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2009年07月31日 | 縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題 (3) - 注意事項

縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題」「縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題(2) - Adobe情報
のトラブルに関して、さらに注意事項があります。
Adobeのサポートデータベースでは、問題が発生しているPDFをInDesign CS4またはIllustrator CS4に配置した場合でも、同じ問題を確認できるつまり同じ問題が発生する、と書かれています。では、具体的にどの様な問題が発生するのでしょう?

■具体的な症状
この問題の本質は、PDFの記述には問題はなく、それをAcrobat 9が解釈して表示する部分に問題があると「縦書き文字に透明効果で文字が欠ける問題」で説明しました。
これが、InDesign CS4やIllustrator CS4にも同じ問題があると言うことになります。
言い換えるとこれらのアプリケーションがPDFを読み込んで解釈する時に、縦書きの透明とオーバープリントの設定によりPDF/X-1a出力の分割統合によって生成されたテキストクリップの位置を間違って解釈してしまいます。
その結果、InDesign CS4やIllustrator CS4の画面上の表示も文字が欠けた状態で表示されます。この時点で気付きましょう
その上、PDFの書き出し側には問題がないので、InDesign CS4やIllustrator CS4によって間違って解釈されたこのオブジェクトは、そのままあたかも元から文字が欠けたデザインであるかの様に取り扱われ保存されます。
この様な処理を行われた結果、そのInDesign CS4やIllustrator CS4ドキュメントから生成されたPDFはもちろんPostScriptでも、もはや処理系、つまりAcrobatのバージョンやRIPのバージョンに関わらず、文字が欠けた状態で出力されます。
読み込まれるアプリケーションがCS3系以前の場合では、解釈の問題はなく、仮に元のPDFがCS4系で作成されたものであっても、正常に表示/出力されます。
workflow.png

■出力における注意事項
この問題は、AcrobatだけでなくRIPのバージョンによっても出力結果が異なる事が考えられます。その様な場合、Acrobat 8以前では問題なく表示できていたPDFが、RIP演算の結果文字が欠けて出力されるという事故が発生する可能性があります。
Trueflow SEでは、最新演算系や従来演算系など処理系に関わらず問題なく出力できます。

■まとめ
上図のPDF(A),(B),(C)のそれぞれにおけるPDF処理系による演算結果を表にしました。
重要なことは、たとえ問題の発生しない処理系を用いても、CS4系アプリケーションでPDFを配置した場合、元のデータが書き換わってしまい、同様の問題が発生してしまうということです。
もし、縦書き文字に透明とオーバープリントの両方が設定されるようなデータの場合、データの作成方法や処理系の挙動を理解し対策する事で、正しい出力を得ることができます。
繰り返しになりますが、この問題はあくまでも「オーバープリント」+「透明」の両方が同時に指定された「縦書き」文字の場合にのみ発生する特異な問題であり、通常の使用におけるAcrobatの再現性について全面的に否定するものではありません。また、この問題の発生条件も回避方法も明確になっています。

table.png

[第13版] [透明効果] [Acrobat] [Illustrator] [InDesign] [解説追加] | 固定リンクこの記事をメールで共有 このエントリーを含むはてなブックマーク
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