2017年2月10日のpage2017展クリエイティブゾーンセミナーにおいて、当社のセッション「もう逃げられない!安全なPDF/X-4 & APPE運用のススメ」を行いました、
このセミナーの後半に、ゲストスピーカーとして以下のお二方に現状の取り組みについてご紹介いただきました。その内容を中心にレポートします。
共同印刷株式会社
情報コミュニケーション製造事業部 製造技術部システム設計課
松永 英丈 様 (写真:左)
株式会社DNPメディア・アート
生産革新推進本部 生産革新推進センター
プリプレスソリューショングループ
車田 幸代 様 (写真:右)
セミナーの前半ではSCREENより、ゲストスピーチでお話し頂く、イマドキのデータ制作とPDF/X-4、APPEの技術的な背景についてご説明しました。この内容については、昨年のAdobe MAX Japanの内容とほぼ同じなので、以下のビデオアーカイブを参照してください。
・【Adobe MAX Japan 2016】
[YouTube]フォーマットの変更から広がる印刷の表現―今までの感謝を込めて、PostScriptどうもありがとう!」
この前半部分のポイントとしては以下の2点になります。
■PDF入稿もネイティブ入稿も許容し、着実に実績を増やす
・PDF/X-4、APPEに最適なデータ制作を推進し、データ入稿に対応
・PDF入稿だけでなく、ネイティブ入稿でもPDF/X-4に変換してAPPEに最適な安全なデータであることが重要
(制作側と印刷側で相談して決める)
・いきなり全面的な移行を行わず、個別案件ごとに相談しながら始めて着実に進めていく。
■最適なデータとは
・オーバープリントの設定が正しいこと
(オーバープリントの設定を活かし、自動墨ノセを行わない)
・透明の分割統合が行われていないこと
(EPS/PS/PDF-X-1aを使わない、ネイティブデータを貼る)
それ以外にも「ページ原点を正しく指定する」(アートボードツールを使うなど)、「特色は本当に必要な所だけ使う」などは時間の関係で省略しましたが、同じくらい重要です。
■共同印刷株式会社 松永 英丈 様
・松永さまから簡単に会社紹介がありました。「あまり知らないかも知れませんが…」(この業界で知らない人なんていませんが…)「少年ジャンプも刷っています。」と紹介いただきました。
〇松永さまの担当業務
・同社とそのグループ会社の製版から刷版までトータルに含めたワークフロー構築の責任者として従事されています。
・取引先や営業、製造現場まで含めて、安全な運用を守るための技術的な指導されています。
・松永さまはこのPDF/X-4への移行について「そろそろEPS運用を卒業し、Photoshop、Illustratorもネイティブ形式での運用が進んでいけばいいと考えています」と言われています。
以下、松永さまのスピーチの要約です
〇PDF/X-4の対応状況
・対外的なPDF/X-4入稿については、既に定期案件を中心にPDF入稿全体の1~2割程度対応を行っています。
・社内運用では古いアプリケーションのデータを除き既に2年ほど前からPDF/X-4運用への切り替えを進めています。
・共に「ノセ活き」「透明活き」の運用を実践しています。
・実際の運用の切り替えでは、協力印刷会社さまとOutlinePDF-Adv.の受け渡しを行っても、高い再現性が求められます。受け取り側RIPのバージョンが古いと出力結果が保証されないので、同じRIPシステムを使うだけでなく、バージョンやパッチの適応状況まで慎重に確認しています。
〇運用変更したきっかけと注意点
・PostScript系の運用は過去は安定していましたが、アプリケーションの高機能化やデータの複雑化より正しい結果が得られない事例が増え、それらのデータはAPPE処置だと正しい結果が得られることが多くなってきました。
・特にPDF/X-4運用では印刷側の運用と制作側のデータの両面の対応が必要で、SCREENやAdobeの協力も得ながら進めていきます。
・PDF/X-4の場合、含められたRGBデータが、意図通りなのか、変換忘れなのか判断できず、確認のため処理が遅れることがあります。
・PDF/X-4入稿の際は、データに問題ないか確認しますので事前に相談してください。
■株式会社DNPメディア・アート 車田 幸代 様
〇会社紹介
・幅広い業務内容の中から、撮影スタジオ、フォトレタッチ、複製原画(プリモアート)など同社の画像処理・フォトレタッチ技術を活かした事業展開が紹介されました、
〇車田さまの担当業務
・大日本印刷に入社後、プリプレスの技術担当として従事、その後、組織変更により、プリプレス業務はそのままにDNPメディア・アートの所属になり、現在もプリプレスワークフローのスペシャリストとして活躍されております。
