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2009年04月28日 | RIPのメモリ消費量を少なくする編集

<2010年7月27日追記>
この問題はTrueflow側での対策が完了しています。
詳細は記事「2010年07月27日|7つの問題の対策、完了しました」を参照してください。

Adobe PDF Print Engineは透明をそのまま演算できるRIP技術ですが、やはり透明の影響範囲が大きいデータでは、システムのメモリ状況に応じて、演算速度が遅くなったり、メモリ不足でエラーになるケースが発生することが確認されています。これは、以前より存在していたはずの問題ですが、近年PDF/X-4の運用が増えてきたことにより、表面化してきました。

■無意識に指定される透明
一般的なデータでは、そこまでメモリを逼迫することは少ないのですが、時として透明を使用していないつもりでも、出力されたPDF上で気付かぬうちに透明オブジェクトがみつかる場合があります。
ドロップシャドウやぼかしなど、明示的に「透明」を使っていなくても効果を得るために透明が使われる事は、Trueflow出力の手引き 第13版 P7でも説明している通りです。
これらの透明は「必要性のある透明」と言えます。

■不要なのに透明を使ってしまう場合
最近よく使われる様になってきたPhotoshopネイティブファイル(.psd形式)を配置する場合にも、画像全体が透明オブジェクトになってしまう場合があります。
具体的にはPhotoshopでレイヤーを使用しており、レイヤー名「背景」が含まれていない場合、画像全体が透明オブジェクトになってしまいます。レイヤーパレットにおいて、レイヤー名「背景」が表示状態である場合は、そのpsd画像は透明ではありませんが、たとえレイヤーが1つしかない場合でも、それが「背景」でない場合は、本当は必要ない場合も含めて透明オブジェクトになってしまいます。

Layer1.pngarrow.png Preview1.png

Layer3.pngarrow.png Preview2.png

Layer2.pngもちろん、レイヤー効果を得るためだったり、切り抜きエッジを滑らかになじませるためなどの理由で、あえてPhotoshop上で市松模様で表示される透明部分を指定する様な場合は仕方がないのですが、その必要のない画像例えば色調の調整やサイズ変更のためだけにPhotoshopを使用している場合などに関しては、その透明は「必要性のない透明」です。レイヤーパレットのメニューにある「画像を統合」処理を行う事で、透明にならない「背景」のみのpsdファイルが作成できます。
ただし、このオペレーションはネイティブファイル上でのレイヤー情報も破棄されてしまいますので、レイヤーが必要な場合には出力用とは別に編集用のネイティブを残しておく必要があります。

状況を正確に把握するためにTrueflow出力の手引き 第13版 P13の「透明の確認方法」にある手順で、どの領域が透明に指定されているか、あらかじめチェックしておくことが重要です。

■それでもメモリ不足になる場合
残念ながら、上記の様な確認を行い、不要な透明を含まない様に編集した場合でも、デザインの内容や、RIP上のメモリ状況などによって、メモリ不足となってしまうケースが確認されています。
その場合、Trueflowのエラー詳細情報には以下の様なメッセージが含まれています。
Error during transparency atomic region processing
これは、微細領域(atomic region)の透明処理においてエラーが発生していることを示していますが、実際には処理のためのメモリ不足に起因していることが分かってきました。

■Truflow側での改善
もちろん、この問題はLive TransparencyなPDF/X-4の運用で発生するので、事前に透明処理が済んでいるPDF/X-1a形式であれば発生しません。しかし、それではせっかくのPDF/X-4+Adobe PDF Print Engineの継ぎ目のない透明処理、高品位なRGB運用や文字品質などのメリットを活かしきることができません。ちなみにAdobe PDF Print EngineはPDF/X-1aの処理も高速です
Trueflowではこの問題に対して、Adobe PDF Print Engine自体の修正ではなく、その使い方を工夫することで、処理の改善を行います。この改善により、現在までに報告された同様の問題の現時点では、1つのファイルで確認された例外と、極端に複雑な一部のデータを除きほとんどが正常に処理できる様になることを確認しています。
上記の様なエラーメッセージでエラー終了する事がある場合、以下に記載した近日公開予定のTrueflowパッチの適応をお勧め致します。

■対応Truflowバージョン
以下のTrueflowの2バージョンに対するパッチが近日(5月中旬頃の予定です)Trueflowテクニカル・ウェブ・サポート(*1)からダウンロード可能になる予定です。ダウンロード可能になりましたら改めてこのサイトでも即日お知らせ致します。
・Trueflow SE Ver5.01 TF159
・Trueflow SE Ver6.01 TF106
改善を有効化するためには設定変更も必要です。詳しくはリリースノートを参照して下さい。
Adobe PDF Print Engineを用いる処理ルートでの修正なので、これ以前のバージョンには関係ありません。
(*1)Trueflowテクニカル・ウェブ・サポートとは、登録されたお客様がサポート情報の閲覧、パッチのダウンロードなどを行えるTrueflowユーザー様向けのサービスです。ご登録を希望される方は弊社営業にお問い合わせ下さい。

お知らせ
今回の記事をきっかけに、カテゴリー「透明効果」を追加し、過去のいくつかの記事の属性に追加しました。

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