以下の解説は、Trueflow出力の手引き 第12版 P111の「QuarkXPress 8.0の出力スタイル」の通りに設定した場合の技術的な意味について説明するもので、それ以外の設定を推奨するものではありません。
以前の記事「QuarkXPress6以降は「DeviceN」で出力」でDeviceNでの出力について説明しました。
QuarkXPress 8の場合、少なくともQuarkXPress6の時の様に、印刷ダイアログで明示的に「DeviceN」が指定できるわけではありません。では、QuarkXPress 8の場合、どの部分でDeviceN出力が指定されているのでしょうか?
■PDF / PostScript書き出しオプション
QuarkXPress 8では、PDFへの書き出しの場合「カラーオプション」の部分に「モード」と「設定」という2つの項目があります。PostScriptを書き出す場合も、同じく「モード」と「設定」の項目があります。
「モード」のプルダウンメニューでは「コンポジット」と「色分解」から選択します。
その下の「設定」のプルダウンメニューで何を選択するかによって、DeviceNで出力されるかどうかが決まります。
この「設定」のプルダウンメニューでは、別のセットアップ情報である出力カラー(下記参照)の設定名が表示されます。
この出力カラーの設定は、コンポジットタイプと、色分解タイプに分類され、「モード」の選択を変更する事で、その下の「設定」でリストアップされるものがコンポジットタイプ/色分解タイプで切り替わります。
下図の左側がコンポジットタイプの場合、右側が色分解タイプの場合です。

■出力カラーのセットアップ
出力カラーのセットアップは、「編集」→「カラーのセットアップ」→「出力...」にある「デフォルト出力セットアップ」で設定されます。(Trueflow出力の手引き 第12版 P111「カラーのセットアップ」に説明があります)
カラーのセットアップを行う「出力セットアップの編集」ウインドウの「モード」の部分では「コンポジット」と「色分解」のどちらかを選択できる様になっており、編集中の出力カラー設定がコンポジットタイプなのか、色分解タイプなのかを指定します。
「モード」が「コンポジット」の場合、その下の「モデル」の部分で「DeviceN」を選択する事ができます。
「モード」が「色分解」の場合でも「モデル」の部分で「In-RIP分版」が選択でき、In-RIPセパレーションに必要なDeviceN形式で出力する事が可能です。双方とも同じ様に思われますが、推奨設定どおりに使用してください。
QuarkXPress 8では、PDF/X-1a出力にはコンポジットタイプである必要があるため、Trueflow向けのPDF/X-1a出力設定「TrueflowPDF-X-1a Style 3.1J」には、コンポジットタイプの「DeviceN」の設定であるカラー設定「Trueflow PDF Color 1.0J」が用いています。また、PostScript出力のための設定「TrueflowPS Style 3.1J」では、色分解タイプの「In-RIP分版」の設定であるカラー設定「Trueflow PS Color 1.0J」を用いています。
以前の記事QuarkXPress 8のPostScript対応を更新しました。
QuarkXPress 8から出力されるPostScriptをTrueflowで処理する場合に必要なパッチは、以下の3バージョンのTrueflowに対して8月末頃にリリースされる予定です。
・Trueflow SE Ver6.00 TF012
・Trueflow SE Ver5.01 TF143
・Trueflow 3 Ver4.01 TF169
このパッチにより、QuarkXPress 8で出力したPostScriptから、TrimBoxを原点とした入力処理が可能になります。
なお、QuarkXPress 8で作成したPDF/X-1aはパッチの必要なくTrueflow Ver4.01以降全てのバージョンでサポートされています。
Trueflow出力の手引き 第12版のP100~P101にあるQuarkXPressに関する留意事項への補足情報を記載します。
情報の更新があれば、この記事に追記していきます。
■Illustratorネイティブ貼り込み
Trueflow出力の手引き 第12版のP101で「Illustratorネイティブ貼り込み」(*1)の制限として、「不透明マスク」機能を用いたデータが正常に出力できない場合がある、という項目があります。
この症状は必ず再現するわけではなく、古いバージョンのIllustrator(今回発見されたのはIllustrator 9)のドキュメントを新しいIllustrator(こちらはCS3)で開いてから保存した場合に発生する事が確認されています。