以下、車田さまのスピーチの要約です
〇PDF/X-4への移行を行う上での壁となった原因
・制作時の出力設定や環境が不明で、見本としての(例えばCPSIによる)出力と、実際の(例えばAPPEによる)RIP処理結果に差異が発生するリスクや懸念がありました。
・透明が使われたデータなのにEPS保存されている。本来はネイティブを使わないと透明が活かせない。ストリークなどの原因になるデータがありました
・透明を活かすためには、制作だけでなく、製版から刷版まで一貫した運用管理を行う必要があります。RIPシステムやRIPバージョンが異なると、同じ出力結果が得られるとは限りません。一貫した運用管理が大切です。
〇なぜPDF/X-4の“壁”を打破することを検討したのか?
・透明効果が「あたりまえ」に使われる様になりました。
・品質を向上する(ストリークの発生を防くなど)
・データ処理を効率的にするには透明保持が必要になります
・透明を活かした運用には、各工程の留意点についても正しい理解が新たに必要となりますが、それ以上のメリットが得られると判断しました。
〇DNPメディア・アートの技術対応状況
・全ての処理がAPPEであることが前提となる「APPE完結処理ルート」運用を進めていきます。
・既に社内運用を始めています。
・今後、標準運用として水平展開を図ります。
・現時点においては、個別対応となるので、事前に問い合わせてください。
〇まとめ
・DNPメディア・アートでは入稿データ作成ガイドを準備しています。その作成ルールを事前に確認してください。
・データ作成環境をご確認ください。
・直近のPDF/X-4入稿、および特殊なケースは事前にご相談ください。
■アドビシステムズ株式会社 岩本 崇 様
・セッションの最後にアドビシステムズの岩本さまにもご登壇いただき、大手印刷会社さまが、新しい運用を推進していくことに大きな意義があり、AdobeとしてもSCREENと共にサポートを継続していきたい、とお話になりました。
セミナー直後に、Adobeから以下のレポートが公開されました。
・[Adobe Creative Station] プリプレスワークフローの変化、共同印刷とDNPメディアアートはPDF/X-4運用へ
■セミナー全体としてのまとめ
このセミナーにおいて、松永さま、車田さまにお話しいただいた意義はとても重要です。
透明を活かした運用への変更は、Mac OS 9、QuarkXPress、Illustrator 8からの「環境の移行」に続く、最大の「ワークフローの移行」が本格的に行われる事を意味します。
当日、現場で受講いただいた約210名(たくさんの立ち見のお客様がおられました。お疲れのところ申し訳ありませんでした)の方々だけが知っていても、その意義を十分に活かすことはできません。より広くさまざまな立場の方々に前向きに理解頂く事で、その効果が最大限に活かせると考えており、その努力を続けていきます。
1月24日(火)にモリサワ 新春展「MORISAWA FAIR 2017」の特別企画セミナー
2月10日(金)にpage2017展のクリエイティブゾーンセミナー
に出演します。最新情報やセッションの内容の案内はリンク先のWebサイトをご参照下さい。
■モリサワ 新春展「MORISAWA FAIR 2017」
主催:株式会社モリサワ
日時:2017年1月24日(火)・25日(水)
場所:株式会社モリサワ本社 4F 展示・セミナーホール
タイトル:制作と印刷の相互理解で「正しく刷れる」DTPの運用ポイント(1月24日(火)15:10~16:40)
※無料ですが、事前申し込みが必要です。
■page2017クリエイティブゾーンセミナー
主催:JAGAT
日時:2017年2月8日(水)~10日(金) スケジュール
場所:サンシャインシティコンベンションセンターTOKYO
展示ホールD(文化会館2F)
クリエイティブゾーン
タイトル:もう逃げられない!安全なPDF/X-4 & APPE運用のススメ(2月10日(金)12:55~13:45)
※事前申し込みは不要です。
Page 2017展は入場料1,000円ですが、Webで展示会無料招待券登録することで無料になります。twitterのハッシュタグは #page2017_czs です。
■当社ブースのご案内
出展社:(株)メディアテクノロジージャパン
場所:展示ホールC(文化会館3F)C-5
上記セミナーはやっていませんが、製品に詳しいスタッフがお待ちしております。ぜひお立ち寄りください。
本年もたいへんお世話になりました。2017年もどうかよろしくお願いいたします。
