについても前倒しで達成しました。
当社グループのCO2削減目標は、気温上昇を、2℃を十分に下回る水準に抑えるために必要な削減量と整合的な目標としてSBTの認定を受けていましたが、2024年1月、気温上昇を1.5℃に抑制するために必要な水準として、SBTの認定を更新しました。
当社グループは、以前より気温上昇を1.5℃以下に抑制するペースでCO2排出量の削減に努めており、今後も再生可能エネルギーの更なる導入、設備の省エネ化やBCPも考慮した創出・蓄電を含む各種施策を促進し、2050年のカーボンニュートラルに向けて、気候変動への取り組みを一層推進していきます。

主な削減取り組み
再生可能エネルギーの導入
再生可能エネルギーの導入を積極的に進めています。2022年3月期の本社・彦根事業所・多賀事業所に加え、2023年3月期も新たにSCREEN SPE テック久世事業所などへ導入エリアを拡大し、CO2排出量の大幅削減に寄与しました。

省エネルギー施策の推進
グループEHS委員会の下で活動する環境・エネルギー分科会などを通じて、グループ各社の省エネルギーに関する取り組みやノウハウの共有・横展開を進めるとともに、計画的に省エネルギー性能の高い設備の導入・入替えを実施しています。2023年3月期には、熱源設備やエアコンの更新、照明設備のLED化などにより、年間約400tのCO2排出量を削減しました。

 販売した製品の使用によるCO2排出量(Scope3カテゴリー11)
販売した製品の使用によるCO2排出量を2030年までに2019年3月期比20%削減
2030年目標    :2,082千t-CO2e
2023年3月期実績:2,577千t-CO2e(2019年3月期比0.9%減)

Scope3 Cat.11_J.png

販売した製品の使用によるCO2排出量(Scope3カテゴリー11)については、基準年比0.9%削減となり、製品販売の増加と比べると大幅に抑制されているものの、2024年3月期の中間目標(基準年度比8%削減)、2030年のSBTに対する進捗が遅れています。目標の達成に向け、当社グループ単独での取り組みに加えて、業界他社や業界団体とも協働し、省エネ性能の高い製品の開発に一層注力していきます。
なお、販売した製品の使用によるCO2排出量に関するSBTについても、2024年1月、原単位の目標へ変更し、SBTの認定を更新しています。

主な削減取り組み
省エネルギー性能の高い製品開発

お客さまの工場稼働におけるCO2排出量の削減に貢献できるよう、当社独自の評価基準をクリアした製品を「グリーンプロダクツ」と認定し、環境性能に優れた製品の販売拡大に努めています。消費エネルギーについては、製品環境アセスメントの基準とした従来製品に対して25%以上の削減を基準としています。
また、CO2排出量の削減を一層加速させるため、より優れた省エネルギー性能を備えた「スーパーグリーンプロダクツ」認定制度の運用を開始しました。2019年3月期の販売製品と比べて、単位処理面積あたりの消費エネルギーを40%以上削減することを基準とし、その基準を満たす製品の開発に注力しています。

グリーンプロダクツ

サプライチェーンにおけるCO2排出量の削減

サプライヤーとの協働
気候変動に対する緩和と適応を進めるべく、サプライチェーン全体におけるCO2排出量の削減に向けた活動を展開しています。調達先や組立先をはじめとしたサプライヤーに対しては、事業会社ごとに事業方針説明会を実施し、事業運営方針はもとより、気候変動を含めた取り組みの重要性や課題を共有しています。また、重要サプライヤー向けのサステナビリティ関連サイト「SCREEN Supply Chain Sustainability Site」を開設し、気候変動対応に関連した動画や資料集、ウェビナーの提供を開始しました。
2023年6月には、サプライチェーンとしての脱炭素化を一段と進めていくことを意図し、滋賀県ならびに株式会社滋賀銀行との間で「サステナビリティ向上に資する脱炭素に関する協定」を締結しています。今後もサプライヤーをはじめとする様々なステークホルダーと連携し、ともに学び、持続可能な社会の実現に貢献すべく、削減取組を推進していきます。

物流におけるCO2削減
調達先や組立先の協力のもと、複数の調達先の部品を共同で配送する「共同配送便」や、大型ユニットを当社管理のトラックで輸送する「生産ユニット便」による共同配送を導入しています。個別輸送方式と比べて、物流効率の高い共同輸送方式を推進することで、CO2排出量の削減を図っています。
また、当社グループは、海外売上が80%近くを占め、日本で製造した装置を海外のお客さま先で組み立てることが多いことから、製品輸送時のCO2排出量の削減に努めています。特に、物流手段をトラックから船に切り替えるモーダルシフトを進めており、2011年にエコシップ・モーダルシフト優良事業者に認定されています。輸送専門会社であるSCREENロジスティクスが中心となり、効率的な物流を通じたCO2排出量の削減を推進していきます。
 

※4 同業他社である複数のサプライヤーの部品を共同で配送すること
※5 各社が自社トラックなどを利用して別々に輸送していた大型ユニットを当社管理のトラックで輸送を行うこと