事業を通じて社会課題の解決に取り組む「ソリューションクリエーター」として、新たな社会的価値を創出する

複雑化し変化の激しい社会にさらなる新しい価値を提供する

(左)代表取締役 取締役会長 廣江 敏朗
(右)代表取締役 取締役社長 最高経営責任者(CEO)後藤 正人

近年、地球規模の気候変動や環境汚染などによって、将来の世代への深刻な影響が懸念されるようになり、グローバルレベルで持続可能な社会の構築を進めようとする大きなうねりが生じており、社会のカーボンニュートラルへの取り組みも活性化しています。また、一方で、生成AIの登場による新しいビジネスや、アプリケーションによる社会や企業におけるDX変革は、今後ますます加速していくと考えられ、私たちのライフスタイルやビジネス環境は急激かつドラスティックに変わろうとしています。
私たちは、この目覚ましい技術革新のなかに、さまざまな社会的課題を解決するソリューションを提示できる可能性があると考えています。SCREENグループは、来るべき高度化した社会インフラの中核を担うエレクトロニクス産業と情報技術産業を支える技術や製品、サービスの提供を通じて、社会に新しい価値を提供する「ソリューションクリエーター」として、持続可能な社会の実現に貢献していくことを最大の使命としています。

 人と技術をつなぎ、未来をひらく
~サステナブルな社会の実現に貢献する~

SCREENグループは、「人と技術をつなぎ、未来をひらく」を企業としての存在意義に設定しています。ここには、「未来を見つめ、社会の発展に貢献しうる技術革新を実現し、それを通して、世界から認められる人としての成長を実感する」との創業からの信念が込められ、この実践が当社の社会的責任を果たすことになると考えています。当社グループが制定している「CSR憲章」のもと、役員・従業員一人ひとりが“良き企業市民”として責任のある行動を実践しています。
また、当社グループは、事業活動をESG(環境・社会・ガバナンス)課題の解決につなげ、社会的価値と経済的価値を共に実現する共通価値(CSV)の創出により得た資本を再投資することで、持続的な成長を実現するサステナブル経営を推進しており、2026年をゴールとしたサステナビリティ中期計画「Sustainable Value 2026」のもと、SDGsの重要課題ともリンクさせて長期的なESG課題の解決に積極的に取り組んでいます。
具体的には、E(環境)分野では、事業活動によるGHG排出量・エネルギー使用量の削減、省エネルギー性の高い製品の提供、水の有効利用、自然共生社会の実現など、事業活動を通じて地球環境への負荷低減を推進しています。S(社会)分野では、障がい者雇用支援、女性・外国人・キャリア採用などの多様な人材の積極的な採用、サプライチェーンを含めた安全で健康な職場作りに取り組んでいます。また、バリューチェーン全体での紛争鉱物対策、腐敗防止、児童労働等の撲滅などを実践するとともに、産学公連携を通じた地域産業や文化の発展、アカデミアの振興、次の社会を担う青少年の育成などにも注力しています。G(ガバナンス)分野では、国際規格に準拠した各種のマネジメントシステムを展開し、実効性のあるBCP、リスクマネジメント体制を構築しています。

当社グループは、未来社会の理想像と当社のあるべき未来像を描き、それらの実現に向けた価値創造に全社一丸となって取り組んでいます。私たちはあらゆるステークホルダーからの信頼と期待に応え、サステナブルな社会の実現を目指してまいります。
 

サステナブル経営のさらなる前進へ

執行役員 サステナビリティ戦略本部長
井藤 徹也


変化にしなやかに、変化を成長の機会に


サステナビリティを巡っては、今も、そしてこれからも、予見できないスケール感とスピード感で、さまざまな変化が生じていくものと推察しています。
気候・エネルギー政策を例に取っても、「トランプ2.0」で脱炭素政策の転換が宣言され、グローバルでの環境対策の流れに一定の影響を及ぼす恐れが出てきました。また、気候変動から始まった環境面の流れは生物多様性へと急速に広がり、地政学的リスクの高まりも深刻さを増しています。このような情勢下でサステナビリティ戦略を展開していくためには、状況の変化への感度を上げながら、新しいリスクや機会を的確に捉えて対応する、執行面での柔軟性や迅速性が重要だと考えています。SCREENグループでは、本年度にサステナビリティ企画室を発足させるとともに、サステナビリティ委員会の開催頻度を高め、ESGの要因などをいかに戦略に組み込んでいくかの議論と意思決定を機動的に行える体制としています。また、変化という点では現在、SSBJの主導のもと、サステナビリティ情報を有価証券報告書に法定開示する検討が進められています。この「変化」を、法律への対応といった受け身のスタンスではなく、私たちの取り組みをさらに進化させることができる貴重な「機会」と捉え、法律で求められる「規定演技」だけでなく、SCREENホールディングスらしさが伝わる「自由演技」の検討と対策を着実に進めていきます。

存在意義こそがSCREENのサステナビリティ

当社グループは「人と技術をつなぎ、未来をひらく」を存在意義としています。すなわち、当社グループの人財力と技術力を合わせることで、事業を通じてさまざまな社会課題を解決する唯一無二のソリューションを提供し、持続可能な社会へとつなげるものです。存在意義を追求し続ける取り組みそのものが、当社グループの持続可能な成長と発展につながる点で、私は「存在意義の追求こそが当社グループのサステナビリティの本質である」と捉えています。
サステナビリティを巡る取り組みは、とても範囲が広く、また相互に関連性もあり、部門横断的な連携のさらなる強化が不可欠となります。例えば、「Sustainable Value 2026」ではESGの枠組みのもとで取り組みを推進していますが、S(社会)の領域の一つに健康経営の推進があります。従業員と職場の両面から心身の健康づくりに向けた健康増進のための諸施策を展開していますが、今後はサステナビリティ戦略の責任者として、人財戦略本部をはじめとする各部門とのつながりを一層意識し、全社一丸となって従業員のエンゲージメントを高める取り組みを推進していきます。それらにより、「従業員一人ひとりがソリューションクリエーター」として活躍できる環境整備を推進し、存在意義を追求しながら、当社グループの持続的な成長を支えていく所存です。

社員一人ひとりの「自分事化」を推進

サステナビリティの取り組みを企業価値につなげていくために最も大事なことは、社員一人ひとりが「サステナビリティを自分事化」することだと考えます。当社グループでは、これまで従業員による社会的価値向上の取り組みを表彰する制度として「Sustainable Value Award」を運営してきましたが、エントリーは一部の組織にとどまっていました。
そこで、本年度から「サステナブル・アクションチャレンジ(略称:サスチャレ!)」という運動論を全社に展開しています。これは、従業員一人ひとりがソリューションクリエーターとなることに向けて、社会課題を解決するソリューションや、当社グループの社会的価値向上につながる提案・イノベーションを考え、行動に移していくことを目指すものです。今後も、従業員一人ひとりがサステナビリティの担い手であるとの意識を強く持ち、「SCREEN Value」(企業価値)を向上させる取り組みを自分事として捉え、着実に歩みを進めていきます。