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出力の手引きWeb[2008年]

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2008年02月29日 | QuarkXPress3.xや4.xのトンボ

P36の補足です。
QuarkXPress Ver3.xや4.xのトンボは信用してはいけません。最大で約1ポイント(約0.353 mm)の誤差があります。
以下のようにQuarkXPress Ver3.xや4.xで作成されたPostScript上では、トンボのオフセット値が整数値(単位ポイント)で表現されており、小数点以下は切り捨てられています。
QuarkXPress5(英語版)やQuarkXPress6以降では、小数点まで含んだ高精度な記述に変更されています。以下の「cutm」は別の場所で定義されています。

・QuarkXPress5以降の場合
 1 36.555 36.362 878.445 631.638 4.051 3.858 910.949 664.142 24 cutm
・QuarkXPress3や4の場合
 1 36 36 878 631 4 4 910 663 24 cutm
QXP5vsQXP4.gif

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2008年02月29日 | InDesignにおける「DeviceN」は「色分解(In-RIP)」

DeviceN出力はQuarkXPress6以降でサポートされましたが、InDesignではPostScript出力時の「色分解(In-RIP)」がQuarkXPressの「DeviceN」に相当します。PDF出力時は自動的に使い分けられます
InD-InRIP.gif
「色分解(In-RIP)」を使用する事によるメリットは、QuarkXPressにおけるDeviceNメリットとは異なります。ヘルプを参照するとコンポジットCMYK運用ではサポートされていない以下の様な事がサポートされると書いてあります。

・Photoshop5.0以降のダブルトーン(Duotone)
・InDesign側でのトラップ

この内、トラップのサポートについて、より詳しく説明します。InD-trap.gif
プリントダイアログの「色分解」「トラップ」のプルダウンメニューで「InDesign側でのトラップ」を選択する事で、簡易的なトラップ処理ができます。
この手順に沿って作成したPostScriptをDistiller経由でPDFに変換する事で、この図の様なトラップが確認できます。

ヘルプによると、このトラップ処理には制限があるようです。

・「色分解(In-RIP)」でなければ動作しない
・トラップの幅は最大4ポイントに制限
・貼り込まれたEPSには効かず、InDesignのオブジェクトのみ有効

トラップの詳細は「ウインドウ」「トラッププリセット」で設定できます。
この図はデフォルトのトラップ設定の場合の出力です。(拡大しています)
日本ではトラップの使用頻度が海外よりも少ないので、逆にこの設定を誤ることで不要なトラップが出力されてしまう事に注意が必要です。
また、InDesignからのダイレクトPDF出力ではトラップは反映されません。
この機能はInDesign初期バージョンからサポートされていましたが、出力の手引きとしてはInDesign CS以降について記述しています

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2008年02月27日 | QuarkXPress6以降は「DeviceN」で出力

P41の「In-RIPセパレーション運用」を補足します。
発表時、あまり新機能がないと言われていたQuarkXPress6ですが、出力関係では重要な新機能がサポートされています。
P81にはQuarkXPress 6.5からのPostScript出力時に、出力カラーとして「DeviceN」を設定するように書いています。この設定は従来のQuarkXPressにはありませんでした。
QuarkDevN.gif
QuarkXPress6の出力に関係する最大の変更ポイントである「DeviceN」のサポート、この変更を一言でいうと「やっと本気でコンポジット出力に取り組んだ」と言えます。
従来の「コンポジットCMYK」と何が変化したのか以下に説明します。

■Helpから考察
QuarkXPress Ver6.0英語版のHelpに以下の様な内容の記述があります。
「最近のPortable Document Format(PDF)の出現によって、コンポジットカラー出力はより一般的になりました。PDFとオフセット印刷のためにファイルを作成するワークフローにおいて、レイアウトデータを(従来のセパレーション運用と同じ様に)コンポジットとして出力する必要がでてきています。」
つまり、QuarkXPress3.3や4.1などの従来のバージョンでは、印刷出力としてはセパレーションで出力される事が前提となっていた、という事です。
今までは、セパレーション運用が前提であった為に、QuarkXPressのいくつかの機能は、セパレーション出力の場合にのみ正常に出力できていました。
しかし実情は異なり、QuarkXPressの従来のバージョンではカラーモード「コンポジットCMYK」で印刷向けの出力が行われています。
その為、TrueflowなどのコンポジットPSが前提のRIPの中には、XTensionや特別な対応を行ってそれらの機能の取り込みを行っていましたが、全機能が完全にサポートされている訳ではありません。

■DeviceNのサポートの効果
QuarkXPress6では、プリントダイアログの中の「出力」の中にある「印刷カラー」というポップアップメニューの中に、「DeviceN」と「As Is」という選択肢が増えています。
このDeviceNを選択する事で、いわゆる「印刷向けのコンポジットPS」が作成される様になります。
このDeviceNでコンポジット運用でも新たにサポートされたつまり従来はセパレーションのみで正常に動作していたのは、以下の3つの機能です。

・特色を用いたQuarkXPressのブレンド
・特色で色指定されたGray TIFF(colorized TIFF)
・特色を含むMulti-Ink(※)

これらの機能は従来のバージョンのQuarkXPressでは、コンポジットPSを出力した時点で特色が疑似色化されてしまいましたが、QuarkXPress6以降では「DeviceN」で出力する事で正常に出力できる様になります。
QXPmultiInk.gif
※Multi-Inkとは、QuarkXPressで「編集」→「カラー...」を選択しカラーパレットに何らかの特色を登録してから、カラーの編集画面で、Multi-Inkを選択すると、プロセスカラー(又はHexachromeプロセス)と特色を混ぜた色を登録する事ができる機能の事で、「プロセスカラー+特色」や「特色+特色」などの、2色以上のインクを指定されたパーセントで混ぜた色を新たな色としてカラーパレットに登録できます。InDesign CS以降でサポートされた「混合インキスウォッチ」とほぼ同等の機能です。

