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出力の手引きWeb[第13版]

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2009年11月04日 | InDesignに効果付きデータを配置(1) - 発生条件、回避策

<2010年7月27日追記>
この問題はTrueflow側での対策が完了しています。
詳細は記事「2010年07月27日|7つの問題の対策、完了しました」を参照してください。

before_after.png■問題の概要
IllustratorまたはPhotoshopで作成したデータに特定の効果が付いている場合、ネイティブか、アプリケーションから書き出したPDFをInDesignに配置すると、出力が不正になることがあります。
この問題は、Acrobatでは確認できず、Trueflowからの出力で確認されます。
これはPDFのデータの問題ではなく、RIP処理の問題です。下記で解説する回避方法というのは、RIPでの問題のある処理を回避して、同等の結果を得るための解決方法の1つです。
発生原理などは次の記事で解説いたします。

■再現条件(全て揃った場合のみ再現)
現時点で確認できているこの問題の再現条件は以下の作成環境とオペレーションの全てが合致した場合です。全てに合致しても再現しない場合があります。
<作成環境>
・InDesign CS~CS4+Illustrator CS~CS4 / Photoshop CS~CS4
 (それ以前のバージョンについては言及しません)
・PDF/X-4形式(Live Transparency)
・Trueflow SE Ver5.01以降の最新演算で処理
<オペレーション>
1) IllustratorまたはPhotoshopで特定の効果*a)を使用
 1-2) Photoshopの場合、そのネイティブをIllustratorに配置(リンク、埋め込み共)
2) Illustratorで、効果済みオブジェクトの背面に、透明オブジェクトを配置
3) Illustratorで、その透明オブジェクトの背面に不透明オブジェクトを配置
4) IllustratorまたはPhotoshopで作成したネイティブ/PDFをInDesignに配置

■特定の効果*a)について
現在、以下の透明を伴う効果において、この問題が発生することが判明しています。
<Illustrator>
・効果→スタイライズ

 - 光彩(外側)
 - ドロップシャドウ
 - ぼかし
・その他
 - 透明度が設定されたグラデーション(Illustrator CS4のみ)
<Photoshop>
・レイヤー効果

 - 光彩(外側)
 - ドロップシャドウ
 - ぼかし

■回避策(どれか一つで回避)
以下のいずれかの方法でこの問題は回避できることを確認しています。
・上記手順4)でInDesignに貼らず、Illustratorから出力する。
・上記手順2)で効果オブジェクトの下に透明オブジェクトを配置しない。
・InDesignで同様のデザインを行う。
・InDesignにおいてai/PDFファイル取り込み時に「背景を透明に」をOnで配置。*b)
・PDF/X-1a形式で出力する。

■回避方法「背景を透明に」をOn*b)について
上記5つの回避策のうち、4)の回避策が最も簡単で影響が少ない方法と言えますが、若干の留意事項があります。
設定方法としては、 InDesignでIllustratorネイティブの配置時に「読み込みオプション」にチェックを入れると下記のダイアログが表示されます。この中の「背景を透明に」にチェックを入れます。
option.png
この設定によって、正常に出力される様になるのですが、設定通り背景が透明になるので、デザインによっては配置ドキュメントの背景に何か描画される物がある場合があります。
元のデザインと同じ結果を得るためには、InDesignで代わりの背景オブジェクトを配置することで、問題を回避しつつ、本来の出力を得ることができます。
単にInDesignをトンボを付けたり、ページ付けするための台紙として貼り込む場合は、この対策を行う必要はありません。

workaround.png

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2009年10月26日 | Adobe Acrobat 9.2リリース

少し前になりますが、AdobeからAdobe Acrobat 9.2 Professional Update - Multiple LanguagesMac版Win版)がリリースされています。
英語版のADOBE READER AND ACROBAT 9.2 RELEASE NOTES(日本語版は捜索中)が公開されています。
注目中の以下の2つの留意事項は修正されていませんでした。

■ 2) 縦書き文字で文字が欠ける問題(1)(2)(3)(Adobe情報)
■ 3) InDesignCS3/4の「効果」で出力が不正になる(1)(2)(Adobe情報)

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2009年09月22日 | PDF運用での重要な3つの留意事項(2) - InDesignCS4 6.0.4とTrueflow SE

