「CSR憲章・行動規範」における「法令・社会規範の順守」「サプライチェーンにおける社会的責任の推進」のもと「購買方針」を策定、サプライチェーン全体における社会や環境に対する責任と企業倫理の向上を目指し、「オープン・フェア」「CSR調達」「グリーン調達」を意識した調達活動を展開しています。発注先決定プロセスの見える化や購買担当者への定期的な教育による下請法の順守、コンプライアンスの徹底により、迅速かつ公正な取引を行っています。
購買方針
グリーン調達基準
当社グループは、グローバルな環境規制の順守と環境負荷の低減を目的として「グリーン調達基準」を策定し、以下の内容をお願いしています。
調達先の皆さまのご理解とご支援・ご協力をお願いいたします。
- グリーン調達に関する合意書の提出
- 調達先における環境マネジメントシステムの取り組み
- 納入品に使用されている化学物質名、含有量などの情報の提供
- 使用禁止物質不使用保証書の提出
責任ある鉱物調達
当社グループは、人権侵害、環境破壊などへの加担を避けるため、紛争鉱物を含有する原材料は受け入れません。2024年3月期、対象鉱物を含む部品を納入している調達先に対して、RMI(Responsible Minerals Initiative)の紛争鉱物報告テンプレート(CMRT※1)を用いて製錬/精製所の特定を実施しました。調査において、未回答の調達先には、回答を再依頼し、回答内容に不備がある場合には再提出を依頼しています。
CMRT調査のサイクルの流れは以下の図の通りです。

2024年3月期は、調査を実施したすべての調達先からご回答をいただきました。調査の結果、341社の製錬所を特定し、当社サプライチェーンにおけるコンフォーマント製錬所の割合は65%となりました。また、責任ある鉱物調達に関する重大なリスクは発見されていません。万一重要な懸念事項が判明した場合には、調達先と連携を取り、迅速な改善に向けた対応を行います。今後も調達先のご理解・ご協力を得ながら、調査範囲の拡大を含め、サプライチェーン全体の責任ある鉱物調達に努めてまいります。
2024年3月期 CMRT 調査結果
調査回答率 |
100% |
製錬所/精製所総数 |
341社 |
コンフォーマント※2認証を受けた製錬所/精製所数(取得中を含む) |
223社 |
コンフォーマントに適合した製錬所の比率 |
65.4% |
※1 CMRT:RMI (Responsible Minerals Initiative)の紛争鉱物報告テンプレート
※2 コンフォーマント: 紛争に関与していない、人権侵害などの問題がないと第三者監査により適合認定された製錬所/精製所を指します。コンフォーマントリストはRMI(責任ある鉱物イニシアチブ)により公表されています
安定的な部品調達
大規模災害によるサプライチェーンの供給障害などの事例から、国内・海外の生産拠点、部品の調達先を補完できる生産体制を確立し、事業が大きなダメージを受けないためのシステム構築を推進しています。
また、調達先が限定される部品のうち主なものについて、汎用品への代替や調達先の複線化を進めています。部品の安定的な調達のため、長期フォーキャストなどの情報共有や、調達先が限定される部品の発生を設計段階から未然防止する活動なども同時に展開しています。IMP(インシデントマネジメント計画)、BCP(事業継続計画)の迅速性、確実性向上のため、サプライチェーンを含むITシステムの改善も実施しました。
パートナーシップ構築宣言
SCREENホールディングスは、「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議※」の趣旨に賛同し、「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。「パートナーシップ構築宣言」は、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを、企業の代表者の名前で宣言するものです。
パートナーシップ構築宣言
※ 関係閣僚(内閣府、経産省、厚労省、農水省、国交省及び内閣官房副長官)と経団連会長、日商会頭、連合会長をメンバーとする会議で「パートナーシップ構築宣言」の仕組みを創設
サプライヤー行動規範
当社グループは、企業理念に基づく行動原則ならびにグループ全員が心がけるべき基準として「CSR憲章・行動規範」を制定しています。また、電子機器業界等、当社の製品・サービスをご利用頂く業界において、サプライチェーンの一翼を担う責任を果たすべく、国連グローバル・コンパクトやRBA(Responsible Business Alliance)行動規範などの国際的な原則・憲章・規範などを尊重し、事業活動を行っています。
調達先や協力会社など、サプライヤーの皆さまにも、同じサプライチェーンを構成する一員として、関連法令の順守、人権尊重、環境保全および製品・サービスの安全に関して理解し、賛同して頂くため、SCREENグループ CSR憲章・行動規範やRBA行動規範などを参照した「SCREENサプライヤー行動規範」を作成し、公開しています。
取引額上位240社に加えて、事業運営に関わりの深い重要サプライヤーには、当規範に対する同意書の提出をお願いしています。
サプライヤー行動規範
CSR調査
当社グループは「SCREENサプライヤー行動規範」に基づく定期的なCSR調査を、重要サプライヤーに実施しています。ご回答内容に基づいて評価し、一定基準以下のサプライヤーを高リスクと判断し、是正を依頼しています。2024年3月期の調査では、リスクのあるサプライヤーは確認されませんでした。今後もサプライヤーの皆さまのご理解・ご協力を頂き、調査内容の見直しや調査範囲の拡大に向けた取り組みを継続していきます。
サプライヤーとの連携
当社グループでは、事業会社ごとにサプライヤー向けの事業方針説明会を実施しており、事業運営方針はもとより、安定生産の実現や社会・顧客の期待に応えるため、サプライチェーンとして取り組む重要性や、取り組むべき課題などを共有しています。
また、サプライヤーの皆さまとともに学び、取り組みを進めていくことを目的として、サプライヤー向けのサステナビリティ関連サイト「SCREEN Supply Chain Sustainability Site」を開設しました。自治体や金融機関などとも連携し、サプライチェーン全体でサステナビリティに関する取り組みを推進しています。
●2024年3月期 SPE事業方針説明会
SPEでは、主要サプライヤー262社を招き、事業方針説明会を実施しました。HD 代表取締役取締役社長(CEO)をはじめ、事業会社の代表取締役社長および担当役員、担当統轄部長が、「SCREEN グループの取り組み」「ESG活動」「事業運営方針」「SCM方針」等について説明し、当社の取り組みに対して賛同いただきました。また当社の取り組みに多大な協力・貢献いただいたサプライヤーをベストパートナーに認定し、表彰しています。
●サステナビリティ関連ウェブサイトを開設
サステナビリティについてサプライヤーの皆さまとともに学び、取り組みを進めていくことを目的として2023年に「SCREEN Supply Chain Sustainability Site」を開設しました。本サイトでは、サプライチェーンにおける気候変動対応、企業と人権の課題、企業による化学物質管理への取組みなどをテーマに、メールマガジンの発行、ウェビナーの開催、動画の配信を通じて、サプライヤーの皆さまへ情報提供しています。
●京都フィナンシャルグループとの連携活動
持続可能な社会の実現に向け、2023年11月に包括連携協定を締結した京都フィナンシャルグループ主催の「中小企業のためのサステナビリティ経営実践セミナー」に参加し、当社グループは「PFAS(有機フッ素化合物)規制の動向」について講演を行いました。