<2016年12月19日追記>
本件の症状に関してアドビサポートより、公式サポート情報が公開され、「Adobeでは現在この問題を認識し、調査中です。」とコメントしています。
[アドビサポート] Illustrator CC 2017 からのPDF書き出しで日本語特色名が文字化けする
前の記事の続報です。
本件の発生に伴い、従来はAdobe CC 2017のサポートに向けた検証結果を、年明け2017年1月上旬公開を予定していましたが、対策が行われ当社での再検証が完了するまでAdobe CC 2017のサポートの発表を延期いたします。
■概要
Illustrator CC 2017で作成されたPDF上の特色名の表記が、Shift_JISからUTF-8に変更された影響として、特色名が化けるという問題の他に、InDesignを経由したPDF出力で、特色がプロセスカラー化されるという問題がある事も判明しました。
UTF-8形式の名前を持った特色は、プロセスカラー化されることで特色でなくなります。
各工程でデータを厳密にチェックすれば防止できる問題ですが、最終のInDesignから出力されたPDFだけを見ると特色版名には異変が見つからず、分版プレビューなどで全てチェックしない限り、気付かずに出力すると、特色であるべきところがプロセスカラーで出力される、という問題が発生します。
■再現条件(この挙動の詳細説明)
・再現条件に一貫性がありません。
・特色名が英数字の場合は発生しません。
・Illustrator CC 2017でのみ発生する問題で、Illustrator CC 2015では発生しません。
・特色名がUTF-8形式で記述されることにより。InDesign(InDesign CC 2017とInDesign CC 2015.4で確認)が誤動作し、プロセスカラーに変換してしまう。誤動作なので再現性に一貫性がない。
例えば以下の様な手順で問題が再現しました。一貫性がないので同じ結果にならないかも知れません。
1) Illustrator CC 2017にて「Red」(代替色M:100, Y:100)という名前の特色を設定
2) 特色「Red」をコピーし「金赤コピー」という名前に設定。図形2つそれぞれに「Red」と「金赤コピー」で塗る
3) Illustrator CC 2017からPDF/X-4で書き出し(「Illustratorの編集機能を保持」がOff)
4) そのPDFをInDesign CC 2017に配置。スウォッチ上で特色名が化けている。
→これをチェックしておくと問題が発見できる。スウォッチ開いてなければ見つからない。
5) InDesign CC 2017側でも「金赤コピー」という名前で特色を使用し、PDF/X-4で書き出し。
6) AcrobatでそのPDF(添付)をチェック。特色名のダブりもない。
→タブって表示されるはずのUTF-8で記述された特色はプロセスに変わっているので現れないのがこの問題の怖いところ
7) 刷ると一部の特色(この場合、最初に「金赤コピー」で塗ったオブジェクト)がCMYKで出てしまう。
※「金赤コピー」は当社で再現したときの特色名で、これなら確実に再現するというわけではありません。
再現確認時は「コピー」でもNG(プロセスカラーに変換)、「ピー」でもNG、「ー」や「金赤」なら、名前は化けるが特色として出力されました。
■回避策
・Illustrator CC 2015から書き出す(差違がでないか確認の上で)
■概要
IllustratorCC 2017で作成されたPDF上の特色名の表記が、Shift_JISからUTF-8に変更されていることが分かりました。
PDFの規格としてはUTF-8でも問題ないことになっています。
今までの経緯として、主要なDTPアプリケーションから出力されるPDFの特色名表記がShift_JISであり、UTF-8で表記されるケースが特殊なデータを除きなかったので、Shift_JISであることを前提に実装されている、EQUIOS / Trueflowの一部の機能や、AdobeのDTPアプリケーション(なんと!)でさえも、正常に動作しない原因となります。
■再現条件(この挙動の詳細説明)
IllustratorCC 2017上で「金赤」など日本語の特色を設定+使用して、PDFの書き出し設定の「Illustratorの編集機能を保持」のチェックが入っていない状態でPDFを出力することで、特色名がUTF-8で記述されたPDFになります。
仕様かバグか知らないけど、UTF-8使うんだったらBOMくらい書いておくのが、後で対応する人に向けたマナーってもんじゃないか?