新しいIllustrator上で、新しいドキュメントに該当するオブジェクトをコピーして、全く新しいドキュメントとして保存したり、そこで新たに作成した「不透明マスク」オブジェクトでは完全な動作を保証するものではありませんが、今回発見されたデータでは再現しない事を確認しました。
また、Illustratorの「不透明マスク」以外の機能では、ネイティブ貼り込みにおける、この新しいIllustratorのバージョンでのOpen&Saveでの問題は発見されていません。
(*1)印刷版のTrueflow出力の手引き 第12版では「Illustratorネイティブ張り込み」と漢字を間違っていました。
■Illustratorネイティブ更新時の問題
Mac OS XのFileVaultがOnの状態において、QuarkXPress 8のドキュメント上に配置されているIllustratorネイティブファイルをIllustratorで変更し保存した場合、QuarkXPress上でその画像を更新しても、削除して再配置しても、表示上その変更が反映されません。
この問題は、以下のいずれかの方法で回避する事が可能である様です。
・FileVaultをOffにする。
・Illustratorネイティブ更新時にファイル名を変更する。
・更新時に別のディレクトリに移動する。
・更新時にQuarkXPressのプロジェクトを一旦閉じてから開き直してから画像の更新を行う。
Trueflow出力の手引き 第12版のP83に書いてある通り、QuarkXPress 8で作成したPostScriptを処理する場合、Trueflowでは現在開発中のパッチが必要になります。
パッチリリースの日程やパッチ番号、サポートバージョンなどについては、後日この記事に追記します。
QuarkXPress 8で作成したPDF/X-1aはパッチの必要なくTrueflow Ver4.01以降全てのバージョンでサポートされています。
QuarkXPress 8から出力されるPostScriptをTrueflowで処理する場合に必要なパッチは、以下の3バージョンのTrueflowに対して8月末頃にリリースされる予定です。
・Trueflow SE Ver6.00 TF012
・Trueflow SE Ver5.01 TF143
・Trueflow 3 Ver4.01 TF169
このパッチにより、QuarkXPress 8で出力したPostScriptから、TrimBoxを原点とした入力処理が可能になります。
<2008/10/01更新>
本日リリースされたQuarkXPress Ver8.01にも対応するために10月中旬のリリース予定に延期します。パッチ番号などに変更はない予定です。
このパッチは、QuarkXPress 8で出力したPostScriptからトンボを認識する事で、TrimBoxを原点とした入力処理を可能にしていましたが、QuarkXPress Ver8.01において、このトンボの記述形式に変更があり、用意していたパッチではQuarkXPress Ver8.01に対応できなくなりました。
今回の修正により、TrueflowではQuarkXPress Ver8.00、Ver8.01以降の両方のトンボ記述に対応します。
正式リリース時には改めてお知らせします。
<2008/10/09更新>
QuarkXPress 8から出力されたPostScriptに対応するためのTrueflowのパッチが正式リリースされました。
以下のTrueflowの3バージョンに対するパッチがTrueflowテクニカル・ウェブ・サポート(*1)からダウンロード可能になっています。
・Trueflow SE Ver6.00 TF012
・Trueflow SE Ver5.01 TF143
・Trueflow 3 Ver4.01 TF169
このパッチにより、QuarkXPress 8で出力したPostScriptから、トンボ記述からTrimBoxを認識し、これを原点とした入力処理および面付け処理が可能になります。
(*1)Trueflowテクニカル・ウェブ・サポートとは、登録されたお客様がサポート情報の閲覧、パッチのダウンロードなどを行えるTrueflowユーザー様向けのサービスです。ご登録を希望される方は弊社営業にお問い合わせ下さい。
Quark Inc.およびクォークジャパンはQuarkXPress 8を全世界同時に発表しました。
主な特徴は以下の通りです。
・PDF/X-1aダイレクト出力対応
・UnicodeとOpenTypeフォントのサポート
・全言語共通のネイティブファイルフォーマット
・AI, PSDネイティブファイル対応
・日本語組版強化(デザイングリッド、文字組みセット等)
・透明、ドロップシャドウ対応
・使いやすいユーザーインターフェース
多くの新機能がサポートされたQuarkXPress 8ですが、本来の魅力である軽快な使いやすさが、どのくらい継承されているのか、注目です。
QuarkXPress 8に関しては次版である「Trueflow出力の手引き 第12版」でサポートする予定です。
P36の補足です。
