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2008年02月20日 | 特色への透明効果

P33の「特色への透明効果」の部分にある出力のサンプルはIllustrator CS2によるもので、Illustrator CS3では下図の通り異なる出力結果になります。
Illustrator CS3では、一見問題なさそうに見えますが、特色の部分にのみ影がありません。この例では、あまり目立ちませんが、デザインによっては大きな違いになる場合もあります。
■発生原理
Illustrator CS2では影のオブジェクトをオーバープリントとして特色のベタの上に配置し、Illustrator CS3では上下を逆にして特色のベタをオーバープリントとして影のオブジェクトの上に配置している事によってこの違いが表れています。
この様に、オーバープリントは上下関係を逆にしても、異なる版を重ねるだけなので、正しく処理していれば結果は同じになります。
Illustrator CS3はこの事を利用して、白く抜けてしまうという「最悪のケース」を避けようと工夫していますが、完全ではありません。
CS2CS3.gif
■回避方法
制作時に特色インキを使わない色を正しくプロセスカラーで色指定していれば、透明の分割統合の際に色は合成され、この様な問題は発生しません。
また製版時に、オーバープリントをRIP側で正しく処理すれば、オーバープリント処理によって色が合成され、この様な問題は発生しません。
やはり、特色インクを使わない場合は特色指定ではなくプロセスカラーで色指定する事、オーバープリントをRIP側で取り込んで演算する事は重要です。

もちろん、PDF/X-4で出力すれば、分割統合が不要なので、この様な問題は発生しませんが、正しいデータ作成、データ通りの出力は重要である事に変わりありません。

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