AdobeからAdobe InDesign CS4 6.0.4 アップデートMac版Win版)がリリースされました。日本語での解説も含まれたINDESIGN CS4 6.0.4 RELEASE NOTES - Multi-language(PDF/2.4MB)(79ページから日本語)も公開されています。

しかし、文章で説明された修正内容から、現実にバージョンアップの効果のある事例を知ることは簡単ではありません。
Adobe Illustrator&InDesign日本製品担当者Blogである「いわもとぶろぐ(ストレートなネーミングですね…)の記事「InDesign CS4 6.0.4公開 - いわもとぶろぐ」では、その実例として、いくつかの修正されたTechNoteを紹介しています。
当社では、先日の記事「PDF運用での重要な3つの留意事項」の問題について調査しました。
結果、このInDesignCS4 Ver6.0.4によって1つの問題が修正されていることを確認しました。
今回はTrueflowでの今後の対応予定と合わせて、もう一度整理しました。つまり前の記事の空白を埋めます

<注意>これらの問題は常に発生するわけではなく、「特定の条件」が合致した場合にのみ発生する、「回避方法」のあるトラブル事例です。
特定の条件」と「回避方法」については、タイトルからリンクされている各々の元の記事を参照してください。

1) InDesignCS2〜CS4での合成フォントの問題(1)(2)(Adobe情報)
【結論】OK : InDesignCS4 6.0.4で修正されています。
【Trueflow】OK : InDesignCS4 6.0.4以外でも正常に処理できる様になります。
【現状の発生条件】下記の修正後は全て「○」になります。
acrobat7_2.pngtable1-1.png
ここでの「○」はInDesignの表示と出力が一致するという意味です。
【概要】
このInDesignCS4 6.0.4を使用することで、AcrobatのバージョンやPDF処理系等に関わらず正しく処理できるPDFを生成できる様になりました。
InDesignCS4のデータであり、再度6.0.4でPDFを再出力したデータは正常に処理できますが、InDesignCS4 6.0.3以前やCS2、CS3のデータでは同じ問題が発生する可能性があります。(再現条件や回避方法は以前の記事を参照してください。
【Trueflowでの対応】
Trueflowでは、6.0.4以外の問題の出るバージョンにも対応するため、同様のデータをPDFの正しい解釈じゃないけど期待通り、つまりInDesignでの表示と一致する様に改善するTrueflow Ver4.01以降向けのパッチを2009年11月リリースの予定で準備中です。
以下の様に、Trueflow側のパッチもリリースされることにより、処理系に関わらず全てOKとなります。
Table1.png

2) 縦書き文字で文字が欠ける問題(1)(2)(3)(Adobe情報)
【結論】NG : InDesignCS4 6.0.4でも修正されていません。
【Trueflow】OK : Trueflowでは不具合を「固定化」しない限り正常に出力できます。
【現状の発生条件】
Acrobat9_2.pngTable2.png
上記、表の「アプリケーション」としてIllustratorCS2〜CS4、InDesignCS2〜CS4と記述されていますが、これは該当するPDFを作成しうるアプリケーションであり、そのPDFの記述そのものに問題があるわけではありません。
【概要】
この文字の欠ける時として消えてしまう問題は、そのPDFを解釈する側に原因があります。
原因のあるアプリケーションとしてはInDesignCS4、IllustratorCS4、PhotoshopCS4、Acrobat 9など、現時点で最新のアプリケーションのみで再現する共通の問題であるために、これら全ての修正が望まれます。
解釈する側として、Adobe CS3シリーズ以前やAcrobat 8以前では問題ありません。
【Trueflowでの対応】
この問題は、従来のAdobe PDF Print Engineでは正常に処理されていたのですが、Trueflow SE Ver7.00から対応されるAdobe PDF Print Engine 2で「デグレードゼロを目指します」と言っていたトレンドセミナーの更に後のリリース直前に発見され、修正した問題です。この修正によりInDesignCS4などに貼って不具合を「固定化」しない限りTrueflowでは全ての処理系において正常に出力できます。

3) InDesignCS3/4の「効果」で出力が不正になる(1)(2)(Adobe情報)
【結論】NG : InDesignCS4 6.0.4でも修正されていません。
【Trueflow】対応中 : Trueflowでは修正パッチを準備中です。
【現状の発生条件】
InD_effect_2.pngTable3.png
(*1) AcrobatはTouchUpオブジェクトツールでNG
(*2) Trueflow従来演算では、Polished Inputを使った場合のみNG、通常入力ではOK