QuarkXPress Ver3.xや4.xのトンボは信用してはいけません。最大で約1ポイント(約0.353 mm)の誤差があります。
以下のようにQuarkXPress Ver3.xや4.xで作成されたPostScript上では、トンボのオフセット値が整数値(単位ポイント)で表現されており、小数点以下は切り捨てられています。
QuarkXPress5(英語版)やQuarkXPress6以降では、小数点まで含んだ高精度な記述に変更されています。以下の「cutm」は別の場所で定義されています。
・QuarkXPress5以降の場合
1 36.555 36.362 878.445 631.638 4.051 3.858 910.949 664.142 24 cutm
・QuarkXPress3や4の場合
1 36 36 878 631 4 4 910 663 24 cutm

P41の「In-RIPセパレーション運用」を補足します。
発表時、あまり新機能がないと言われていたQuarkXPress6ですが、出力関係では重要な新機能がサポートされています。
P81にはQuarkXPress 6.5からのPostScript出力時に、出力カラーとして「DeviceN」を設定するように書いています。この設定は従来のQuarkXPressにはありませんでした。

QuarkXPress6の出力に関係する最大の変更ポイントである「DeviceN」のサポート、この変更を一言でいうと「やっと本気でコンポジット出力に取り組んだ」と言えます。
従来の「コンポジットCMYK」と何が変化したのか以下に説明します。
■Helpから考察
QuarkXPress Ver6.0英語版のHelpに以下の様な内容の記述があります。
「最近のPortable Document Format(PDF)の出現によって、コンポジットカラー出力はより一般的になりました。PDFとオフセット印刷のためにファイルを作成するワークフローにおいて、レイアウトデータを(従来のセパレーション運用と同じ様に)コンポジットとして出力する必要がでてきています。」
つまり、QuarkXPress3.3や4.1などの従来のバージョンでは、印刷出力としてはセパレーションで出力される事が前提となっていた、という事です。
今までは、セパレーション運用が前提であった為に、QuarkXPressのいくつかの機能は、セパレーション出力の場合にのみ正常に出力できていました。
しかし実情は異なり、QuarkXPressの従来のバージョンではカラーモード「コンポジットCMYK」で印刷向けの出力が行われています。
その為、TrueflowなどのコンポジットPSが前提のRIPの中には、XTensionや特別な対応を行ってそれらの機能の取り込みを行っていましたが、全機能が完全にサポートされている訳ではありません。
■DeviceNのサポートの効果
QuarkXPress6では、プリントダイアログの中の「出力」の中にある「印刷カラー」というポップアップメニューの中に、「DeviceN」と「As Is」という選択肢が増えています。
このDeviceNを選択する事で、いわゆる「印刷向けのコンポジットPS」が作成される様になります。
このDeviceNでコンポジット運用でも新たにサポートされたつまり従来はセパレーションのみで正常に動作していたのは、以下の3つの機能です。
・特色を用いたQuarkXPressのブレンド
・特色で色指定されたGray TIFF(colorized TIFF)
・特色を含むMulti-Ink(※)
これらの機能は従来のバージョンのQuarkXPressでは、コンポジットPSを出力した時点で特色が疑似色化されてしまいましたが、QuarkXPress6以降では「DeviceN」で出力する事で正常に出力できる様になります。

※Multi-Inkとは、QuarkXPressで「編集」→「カラー...」を選択しカラーパレットに何らかの特色を登録してから、カラーの編集画面で、Multi-Inkを選択すると、プロセスカラー(又はHexachromeプロセス)と特色を混ぜた色を登録する事ができる機能の事で、「プロセスカラー+特色」や「特色+特色」などの、2色以上のインクを指定されたパーセントで混ぜた色を新たな色としてカラーパレットに登録できます。InDesign CS以降でサポートされた「混合インキスウォッチ」とほぼ同等の機能です。
P87の「InDesignへのPDFの配置」の項目で、PDFを配置すると画像が抜けるなどの問題が発生する、とありますが、明確にこの症状が確認されているのはQuarkXPress 6.xからダイレクトに出力されたPDFのみであり、2008年2月8日時点で他のアプリケーションでの同症状は確認されていません。もちろんIllustratorネイティブファイル(内部的にはPDF形式)の配置も同症状は発生しません。
[第11版] [InDesign] [QuarkXPress] [FAQ] | 固定リンク|この記事を共有|