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2009年12月22日 | 特色名の予約語とQuarkXPressの問題

■特色名には予約語を使用しない
以前の記事「DeviceNを理解する」では、特色名に予約語があることを説明しました。これはDeviceNを構成する各々の色名(以後「構成要素」と書きます)としての予約語の説明でした。例えばDeviceNの一つの色名が「(特色)Black」と書かれた場合はプロセスカラーのBlackと解釈されます。
つまり、DeviceNは特色とプロセスカラーや、複数の特色を混ぜる場合に良く使用され、その構成要素してプロセスカラーの予約語は使用できます。できないとプロセスカラーと混ぜる事ができません…

DeviceN.gif

swatch.pngしかし、例えばスウォッチ上の特色名、一つの色として定義された特色名としては、予約語は使うべきではありません。
予約語としては「Cyan」「Magenta」「Yellow」「Black」の他に、レジストレーションで使用される「All」と、何も描画しないという意味の「None」(ナン)が挙げられます。

Trueflowでは、それ以外にも例えば「イエロー」(半角カタカナの場合も含めて)「Hexachrome Yellow」「Gelb」(ドイツ語)なども予約語として扱っています。特色名の取り扱いについては、各々のシステムによって、拡張されていたり、使ってはいけない文字(記号など)が異なる場合などがあり、注意が必要です。

Quark-all.png■DeviceNの構成要素で「All」や「None」は使用しない
上記では、DeviceNの構成要素してプロセスカラーの予約語は使用できる、と書きましたが、同じ予約語でも「All」と「None」は使ってはいけません。
これに関して、QuarkXPress 6.x, 8.xのPDF出力において、以下の問題が発見されました。TrueflowではQuarkXPress 6.xのPDF出力はサポートしていません。

QuarkXPressでは、特色名として予約語である「All」や「None」といった色名を使うことができてしまいます。
しかし、DeviceN出力のサポートされたQuarkXPress 6以降では、この様な特色が定義され、PDF出力すると、DeviceNの構成要素として「All」や「None」を定義してしまいます。
これらの予約語の色は、他の色と合成されても意味がないので、1色のDeviceNとして定義されます。
本来のPDF/PostScriptの仕様では、この2つの予約語の色は(1色のカラーを定義する)Separation(分離)カラースペースでのみ記述が認められています。
DeviceN-none.pngQuarkXPress 6.x, 8.xの場合は、本来Separation(分離)カラースペースで記述されるべき「All」や「None」が、DeviceNの構成要素として記述されるため、Acorbat8,9では右下図の様なエラーが表示され、Adobe PDF Print Engineの処理でもエラーになります。
error-dialog.png
色名が「None」の場合のメッセージは「ページ処理中にエラーが発生しました。オペランドの種類が正しくありません。」になります。厳密には、「None」は禁止されているわけではありませんが、DeviceNの構成要素として「None」つまり「描画しない」は適切ではありません、というメッセージです。エラーになり使ってはいけないことに変わりありません。
また、古いAcrobatの表示やTrueflowの従来演算では正常に処理できてしまいます。

やはり、特色名に予約語を使用すべきではなく、予約語以外の色名に変更することで、この問題は回避できます。
もちろんプロセスカラーへの変換が前提の特色指定も絶対にやめましょう。

ai-dialog.png■AdobeCS系の場合
ちなみにAdobeCS系のアプリケーションでは、右図の様なダイアログが出て、予約語の特色設定をする事はできなくなっています。

[第13版] [DeviceN] [特色指定] [Acrobat] [QuarkXPress] [解説追加] | 固定リンクこの記事をメールで共有 このエントリーを含むはてなブックマーク
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