PDF/Xは印刷に必要ないIllustratorの編集情報は含めないので、必ずOff、つまり特色名はUTF-8形式で記述されます。また、Illustratorの編集情報を必ず含む.aiネイティブ形式は、この設定がOnの場合と同じように、つまり特色名はShift_JISで記述されます。
Acrobatの分版プレビューはUTF-8をサポートしているらしく、このPDFの特色名がUTF-8で記述されていてもキチンと表示されます。(Acrobat X!とDCで確認済み)
しかし、このPDFをInDesignに配置すると、スウォッチパレットや分版プレビューにおいて特色名が文字化けになります。この症状は最新のInDesignCC 2017でも発生します。
さらに、このPDFは、IllustratorCC 2017に配置しても、自分で作ったデータなのに特色名は化けて表示されます。
この問題は、IllustratorCC 2017の不具合による現象である可能性が否定できないので、これらの情報だけで「Illustratorの編集機能を保持」をOnにすることが回避策として信頼できる、とは断定できません。バグがある場合は、見えていないところでも思わぬ不整合がある可能性があります。
■UTF-8を受け取ったInDesignの挙動にも注意
InDesignでUTF-8の特色名は化けて表示されますが、その状態でInDesignからPDFを書きだした場合、元の特色名はそのまま変換なしにPDFに記載されます。
例えば、Illustrator CC 2017で「金赤」という特色名を使用したPDFをInDesignドキュメントに貼り、InDesign上でも「金赤」という特色を使い、InDesignからPDFに書きだした場合、そのPDFにはUTF-8とShift_JISの2つの異なる「金赤」が混在した状態になります。この様なデータをUTF-8の特色名を正しく表示できるAcrobatで開くと右図の様な出力プレビューになります。
この様なPDFになってしまうと、どの様に出力されるか機種依存で不定になります。(出力側としても何が正解なのか分かりません)
■影響範囲
この様なデータが使用された事による影響について、他にもあるかも知れませんが、以下のようなことが分かっています。
EQUIOS、Trueflow
・DotTIFFのファイル名の拡張子に特色が入る設定の場合、その特色部分が化ける
・刷版上のアクセサリの特色名が化ける
・その他、特色処理に関係する機能
AdobeCC
・IllustratorCC 2017で作成したPDFをInDesignで貼る場合
・IllustratorCC 2017で作成したPDFをIllustrator(CC 2017も含む)で貼る場合
■回避策
・IllustratorCC 2015から書き出す(差違がでないか確認の上で)
・特色名には日本語を使わず、英数字のみを用いる
■改善に向けた対応について
・修正に向けてAdobeと協議中です。
・検証結果は年明け2017年1月上旬の公開を予定して(CC 2017については、まだサポート表明は行っていません)いましたが、Adobeとの協議状況に応じてさらに遅れる可能性があります。
続報ありましたら、このサイトでお知らせ致します。
[第16版] [Illustrator] [InDesign] [解説追加] | 固定リンク|CC 2016はどこ行ったの?という疑問はさておき...AdobeよりCreative Cloudの新バージョンAdobe Creative Cloud 2017がリリースされ、Illustrator CC、InDesign CC、Photoshop CCなどが一斉にアップデートされました。
当社では、鋭意検証中ですが、スケジュールの都合上、検証結果は年明け2017年1月上旬の公開を予定しています。
プリント関係は大きな変更なく、PDF書き出しセットアップもそのまま使えそうで、恐らく大丈夫だとは思いますが、検証は行います
少なくとも、スプラッシュでビックリするという仕様は改善されました
2016年11月5日(土)に開催される名古屋DTPの勉強部屋主催の第41回勉強会に出演します。
最新情報はリンク先のWebサイトをご参照下さい。
■第41回勉強会
主催:名古屋DTPの勉強部屋
日時:2016年11月5日(土)14時00分~18時45分
場所:ウインクあいち 小ホール
