Acrobat 7(PDF1.6)以降でサポートされた機能として「OpenTypeフォントを埋め込む」指定があります。
しかし、OpenTypeフォントは、PDF/X-1a (PDF1.3ベース)でも問題なく使用できています。これは、どういう事でしょう?
この「OpenTypeフォントを埋め込む」指定は、「OpenTypeフォントを含んだPDFを作る」という一般的な意味とは異なり、あまり使わない特殊な機能を指しています。
この特殊な機能は推奨運用ではありません。
一般的なOpenTypeフォントの埋め込みという意味では、Type1のサブセットフォントの形でEmbedされます。これはPDF1.3からサポートされており、CIDフォントと同様に問題なく使用されています。もちろんPDF/X-1aやPDF/X-4運用でも問題ありません。
特殊な機能である「OpenTypeフォントの埋め込み」は、いわばOpenTypeフォントそのままの形で埋め込む事を指しており、利用するためには以下の条件を満たす必要があります。
・欧文OpenTypeフォントのみ
・アプリケーション側でフォントを含まないPSを作成
・PDF 1.6以降で可能
・Distillerで「OpenTypeフォントを埋め込む」をOnに
・Distillerで「サブセットの全フォントに対する割合」をOffにこの条件で作成したPDFをAcrobat 7以降で開き、「文章のプロパティ」の「フォント」の部分を見ると「埋め込み OpenType」と表示され確認する事ができます。
この機能は欧文のOpenTypeフォントのみのサポートで、通常のサブセットフォントのエンベッドと比較してファイル容量も大きくなり、運用実績も極めて限定的と思われます。Trueflowでもこの形式のPDFの利用は推奨していません。