【概要】
この問題はInDesignCS3から新たにサポートされた「効果」機能で発生する問題で、Acrobatの表示では問題が見つからない未然予防の難しい問題です。ただし、再現条件や回避方法は明確になっていますので、詳細は以前の記事を参照してください。
【Trueflowでの対応】
Trueflowでは、この問題の発生ロジックは解明できており、リリース日程や対応バージョンなどは影響範囲が広いこともあり未定ですが、修正を行うパッチの準備中です。

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2009年09月10日 | PDF運用での重要な3つの留意事項

現状、PDF運用で留意が必要な3つの問題について、まとめました。
PDF運用であれば、データの制作において以下の3つの事例に関して、該当データを避けたり、回避策を講じることで、これだけが全てではありませんが、相当数のトラブル発生を未然予防することができます。
以下に、発生条件、回避策を記載した以前の記事へのリンクがありますのでもう一度参照してみてください。

1) InDesignCS2~CS4での合成フォントの問題(1)(2)(Adobe情報)
【発生条件】
acrobat7_2.pngtable1-1.png
ここでの「○」はInDesignの表示と出力が一致するという意味です。
【概要】
この問題は、InDesignCS2~CS4で発生する問題で、同じ事をIllustratorで行っても発生しません。

2) 縦書き文字で文字が欠ける問題(1)(2)(3)(Adobe情報)
【発生条件】
Acrobat9_2.pngTable2.png
【概要】
この問題は、InDesignCS4だけでなく、IllustratorCS4、PhotoshopCS4、Acrobat 9などの全てのアプリケーションで再現する共通の問題です。Adobe CS3シリーズ以前やAcrobat 8以前では問題ありません。

3) InDesignCS3/4の「効果」で出力が不正になる(1)(2)(Adobe情報)
【発生条件】
InD_effect_2.pngTable3.png
(*1) AcrobatはTouchUpオブジェクトツールでNG
(*2) Trueflow従来演算では、Polished Inputを使った場合のみNG、通常入力ではOK

【概要】
この問題はInDesignCS3から新たにサポートされた「効果」機能で発生する問題で、Acrobatの表示では問題が見つからない未然予防の難しい問題です。ただし、再現条件や回避方法は明確になっていますので、詳細は以前の記事を参照してください。


この記事、空白が多いのはなぜでしょうか?

[第13版] [透明効果] [Illustrator] [InDesign] [解説追加] | 固定リンクこの記事をメールで共有 このエントリーを含むはてなブックマーク

2009年08月13日 | QuarkXPress 8.1リリース(3) - その他の改良点と留意事項

QuarkXPress 8.1における当社で確認した改良点および留意点には以下の様なものがあります。

■ページ原点のPostScript記述の追加
以前の記事「QuarkXPress 8のPostScript対応リリース延期」で説明していたように、TrueflowではQuarkXPressが出力するPostScriptからページ原点(仕上がりサイズ:TrimBox、裁ち落としサイズ:BleedBox)を求める際に、そのトンボ記述を認識する方法をとっていました。この方法の欠点として、QuarkXPressのトンボ記述のパターンが変わるとTrueflow側でもそれに応じた対応が必要でした。
このQuarkXPress 8.1では、それを改善するためにTrimBoxやBleedBoxの値をPostScriptのpdfmark(pdfmarkの説明はコチラ)という命令で記述されるようになっています。この修正により、トンボの記述パターンに変更があっても、処理系の修正の必要なしに対応できることが可能になります。
この修正に併せて、従来のパターン認識が反応しないように、僅かにトンボの記述パターンも変更されています。

■Illustrator ネイティブ貼り込みにおける「不透明マスク」の問題
Trueflow出力の手引き 第13版 P103に記載されている、Illustrator の「不透明マスク」機能を用いたデータが正常に出力できない問題について、「不透明マスク」が正常に出力できない原因は他にもありますが当社が確認していた以下の条件における問題は解決されています。
QuarkXPress 8.1までのバージョンでAIネイティブ形式を配置した場合において、Illustrator CS以前で作成した不透明マスクのオブジェクトが正しく出力できない場合がありました。この様なデータは、Illustrator CS2以上でOpen & Saveしただけでは修正できず、Illustrator CS2以上で不透明マスクを再設定する必要がありました。過去の記事「QuarkXPress 8における留意事項」にも同様の記載があります。
QuarkXPress 8.1ではIllustrator CS以前で作成された不透明マスクも正しく表示/出力されます。「不透明マスク」が要注意であることに変わりありませんが…