担当セッション:Session 2 15:30~16:40
タイトル:制作と印刷の相互理解で「正しく刷れる」DTPの運用ポイント
概要:DTP出力の基本に立ち返りつつ、知識を知恵として活かせる深い理解を目指します。
詳細はWebサイトをご参照下さい
とても古いバージョンのQuarkXPressからの出力において、Distiller X以降を使うとグラデーションの品質が低下します。
■発生条件
QuarkXPress Ver3.3 / Ver4.1など、QuarkXPress Ver5未満日本語版ではVer5は未発売なのでVer6未満を使用している場合、QuarkXPressから出力されるPostScript (EPSも含む)からDistiller X以降を使用してPDFに変換すると、グラデーションをスムースシェーディングに変換することができず、以下の様な問題が発生します。
・グラデーションでトーンジャンプが発生するかも知れない
・グラデーション内にストリーク(スジ)が発生するかも知れない
・グラデーションのオーバープリントの再現が変わる
QuarkXPress Ver5以降およびCorelDRAW Ver.8以降では、この様な問題は発生しません。
Distiller X未満のバージョンでは、スムースシェーディングへの置き換え処理を行います。
古いバージョンのIllustratorやFreeHandなど、Adobeのアプリケーションにおける同機能は引き続きサポートされています。
■発生原理
これは、Distiller内部でPS-PDF変換時に行われる、PostScriptのパターン認識による記述の書き換え処理(IdiomRecognition)において、古いQuarkXPressのグラデーションと古いCorelDRAW Ver.8未満のサポートが行われなくなった事により発生します。
これらに該当するアプリケーションは、グラデーションを1つの図形として記述するスムースシェーディング(sh:シェーディング)の記述をサポートしておらず、少しずつ色を変えた図形を多数並べてグラデーションを表現していました。
Distillerでは、この多数並べられた図形の記述を認識し、1つのシェーディング図形に変換していました。Distiller X以降から、この機能のサポートが終了したということになります。
QuarkXPress Ver5以降およびCorelDRAW Ver.8以降では、PostScript出力時にもシェーディングで記述されるので、Distillerでの変換の必要もなく、この様な問題は発生しません。
■問題の発生原理
・グラデーションでトーンジャンプが発生する
スムースシェーディングは、トーンジャンプの発生を防止するために、演算時に僅かなノイズを付加します。図形で出力された場合には、この機能は動作しません。
・グラデーション内にストリーク(スジ)が発生する
QuarkXPressの場合、多数のストローク(線)を、少しずつ色を変えながら並べて配置します。配置位置の誤差の影響で、ストローク(線)の継ぎ目にストリーク(スジ)が発生する場合があります。
・グラデーションのオーバープリントの再現が変わる
スムースシェーディングに変換すると、DeviceCMYKのシェーディングになり、PDFの規格ではオーバープリントが効かないのが正しい出力となりますが、多数の図形で表現されたグラデーションは、データに応じてオーバープリントが効きます。
イマドキのDTPアプリケーションのシェーディングはDeviceNなのでオーバープリントは効きます
QuarkXPressにはオーバープリントプレビューの機能がありません
■EQUIOS、Trueflowでの対応について
現時点のバージョンでは、設定に応じてスムースシェーディングに変換します。
次のEQUIOS / TrueflowのRIP演算系のパッチにおいて、Distiller X以降と同じ結果になるように変更します。EQUIOS / Trueflowのお客様にはリリース時にご案内いたします。
なお、この変更後も、既にOutlinePDFやOutlinePDF-Advanceに変換済みのQuarkXPressデータの出力はスムースシェーディングへの変換も済んでいるので変わりません。
つまり、カンプ確認時=OutlinePDF / OutlinePDF-Advance作成時との出力の差違は発生しない事になります。
■回避策
