最近のDTPアプリケーション、特にAdobe Creative Suite系のアプリケーションでは、RIP側でオーバープリントを正しく処理する事が重要です。以下はTrueflowでオーバープリントを正しく処理する設定をしているウインドウです
DTPアプリケーション側で明示的に指示していない箇所にも、自動的(無意識)にオーバープリントが設定される事例がTrueflow出力の手引き 第11版P21に記載されています。
ここで紹介されている「プロセスカラーの掛け合わせが、複数の図形のオーバープリントとしてPSに記述される」という症状の具体例について紹介します。
右図の例では、RIP側でオーバープリントを取り込まない為に、オレンジ色がピンク色に変わってしまう事例を表しています。
■再現手順
1) DTPアプリケーション側でM=50, Y=100の塗りを設定します。この図形には(間違って不要な)オーバープリントが設定されています。
2) Trueflowの設定を用いてPostScriptで出力します。この時点で2つの図形がオーバープリントで重なって出力されます。
3) RIP側でオーバープリントを無視して出力すると、2つの図形の下側が出力されず、上の図形のみが出力され、ピンク色(M=50%)として出力されます。
■解決方法
Trueflow側でオーバープリントを正しく処理すれば、指定通りオレンジ色で出力されます。
これは一例ですが、これ以外でもDTPアプリケーション側では、「RIP側でオーバープリントが正しく処理される前提」でデータ出力する事があります。
データ制作側から見ると、RIP側でオーバープリントが正しく処理される、ということはDTPアプリケーション側でもオーバープリントを正しく設定する必要があると言えます。
DTPアプリケーションでのオーバープリントプレビューを活用して事前にチェックする事が重要です。
また、PDFワークフローの場合は、出力側としても、Acrobatを用いてオーバープリントプレビューで確認する事ができます。
この問題はPostScript運用の場合のみ発生し、ダイレクトPDF出力の場合は発生しませんが、ダイレクトPDF出力の場合でも、オーバープリントを正しく処理しないとトラブルになるケースがあります。