当社グループは、気候変動・環境対応として、提供する技術・製品・サービスの開発・製造・販売など全ての事業活動および販売先での環境負荷を低減し持続的な社会の発展に貢献することを目指しています。2021年12月より「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言に基づいた開示を進めています。
TCFD 提言に関する取り組み

2050年カーボンニュートラルに向けて

カーボンニュートラル宣言

当社グループは、社会の脱炭素化と持続的な発展に貢献するため、事業を通じたGHG排出量の削減に努め2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指します。
事業活動によるGHG排出量については、気温上昇を1.5℃以下に抑制するペースで気候変動対策に取り組んでおり、カーボンニュートラルの実現に向け、3つのアプローチ「再生可能エネルギー由来電力の拡大」「効果的なエネルギーマネジメント(省エネ化・創エネ化・生産効率化)」「燃料系エネルギーの脱炭素化」を進め、社会の脱炭素化と持続的な発展に貢献します。

事業活動における脱炭素戦略 
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指標と目標

当社グループは、GHG排出量を削減し、事業を通じて脱炭素社会の実現に貢献することが、気候関連リスクの低減と機会の増大につながると考え、事業活動によるGHG排出量(Scope1※1+Scope2※2)に加え、特に排出量が大きく顧客の関心も高い、販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3カテゴリー11)の削減に取り組んでいます。
※1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
※2 他者から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出

*気候変動に関するより詳細な実績は、「サステナビリティ・データ」および「Sustainability Data Book 2023」に記載しています。
*当社グループは、当社グループが開示するサステナビリティ情報の信頼性向上のため、「Sustainability Data Book 2023」に記載の2022年4月1日から2023年3月31日までを対象とした気候変動に関するパフォーマンス指標の一部に独立第三者保証を受けています。
詳細は「Sustainability Data Book 2023」をご覧ください。

 事業活動によるGHG排出量(Scope1、Scope2)
事業活動によるGHG排出量を2030年3月期までに2019年3月期比75.0%削減
2030年3月期目標:12.6千t-CO2e
2023年3月期実績:23.9千t-CO2e(2019年3月期比52.7%減)
2024年3月期実績(速報値) :27.6千t-CO2e(2019年3月期比45.3% 減)

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2024年3月期における事業活動によるGHG排出量(Scope1+Scope2)は、2019年3月期比45.3%削減(速報値)となり、2024年3月期までの中期計画であるSustainable Value 2023の目標(10%減)を大幅に上回る削減を達成しました。2023年3月期比では、一般電力の排出係数の悪化により微増となりましたが、再生可能エネルギーの導入事業所の拡大および省エネ設備への更新による高効率化などにより増加幅は抑制されています。
当社グループは気温上昇を1.5℃に抑制する水準と整合的としてScience Based Targetイニシアチブ(SBTi)※3から認定を取得した目標(2030年3月期:2019年3月期比50.4%減)を大幅に上回るペースで、GHG排出量の削減を進めており、今後も積極的な取り組みを継続していきます。
※3 科学的根拠に基づいたGHG排出削減目標の設定を求める、地球温暖化防止に向けた国際的なイニシアチブ

主な取り組み
再生可能エネルギー由来電力の拡大
Scope2の脱炭素化を優先的に進めるため、2027年3月期までの、国内主要拠点の100%再エネ電力化を計画しています。2022年3月期の本社・彦根事業所・多賀事業所に加え、2023年3月期も新たにSCREEN SPE テック久世事業所などへ導入エリアを拡大し、GHG排出量の大幅削減に寄与しました。

効果的なエネルギーマネジメント(省エネ化・創エネ化・生産効率化)
グループEHS委員会の下で活動する環境・エネルギー分科会などを通じて、グループ各社の省エネルギーに関する取り組みやノウハウの共有・横展開を進めるとともに、計画的に省エネルギー性能の高い設備の導入・入替えを実施しています。2024年3月期には、熱源設備やエアコンの更新、照明設備のLED化などにより、年間約500t-CO2eを削減しました。また、事業所内に太陽光発電設備を設置することにより、2024年3月期は約400Mwhの電力を創出しました。