■Illustratorネイティブ更新時の問題
同じく「QuarkXPress 8における留意事項」に記載されている「Illustratorネイティブ更新時の問題」は残念ながら修正されていません。Mac OS XのFileVaultがOnの場合は、Illustratorネイティブ更新時にはファイル名を変えるなどして対策してください。以前の記事にも記載がありますが、回避方法は以下のいずれかの方法となります。
・FileVaultをOffにする。
・Illustratorネイティブ更新時にファイル名を変更する。
・更新時に別のディレクトリに移動する。
・更新時にQuarkXPressのプロジェクトを一旦閉じてから開き直してから画像の更新を行う。

■オンラインによるアクティブ化
QuarkXPress 8におけるオンラインアクティブ化は、インターネットにダイレクトに接続されている場合は問題ありませんが、Proxyサーバー経由の場合はhttp、httpsに対してport番号80で設定されている必要があり、それ以外の場合は正常にアクティブ化できません。Webサイト経由や電話などでのアクティブ化の手続きが必要です。


■出力スタイルファイルのアイコン
出力スタイルをファイルに書き出した時に、アイコンが付かなかった問題は修正されていますが、カラーセットアップを書き出した時のアイコンはまだ付きません。

■ウエルカムスクリーン
ウエルカムスクリーンに「期間限定のキャンペーン(~8/1)」などの8.0発売前の情報が表示されてしまう問題も、ネットワークさえつながっていれば修正されます。

[第13版] [QuarkXPress] [FAQ] [解説追加] | 固定リンクこの記事をメールで共有 このエントリーを含むはてなブックマーク

2009年08月12日 | QuarkXPress 8.1リリース(2) - 透明サポート

先ほどの記事「QuarkXPress 8.1リリース(1) - 概要」では、QuarkXPressの透明効果オブジェクトがPDF書き出し時に分割統合せずに出力できることを掲載しました。
透明効果オブジェクトを分割統合せずにPDFに書き出す事ができる、ということは言い換えるとPDF/X-4の特徴の一つであるLive Transparencyで出力する事ができると言うことになります。
ただし、QuarkXPressにおけるこの透明サポート機能、3つの注意点があります。
これらの重大な注意点により、TrueflowではこのQuarkXPress 8から出力される透明を含んだPDFをサポートしません。従来通り、Trueflow出力の手引きに記載されているPDF/X-1a運用をサポートします。
また、PDF/X-1aであっても複雑な透明を含んだAIネイティブやPDFをQuarkXPressに配置する場合は、解像度設定に注意が必要です。

■透明が含まれたPDFはPDF/X-4ではない
QuarkXPress 8ではPDF/X-1a出力はサポートされているのですが、透明を含むPDFは出力できても、PDF/X-4の認証はできません。PDFoption2.png

■IllustratorネイティブやPDFに含まれる透明に対する解像度が一律
Quarkの発表した文章では「QuarkXPressの透明効果が…」とあります。これは、貼り込まれるIllustratorネイティブファイルやPDFに含まれる透明効果はLive Transparencyにならない、つまり分割統合されるという事を意味しています。しかも先ほどの記事のスクリーンショットにあるようにPDFおよびAIファイルに含まれる平滑化解像度は一律に一つの設定しかできません。デフォルトでは透明の関係する文字が300dpiになってしまいます…

■QuarkXPressはIllustratorネイティブやPDFの透明を解釈しない
この留意事項は、PDF/X-1a運用でも同じ症状となり、注意が必要です。
この問題は、QuarkXPress 8から存在した問題ですが、AIネイティブやPDFに透明が含まれている場合、そのデータをInDesignに貼った場合とQuarkXPressに貼った場合とでは出力が異なる場合があります。
例えば、貼り込まれるAIネイティブデータに透明効果オブジェクトが含まれる場合、InDesignはその透明を解釈し、貼り込まれたデータの下部にあるオブジェクトも透けて見えますが、QuarkXPressの場合は先に部品単位で分割統合してから下部のオブジェクトに重ねるので、貼り込まれるデータの透明オブジェクトは背景として「白」色と合成されることになり、下部のオブジェクトは透けて見えません。
InDesignの場合は、出力されるPDFの形式に関わらず部品内部の透明属性も解釈して合成されます。

