出力の手引きWebのはてなブックマーク数
ホーム > 出力の手引きWeb > マイター処理がAcrobatと一致しない問題|このエントリーを含むはてなブックマーク

出力の手引きWeb

2013年11月11日 | マイター処理がAcrobatと一致しない問題

miter_join.pngマイターの処理において、特定の条件下でAcrobatでの表示とRIPでの演算結果が異なる場合があります。
この問題は、CPSIやTrueflowの従来演算やAPPEでも解像度に依存して発生する問題であり、一般的なRIP処理における仕様制限と言えますが、画面表示やカンプと最終出力が異なる原因になる可能性があり、十分な注意が必要です。

次の記事も別のマイター処理がAcrobatと一致しない事例を紹介しています。併せてご覧下さい。

■症状
miter_process.png・角度が0度の場合、理論的なマイター長は無限大になる。
・マイター長が無限大の場合、確実にマイターリミットを超過しベベル結合となる。
・Acrobatでの表示はベベル結合になるが、RIP演算の場合は解像度や線幅、マイターの比率などの条件によってベベル結合にならない場合がある。

■発生条件
・2つの円弧が0度の角度で結合する一連の線分
・マイター結合が指定
・特定の出力解像度、線幅、マイターの比率などの組み合わせで発生
・APPE、CPSI、Trueflow従来処理などで発生(条件は違う)

■発生原理
short_vector.png・RIP内部ではベジェ曲線のRIPを行う際に、出力解像度などに応じて短い直線で近似化処理(Short Vector化)を行います。
・この近似化処理によって、本来0度であるマイター結合指定されたコーナーが0度でなくなります。
・コーナーが0度でなくなることにより、マイター長が無限大の長さから短くなります。
・マイターの比率がデフォルトの「10」であっても、解像度や線幅やRIPの内部処理の演算誤差の特性などにより、マイター長がマイターリミットを僅かに下回る場合があり、この問題が発生します。
→AcrobatやIllustrator、InDesignの画面表示では、この問題は発生しない様です。

■回避策
・この様な0度に近いコーナーを使う場合はマイター結合を使わない。
・マイターの比率を小さめに調整し、マイターリミットが短くなるようにする。
 (この問題の多くは、ほんの僅かな差でマイターリミットを超過せず、マイター結合になったと思われます。)

[第15版] [Acrobat] [Illustrator] [InDesign] [解説追加] | 固定リンクこの記事をメールで共有 このエントリーを含むはてなブックマーク
このページの先頭に戻る