 販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3カテゴリー11)
販売した製品の使用によるGHG排出量を2030年3月期までに2019年3月期比58.1% 削減(売上総利益原単位)
2030年3月期目標:10.8t-CO2e/100万円
2023年3月期実績:16.6t-CO2e/100万円(2019年3月期比35.8%減)

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2024年3月期における販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3カテゴリー11)は、現在集計中ですが、売上が増加する中でも、環境性能の高いグリーンプロダクツの販売比率拡大が寄与し、Sustainable Value 2023の目標を達成できる見込みです。
脱炭素社会の実現に向けて、半導体の需要増加が見込まれることを踏まえ、2024年1月より販売した製品の使用によるGHG排出量(Scope3カテゴリー11)の削減目標は総量ベースから、事業成長とGHG排出抑制を同時に目指す、売上総利益原単位ベースの目標に変更しました。
原単位目標では、総量目標よりも高い削減率を求められることもあり、目標達成に向けたハードルが非常に高いことには変わりありませんが、開発・製造・営業などグループ全員が一体となって削減に向けた取り組みに一層注力していきます。

主な取り組み
省エネルギー性能の高い製品開発

お客さまの工場稼働におけるGHG排出量の削減に貢献できるよう、当社独自の評価基準をクリアした製品を「グリーンプロダクツ」と認定し、環境性能に優れた製品の販売拡大に努めています。消費エネルギーについては、製品環境アセスメントの基準とした従来製品に対して25%以上の削減を基準としています。
また、GHG排出量の削減を一層加速させるため、より優れた省エネルギー性能を備えた「スーパーグリーンプロダクツ」認定制度の運用を開始しました。2019年3月期の販売製品と比べて、単位処理面積あたりの消費エネルギーを40%以上削減することを基準とし、その基準を満たす製品の開発に注力しています。
スーパーグリーンプロダクツの売上構成は、2033年3月期までの経営大綱のアウトカムの1つに位置付けており、新中期計画期間は各事業の旗艦製品の適合化に向け、当社グループ単独での取り組みに加えて、業界団体とも協働し、取り組みを進めます。

グリーンプロダクツ
「Science Based Targets イニシアチブ(SBTi)」の認定を更新
       ~1.5℃水準に整合的な温室効果ガス削減目標~

サプライチェーンにおけるGHG排出量の削減

サプライヤーとの協働
気候変動に対する緩和と適応を進めるべく、サプライチェーンにおけるGHG排出量の削減に向けた活動を展開しています。調達先や組立先をはじめとしたサプライヤーに対しては、事業会社ごとに事業方針説明会を実施し、事業運営方針はもとより、気候変動を含めた取り組みの重要性や課題を共有しています。また、重要サプライヤー向けのサステナビリティ関連サイト「SCREEN Supply Chain Sustainability Site」を開設し、気候変動対応に関連した動画や資料集、ウェビナーの提供を開始しました。
2023年6月には、サプライチェーンとしての脱炭素化を一段と進めていくことを意図し、滋賀県ならびに株式会社滋賀銀行との間で「サステナビリティ向上に資する脱炭素に関する協定」を締結しています。今後もサプライヤーをはじめとする様々なステークホルダーと連携し、ともに学び、持続可能な社会の実現に貢献すべく、削減取組を推進していきます。

物流におけるGHG削減
調達先や組立先の協力のもと、複数の調達先の部品を共同で配送する「共同配送便」や、大型ユニットを当社管理のトラックで輸送する「生産ユニット便」による共同配送を導入しています。個別輸送方式と比べて、物流効率の高い共同輸送方式を推進することで、GHG排出量の削減を図っています。
また、当社グループは、海外売上が80%近くを占め、日本で製造した装置を海外のお客さま先で組み立てることが多いことから、製品輸送時のGHG排出量の削減に努めています。特に、物流手段をトラックから船に切り替えるモーダルシフトを進めており、輸送専門会社であるSCREENロジスティクスが中心となり、効率的な物流を通じたGHG排出量の削減を推進していきます。