1) InDesignの場合
下図のように、貼り込まれたAIネイティブやPDFの透明も、ベースページの色(M=50%)と合成されています。
InD.png

2) QuarkXPress 8の場合
貼り込まれたAIネイティブやPDFの透明はベースページの色とは合成されませんが、QuarkXPressで記述された透明オブジェクトは当然ですが透明として合成されるので、AIネイティブやPDFと同じデザインでも出力結果は異なります。
QXP.png

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2009年08月10日 | QuarkXPress 8.1リリース(1) - 概要

QuarkXPress 8.1アップデータがリリースされました。
PDFoption.png8/4(火)に更新されていました

このアップデータによる改良点について、QuarkはWebサイトで説明していますが、通常のアップデータでは更新されないような新しい機能も含む、大規模なものとなっています。
この中で「QuarkXPressの透明効果が適用されたオブジェクトを、PDFの最終出力時に平滑化(分割・統合)せずに出力できます。」という内容については特に留意が必要です。TrueflowではQuarkXPress 8.1の、この機能が使われたPDFをサポートしません。従来通り、Trueflow出力の手引きに記載されているPDF/X-1a運用をサポートします。

この留意事項も含め、アップデータの内容の詳細については、別の記事として後日お知らせいたします。

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2009年07月31日 | 縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題 (3) - 注意事項

縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題」「縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題(2) - Adobe情報
のトラブルに関して、さらに注意事項があります。
Adobeのサポートデータベースでは、問題が発生しているPDFをInDesign CS4またはIllustrator CS4に配置した場合でも、同じ問題を確認できるつまり同じ問題が発生する、と書かれています。では、具体的にどの様な問題が発生するのでしょう?

■具体的な症状
この問題の本質は、PDFの記述には問題はなく、それをAcrobat 9が解釈して表示する部分に問題があると「縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題」で説明しました。
これが、InDesign CS4やIllustrator CS4にも同じ問題があると言うことになります。
言い換えるとこれらのアプリケーションがPDFを読み込んで解釈する時に、縦書きの透明とオーバープリントの設定によりPDF/X-1a出力の分割統合によって生成されたテキストクリップの位置を間違って解釈してしまいます。
その結果、InDesign CS4やIllustrator CS4の画面上の表示も文字が欠けた状態で表示されます。この時点で気付きましょう
その上、PDFの書き出し側には問題がないので、InDesign CS4やIllustrator CS4によって間違って解釈されたこのオブジェクトは、そのままあたかも元から文字が欠けたデザインであるかの様に取り扱われ保存されます。
この様な処理を行われた結果、そのInDesign CS4やIllustrator CS4ドキュメントから生成されたPDFはもちろんPostScriptでも、もはや処理系、つまりAcrobatのバージョンやRIPのバージョンに関わらず、文字が欠けた状態で出力されます。
読み込まれるアプリケーションがCS3系以前の場合では、解釈の問題はなく、仮に元のPDFがCS4系で作成されたものであっても、正常に表示/出力されます。
workflow.png

■出力における注意事項
この問題は、AcrobatだけでなくRIPのバージョンによっても出力結果が異なる事が考えられます。その様な場合、Acrobat 8以前では問題なく表示できていたPDFが、RIP演算の結果文字が欠けて出力されるという事故が発生する可能性があります。
Trueflow SEでは、最新演算系や従来演算系など処理系に関わらず問題なく出力できます。