・Distiller 9以前を使用してPDF変換をする。Adobeのサポート範囲外なのでお勧めはしません。既に入手困難です。
QuarkXPress 3.3 / 4.1は推奨バージョンではありませんが、重要な情報などで公開しました。Distiller X以上の技術を使ってる製品では同じ問題が発生すると思われます。ご注意ください。
[第16版] [オーバープリント] [Acrobat] [QuarkXPress] | 固定リンク|9月2日(金)に東京ビッグサイトで開催されるAdobe MAX Japan 2016のブレイクアウトセッションにてセミナーを行います。
最新情報はリンク先のWebサイトをご参照下さい。
2016/8/13頃に参加登録受付は終了していました。
■Adobe MAX Japan 2016
主催:アドビ システムズ 株式会社
日時:2016年9月2日(金)11:00~20:00
場所:東京ビッグサイト (アクセス)
担当セッション:SESSION [E-23] 16:05~16:55
タイトル:フォーマットの変更から広がる印刷の表現 - 今までの感謝を込めて、PostScriptどうもありがとう!
概要:
Adobeの岩本さんと共にDTPの黎明期からの歴史を振り返りつつ、それを踏まえたイマドキのDTPの新常識を提案します。
×Illustrator 8形式のEPSで入稿する
×文字はアウトライン化する
×DTPアプリケーションからPostScriptでプリントしている
これらの運用は、Illustrator 8やQuarkXPress 4.1が全盛期であった 20世紀なら間違っていません。
しかし21世紀、「透明」の登場で、これらの常識が一変します。
IllustratorCC 2015で制作していても、Illustrator 8形式のEPSに保存しては意味がありません。
せっかく制作した作品の予期しない結果は、制作側と出力側が互いにどの様な事を行っているか、ほんのチョットを知るだけで、その多くが防げます。
この運用の変更には慎重な業界、21世紀になって15年あまり、いよいよ状況が大きく変化します、
相互理解のための「ほんのチョット」を知って、大きな変化に備えましょう。
twitterのハッシュタグは #maxjp です。
[お知らせ] | 固定リンク|■概要
2015年07月24日の記事「Office系でのPDFMakerとMac OS XのQuartzに注意」で解説した不具合について、以下のバージョンで対策を行いました。
・EQUIOS Ver4.50 EQ019
・EQUIOS Ver3.00 EQ029
・Trueflow SE Ver7.30 TF359
この対策は、該当するデータのみで処理を変えるもので、それ以外の従来のデータには影響しない様に開発されており、この修正による互換性への影響はありません。
この対応により、APPEの不具合の回避はしましたが、これらのPDFの扱いには依然積極的に推奨できる状況ではありません。ご注意ください。
■発生条件
当時、この問題の発生条件について、以下の様に記載していました。
WordなどOffice系アプリケーションでPDFMakerを用いて出力したPDFや、Mac OS XのOSの機能(Quartz)でプリントアウトダイアログから出力されるPDFを用いて、印刷用のデータとして使用すると出力不正になることがあります。(不要なオブジェクトが出る、特定のオブジェクトが消える、など) |
■互換性について
今回の修正は緊急的に行ったもので、互換性への影響がないようにAdobe PDF Print Engineの更新は行わず、独自の技術でピンポイントで対策を行いました。該当データ以外の処理に変更はありません。
最新のAdobe PDF Print Engineでは、この問題も含めて多数の不具合修正が行われており、当社では最適なビルド選定と厳密なテストを行ってからのリリースを予定しています。
EQUIOS/Trueflow出力の手引き 第16版 (PDF/26MB) | EQUIOS印刷ユーティリティ Rev1 (ZIP/776 KB) | |
DTPアプリケーションからEQUIOSやTrueflowに出力する場合のオペレーションと注意点をまとめたドキュメントです。詳細説明 | EQUIOSやTrueflowに最適なデータ出力を行う為のDTPアプリケーション向け設定ファイルです。詳細説明 |