デザイン要素のひとつだけを切り取って比較することは、大変難しく、全体で見たときに判断が逆転してしまうような場合も少なくありません。そのため、解説では比較要素を誇張しています。   目立たせるための処理としては、「太さ」「大きさ」「色彩」「輪郭」「立体化」等がありますが、目先の処理ではなく、絶えずブロックあるいは全体としての構成を少し離れた位置から遠い目で見てみるような対峙の仕方が大切だと感じています。また、その効果のベクトルは次のようになります。

「太さ」<「大きさ」<「色彩」<「輪郭」<「立体化」

そして、それをシミュレーションしたものが【図07】となります。下に行くほど目立つことになります。しかし、常にこの法則が正しいとは限りません。デザインとはグローバルなバランス設計であり、ローカルなバランス設計ではないからです。更に、文字のサイズ変更なども加えた処理を検討した【図08】も、下に行くほど目立って効果的な処理となります。下2つは、あきらかに本文用のデザインからは逸脱しています。これは、どちらかというとチラシ向きな処理でしょう。
     
     
【図07】上から、(ヒラギノ角ゴStd W3)、太く青い文字(ヒラギノ角ゴStd W9)、赤い括りに白文字(ヒラギノ角ゴStd W9)、赤い括り文字を立体化させた黄色い文字(ヒラギノ角ゴStd W9)によるデザインの違い。   【図08】上から、マゼンタに設定した文字のサイズを調整(ヒラギノ角ゴStd W9)、赤い括り文字を立体化させた黄色い文字のサイズを調整(ヒラギノ角ゴStd W9)、図形の中に白抜きで入れた文字とグラデーション文字(ヒラギノ角ゴStd W9)、図形の中に白抜きで入れた文字と赤い括り文字(ヒラギノ角ゴStd W9)によるデザインの違い。下2つはあきらかに本文用のキャッチデザインからは逸脱しており、どちらかというとチラシ向きな処理。
 
 
     
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