品質マネジメント体制

ISO9001認証の維持と継続的改善

当社グループでは、ISO9001規格による品質マネジメントシステムに基づいた製品およびサービスの品質向上に取り組み、お客さまの満足度向上に努めています。2021年3月現在、各事業会社と国内グループ会社13社、海外グループ会社4社において、同規格の認証を取得、維持しています。
2019年3月期、購入先さまに向けて、調達部品の含有化学物質管理の基準を示す「SCREENグループ グリーン調達基準」を、RoHS指令の禁止物質が10物質に増えたことに対応し公開しました。また、含有化学物質調査・管理を行うITシステムの調査フォーマットを経済産業省が推進するchemSHERPA」に移行しました。

各事業会社の取り組み

各事業会社において品質方針を定め、適宜更新しながら運用しています。

■SCREENセミコンダクターソリューションズ

新規設計評価システムの運用
各種法令・ルールの順守と安全・無事故を基本としたオペレーションの徹底を製品・サービス提供の基本方針とし、半導体製造装置の安全ガイドラインである「SEMI S2 規格」やEU機械指令、社内基準などに従って製品の安全性評価を実施しています。
2013年よりフロントローディング手法を取り入れ、開発リスクを事前に査定するFMEA/DOE手法にSSM手法を適用したD-Loop(開発管理システム)を全面展開し、開発の進捗や各段階での決定・検証事項の確認、アウトプット事項などの運用管理を行ってきました。
2014年度からFMEA/DOE+SSM手法を受注設計に展開し、お客さまのご要望を的確に設計仕様に反映させ、設計開始前段階でのリスク対応を明確にした設計システムへの移行を行いました。
また、お客さまのご要望と設計仕様の妥当性の検証を可能にしたDL-Score(設計完成度を測るシステム)の全面展開を行いました。
2015年度に顧客フィールド情報に顧客重点指向のFMEAを導入。リスク業務フローの改革を行い、重要案件の対応精度向上と対応期間の短縮で顧客満足度の向上を図っています。

※SSM(Stress-Strength Model):
  製品や工程に起こりうるトラブル発生のメカニズムを将来の設計・計画に再利用できるように構造的に表現するモデル

品質業務改善評価システムの運用
当社では、内部品質監査チェックシートを使った内部監査、クロス監査手法を導入して各部門で毎年実施しています。
クロス監査を用いることで品質知識の養成と意識向上を図り、担当業務および部門の品質向上活動推進効果につなげています。
2016年3月期からは、品質改善の効果的な取り組みを実践する「マネジメント」と「プロセス」に焦点を当てたPDCAサイクルチェックで業務改善の推進につながる内部監査を行っています。
2018年3月期は、ISO9001:2015版を基にリスクマネジメントの継続的改善活動の適合性と有効性を図る内部クロス監査へ移行しています。

総合的品質マネジメント(TQM)への変革
2017年3月期より、品質データに基づいた統計的手法により、品質マネジメントシステム(QMS)の強化を図ってきました。2018年3月期は、品質経営へのステージアップを図るため、是正型から予防型・予測型へと品質改善活動をシフトし、経営目標を実現するTQMシステムへの変革を実行しています。リスクベースのプロセスアプローチにより、活動成果を適合性と有効性の両面からから検証するシステムへと移行し、ISO9001:2015年度版への移行を完了、認証を受けました。
TQMはISO9001:2015版をベースに継続して品質業務改革を展開し、お客さま本位の品質経営に向けてさらなる高みを追及しています。

■SCREENグラフィックソリューションズ/SCREEN PE ソリューションズ

時代に合った品質システムへの変革
当社は、多様化するお客さまのニーズに応え、品質専任部門である品質保証部を中心に国際安全規格を順守しつつ、最高の製品をお客さまに届けるべく取り組んでいます。
国際化にも対応し、製品を安心して長くお使いいただけるよう、品質システムの変革を実行しています。検査システムのさらなる改善をはじめ、固定概念にとらわれず、お客さま満足度の向上を品質面から支える活動への変革を行っています。この活動は、海外の生産拠点においても同様に行っています。
ISO9001:2015年版への移行と認証も完了し、より良い製品をお客さまにお届けしています。

お客さま先設備のホームドクターとして信頼されるサービスを提供
当社は、製品の安定稼働と効率的な運用をサポートするためにネットワークやIoT技術を活用した最先端のサービス、「TRUST Service Desk」をご提供しています。
装置の状態や稼働状況を見守り、装置から収集したビッグデータから障害を未然に防止するだけでなく、装置の稼働率アップの運用提案まで実現。装置から収集する情報はサービスの目的のみに使用し、情報漏えいがないよう当社への通信経路および当社内において安全に保護しています。
POD製品では毎日のジョブ処理数やジョブごとの印字時間、使用機材、出力長 、インク使用量などの生産管理や原価管理に活用できるレポートの配信サービスも実施しています。突発的な重大エラーは即座に当社に通報され、リモートサービスで迅速かつ正確に診断・治療しています。装置の診断カルテは当社サービス部門や製造開発部門と共有し、チームで最適な治療を施す万全の体制でサポートしています。
当社製品を快適にご使用いただくために、今後、より一層サービスを強化していきます。
 

■SCREENファインテックソリューションズ

よりQCDを意識した品質マネジメントへの改革
当社は、変化する内外の状況に迅速に対応し、品質・価格・納期すべてにおいて顧客満足度をより一層向上させるべく、「骨太の構造改革を通じて個々の成長を促す」をスローガンに、構造改革に取り組んでいます。
本取り組みでは、「品質マネジメントシステム(QMS)の再構築」を大きなテーマの一つとして取り上げ、QMSをより有効なものとして確立させるべくシステム強化を推進しています。
また、各プロセスにおける課題を前後プロセスと連携して明確化し、改善に取り組むとともに、その評価指標(KPI)を定め、システム改善の効果を測定・フィードバックすることで、活動をスパイラルアップさせています。
国内外の生産拠点にも展開し、グローバルなサプライチェーンにおいても安定した品質で製品を提供すべく、たゆまず改革を進めています。

社外からの評価

SCREENセミコンダクターソリューションズは、2020年12月、世界最大の半導体ファウンドリーのTSMC社から、2020年度「Excellent Production Support賞」を受賞しました。COVID-19パンデミック状況下にありながらも、当初のスケジュールに沿った、TSMC社の最先端製品製造ラインの立ち上げに貢献したことなどが評価されました。従来、当社の枚葉式洗浄装置は、高度な洗浄技術や優れた環境性能が高く評価されています。

※ ファウンドリー(受託製造):製造設備を持たない半導体開発企業から設計データを受け取り、その企業に代わり製造を専門に請け負う半導体メーカー。