■まとめ
上図のPDF(A),(B),(C)のそれぞれにおけるPDF処理系による演算結果を表にしました。
重要なことは、たとえ問題の発生しない処理系を用いても、CS4系アプリケーションでPDFを配置した場合、元のデータが書き換わってしまい、同様の問題が発生してしまうということです。
もし、縦書き文字に透明とオーバープリントの両方が設定されるようなデータの場合、データの作成方法や処理系の挙動を理解し対策する事で、正しい出力を得ることができます。
繰り返しになりますが、この問題はあくまでも「オーバープリント」+「透明」の両方が同時に指定された「縦書き」文字の場合にのみ発生する特異な問題であり、通常の使用におけるAcrobatの再現性について全面的に否定するものではありません。また、この問題の発生条件も回避方法も明確になっています。

table.png

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2009年07月15日 | 縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題(2) - Adobe情報

outline.png以前の記事「縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題」でお知らせした問題について、Adobeのサポートデータベースに「文章番号235814 縦書き文字に透明効果とオーバープリントが適用されているとAcrobat 9で文字が欠ける(Illustrator CS2-CS4/InDesign CS2-CS4)」が掲載されました。
この記事では、問題が発生しているPDFをInDesign CS4またはIllustrator CS4に配置した場合でも、同じ問題を確認できるつまり同じ問題が発生する、と説明しています。

<Acrobatによる出力の事前確認の推奨>
この問題はあくまでも「オーバープリント」+「透明」の両方が同時に指定された「縦書き」文字の場合にのみ発生する特異な問題であり、通常の使用におけるAcrobatの再現性について全面的に否定するものではありません。また、この問題の発生条件も回避方法も明確になっています。
OutlinePDFおよびOutlinePDF Advanceを含む全てのPDFを出力前に確認するためにAcrobatを用いる事は、事前の問題発見のために有効です。
Acrobatの表示は非常に高い精度で出力を再現しますが、いくつかのバージョンでは、まれに再現の違いがでることがあります。AcrobatでPDFを確認する際は、再現の違いがでる条件を把握した上で確認することが重要であり、この問題もその一つであると言えます。
これ以外に、PDFをAcrobatで確認する際に必要な留意事項として、以下の3点が確認されています。
InDesignCS2〜CS4での合成フォントの問題
→Acrobatでは正常に表示できていても、条件が合致すると問題が発生します。
InDesignCS3/4の「効果」で出力が不正になる
→Acrobatでの表示上では見えている効果が、条件が合致した場合、出力すると消えます。
AdobeCS系のカラー設定と透明効果
→「透明の変換用カラースペース」はAcrobatではシミュレーションされません。この問題を自動的に補正するTrueflowのパッチが適応されていないと、出力で問題が発生します。

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2009年07月09日 | 縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題

■問題の概要
InDesign CS2~CS4とIllustrator CS2~CS4において、縦書きの文字に透明効果を適用して、PDF/X-1形式で出力すると、Acrobat9で表示すると文字が欠けて見えるという問題が見つかりました。Acrobat8以前では問題は発生しません。
Acrobat8-2.png  Acrobat9-2.png
■発生原理
Acrobat 9において、下記の再現条件の全てが揃った場合に、テキストクリップの文字配置の座標計算に誤りがある様で、文字の位置がずれます。
しかし、透明の分割統合によって生成される背景画像や文字全体のクリップの位置は変わらないので、文字が欠けたように見えています。
なお、InDesign CS以前やIllustrator CS以前では、同様のデータを作成してもテキストクリップは使用せず、文字をアウトライン化してその図形でクリップしているので問題は発生しません。

この問題は、分割統合処理におけるテキストクリップの扱いという意味では、以前の記事「InDesignCS2~CS4での合成フォントの問題」に類似していますが、以下の点で異なっています。

合成フォントの問題は、解釈が曖昧なPDF記述にも問題があったが、今回の問題はInDesignの出力するPDFは正常。
合成フォントの問題は、Acrobat 9で期待通りでPDFの規格とは異なる結果となるが、今回の問題はAcrobat 9で問題発生。

■再現条件(全て揃った場合のみ再現)
現時点で確認できているこの問題の再現条件は以下の通りです。
・InDesign CS2~CS4またはIllustrator CS2~CS4
・縦書き文字
・文字に透明+オーバープリント設定(InDesignでは環境設定がデフォルトの場合、[黒]スウォッチ100%は自動的にオーバープリントになります)
・PDF/X-1a形式

■回避策(どれか一つで回避)
以下のいずれかの方法でこの問題は回避できることを確認しています。
1) PDF/X-4形式で出力
2) 縦書きの文字を用いる場合には、透明効果は影響を及ぼさない範囲で使用する。
3) 縦書きで透明が必要な場合はオーバープリントとの併用を避ける(環境設定も配慮する)
4) 文字をアウトライン化 してから出力を行う。

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