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2008年02月23日 | PDF/X-3用のjoboptionsはなぜ配布しないのか?

joboptions.gif
Trueflowで使用するPDF/X-3用のjoboptions(PDF書き出しプリセット)は以前配布していましたが、現在は配布をしていません。
そのPDF/X-3用のjoboptionsに代わり、現在もRGBワークフロー用として配布しているTrueflow RGBwf 1.3J.joboptionsとの違いは?
■なぜPDF/X-3の設定を配布しなくなったか?
PDF/X-3は、PDF1.3であるために、透明は分割統合する必要があります。
透明の分割統合が行われる場合に、InDesignでは、そのスプレッドに透明オブジェクトが一つでもあると、スプレッド内のRGBオブジェクトの全てをCMYKに変換してしまいます。
PDF/X-3の設定を使った場合でも、スプレッド内に一切透明が使われていない場合は、RGB画像はそのままの状態でPDFに出力されていますが、同一スプレッド内に(たとえRGB画像とは全く関係ない場所だったとしても)透明が使われていると、意識しないままそのRGB画像はInDesignによってCMYKに変換されてしまいます。
この透明には、当然ドロップシャドウなどの効果でも使われる上に、配置されたIllustratorデータ(ネイティブ or PDF)上の透明も含まれるので、データ作成時において全く透明を使われていない事を慎重に確認する必要があります。
その上、透明が使われているスプレッドと使われていないスプレッドで色が異なる結果にもなります。
これらの理由により、InDesignにおけるPDF/X-3は実質上のRGB運用が困難であるとの判断から配布をやめ、推奨もやめました。
■Trueflow RGBwf 1.3Jとの違いについて
Trueflow RGBwf 1.3Jの設定は、CS3でPDF/X-4がサポートされるまでCS2でRGB運用を行うためにPDF/X-3に代わって配布をしたものです。
これはPDF1.6をベースにしているために、透明の分割統合の必要がありません。その他の設定はPDF/X-3とほとんど変わりません。
透明分割が行われない事によって、PDF/X-3では問題になった、意図しないCMYK変換が行われず、編集データはそのままの形でPDFとして出力されます。
あとは、Trueflow出力の手引き11版P66にあるAcrobatでプリフライト&FixupでPDF/X-4に変換する事で、好ましいRGB運用が可能になります。
InDesignCS3では、このTrueflow RGBwf 1.3Jに代わってTrueflow PDFX4 1.3Jを使用する事になります。

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2008年02月20日 | 特色への透明効果

P33の「特色への透明効果」の部分にある出力のサンプルはIllustrator CS2によるもので、Illustrator CS3では下図の通り異なる出力結果になります。
Illustrator CS3では、一見問題なさそうに見えますが、特色の部分にのみ影がありません。この例では、あまり目立ちませんが、デザインによっては大きな違いになる場合もあります。
■発生原理
Illustrator CS2では影のオブジェクトをオーバープリントとして特色のベタの上に配置し、Illustrator CS3では上下を逆にして特色のベタをオーバープリントとして影のオブジェクトの上に配置している事によってこの違いが表れています。
この様に、オーバープリントは上下関係を逆にしても、異なる版を重ねるだけなので、正しく処理していれば結果は同じになります。
Illustrator CS3はこの事を利用して、白く抜けてしまうという「最悪のケース」を避けようと工夫していますが、完全ではありません。
CS2CS3.gif
■回避方法
制作時に特色インキを使わない色を正しくプロセスカラーで色指定していれば、透明の分割統合の際に色は合成され、この様な問題は発生しません。
また製版時に、オーバープリントをRIP側で正しく処理すれば、オーバープリント処理によって色が合成され、この様な問題は発生しません。
やはり、特色インクを使わない場合は特色指定ではなくプロセスカラーで色指定する事、オーバープリントをRIP側で取り込んで演算する事は重要です。

もちろん、PDF/X-4で出力すれば、分割統合が不要なので、この様な問題は発生しませんが、正しいデータ作成、データ通りの出力は重要である事に変わりありません。

[第11版] [オーバープリント] [透明効果] [特色指定] [Illustrator] [InDesign] [解説追加] | 固定リンクこの記事をメールで共有 このエントリーを含むはてなブックマーク

2008年02月19日 | 出力の手引きWeb公開について

Trueflow出力の手引きに関係する以下の様な情報を迅速にお知らせする為に「出力の手引きWeb」を公開します。

 1) 本文に対する補足情報
 2) 問い合わせの多い質問に対する回答
 3) 正誤情報、文章の訂正情報
 4) 最新情報の追加
 5) 次版の公開のお知らせ

掲載の必要性に応じて更新されるもので、定期的な情報公開をお約束するものではありません。
これらの情報は、次の版の作成の参考となり、いくつかは次の版の内容に加えられます。
新しい版の公開などもここでお知らせいたします。
不定期な更新となりますのでRSSによる購読をお勧めいたします。

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2008年02月08日 | InDesignへのPDFの配置

P87の「InDesignへのPDFの配置」の項目で、PDFを配置すると画像が抜けるなどの問題が発生する、とありますが、明確にこの症状が確認されているのはQuarkXPress 6.xからダイレクトに出力されたPDFのみであり、2008年2月8日時点で他のアプリケーションでの同症状は確認されていません。もちろんIllustratorネイティブファイル(内部的にはPDF形式)の配置も同症状は発生しません。

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