◆最終的な判断材料はケースバイケースとなってしまいますが、デザイン処理のさじ加減は仕事の数をこなし、教科書的にマスターすることが必要です。そして、マスターした後に逆手を取るようなデザインで意表をついてみるのもよいかもしれません。そのためには、さまざまな処理をしっかりとマスターすることです。
 また、自分の趣味や主観を殺し、町中に溢れているさまざまなデザインをしっかりと見ることが大切です。特に、古い書籍や雑誌の中にしか存在しない特殊な文字組みなどに代表されるデザインも積極的に見ておくと良いでしょう。デザインは、古いからだめで新しいから良いというわけではありません。
 ところで、デザインとは派手に目立つことだけを示すように思われがちですが、プロとして仕事を積み重ねていくと、派手さのさじ加減が麻痺してしまうことがあります。一見派手に見えるデザインも、冷静に見つめ直してみると控えめでシンプルなものが多く、特に読ませる文章の本文組みなどでは、いかにシンプルで整然と美しく組むかということが大切な要素となります。
     
     
【図09】ヒラギノ明朝Pro W3、ヒラギノ角ゴPro W3による文字組み。    
     
 
     
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