当社グループは、GHG排出量を削減し、事業を通じて脱炭素社会の実現に貢献することが、気候関連リスクの低減と機会の増大につながると考え、事業活動によるGHG排出量(Scope1※1+Scope2※2)に加え、特に排出量が大きく顧客の関心も高い、販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3カテゴリー11)の削減に取り組んでいます。
※1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
※2 他者から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出
*気候変動に関するより詳細な実績は、「サステナビリティ・データ」および「Sustainability Data Book 2024」に記載しています。
*当社グループは、当社グループが開示するサステナビリティ情報の信頼性向上のため、「Sustainability Data Book 2024」に記載の2023年4月1日から2024年3月31日までを対象とした気候変動に関するパフォーマンス指標の一部に独立第三者保証を受けています。
詳細は「Sustainability Data Book 2024」をご覧ください。
● 事業活動によるGHG排出量(Scope1、Scope2)
事業活動によるGHG排出量を2030年3月期までに2019年3月期比75.0%削減
2030年3月期目標:12.6千t-CO2e
2024年3月期実績:27.5千t-CO2e(2019年3月期比45.5% 減)
2024年3月期における事業活動によるGHG排出量(Scope1+Scope2)は、2019年3月期比45.5%削減となり、2024年3月期までの中期計画であるSustainable Value 2023の目標(10%減)を大幅に上回る削減を達成しました。2023年3月期比では、一般電力の排出係数の悪化により微増となりましたが、再生可能エネルギーの導入事業所の拡大および省エネ設備への更新による高効率化などにより増加幅は抑制できています。
当社グループは気温上昇を1.5℃に抑制する水準と整合的としてScience Based Targetイニシアチブ(SBTi)※3から認定を取得した目標(2030年3月期:2019年3月期比50.4%減)を大幅に上回るペースで、GHG排出量の削減を進めており、今後も積極的な取り組みを継続していきます。
※3 科学的根拠に基づいたGHG排出削減目標の設定を求める、地球温暖化防止に向けた国際的なイニシアチブ
主な取り組み
再生可能エネルギー由来電力の拡大
Scope2の脱炭素化を優先的に進めるため、2027年3月期までの、国内主要拠点の100%再エネ電力化を計画しています。2022年3月期の本社・彦根事業所・多賀事業所に加え、2023年3月期も新たにSCREEN SPE テック久世事業所などへ導入エリアを拡大し、GHG排出量の大幅削減に寄与しました。
効果的なエネルギーマネジメント(省エネ化・創エネ化・生産効率化)
グループEHS委員会の下で活動する環境・エネルギー分科会などを通じて、グループ各社の省エネルギーに関する施策やノウハウの共有・横展開を進めるとともに、計画的に省エネルギー性能の高い設備の導入・更新を実施しています。2024年3月期には、熱源設備やエアコンの更新、照明設備のLED化などにより、年間約500t-CO2eを削減しました。また、事業所内に太陽光発電設備を設置することで、2024年3月期は約734Mwhの電力を創出しました。
● 販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3カテゴリー11)
販売した製品の使用によるGHG排出量を2030年3月期までに2019年3月期比58.1% 削減(売上総利益原単位)
2030年3月期目標:10.8t-CO2e/100万円
2023年3月期実績:12.3t-CO2e/100万円(2019年3月期比52.4%減)
2024年3月期における販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3カテゴリー11)は、2019年3月期比13.7%減となりました。売上が増加する中でも、環境性能の高いグリーンプロダクツの販売比率拡大が削減に寄与し、Sustainable Value 2023の目標を達成しました。
脱炭素社会の実現に向けて、半導体の需要増加が見込まれることを踏まえ、2024年1月より販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3カテゴリー11)の削減目標は総量ベースから、事業成長とGHG排出抑制を同時に目指す、売上総利益原単位ベースの目標に変更しました。
原単位目標では、総量目標よりも高い削減率を求められることもあり、目標達成に向けたハードルが非常に高いことには変わりありませんが、開発・製造・営業などグループ全員が一体となって削減に向けた取り組みに一層注力していきます。
主な取り組み
省エネルギー性能の高い製品開発
お客さまの工場稼働におけるGHG排出量の削減に貢献できるよう、当社独自の評価基準をクリアした製品を「グリーンプロダクツ」と認定し、環境性能に優れた製品の販売拡大に努めています。消費エネルギーについては、製品環境アセスメントの基準とした従来製品に対して25%以上の削減を基準としています。
また、GHG排出量の削減を一層加速させるため、より優れた省エネルギー性能を備えた「スーパーグリーンプロダクツ」認定制度の運用を開始しました。2019年3月期の販売製品と比べて、単位処理面積あたりの消費エネルギーを40%以上削減することを基準とし、その基準を満たす製品の開発に注力しています。
Sustainable Value 2026では、2027年3月期におけるスーパーグリーンプロダクツ売上比率3%の目標を掲げており、各事業の旗艦製品の適合化に向け、当社グループ単独での取り組みに加えて業界団体とも協働し、取り組みを進めています。
グリーンプロダクツ
「Science Based Targets イニシアチブ(SBTi)」の認定を更新
~1.5℃水準に整合的な温室効果ガス削減目標~