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因果探索アプリケーション 「Causalas(コーザラス)」を発売
2024年2月28日
株式会社SCREENアドバンストシステムソリューションズはこのほど、変数間の関係を分析し、最適な因果グラフ※1を自動的に推定するアプリケーション「Causalas(コーザラス)」※2を発売。本日から提供を開始します。
近年、機械学習や深層学習(Deep Learning)を中心に、ビッグデータを活用した高精度な予測や識別が可能となったことで、多くの企業がビジネスにおけるデータ活用に取り組んでいます。一方、データに基づいた施策の実施や効果検証を行うためには、それぞれのデータにおける相関関係だけでなく、因果関係を明らかにする必要があります。しかし、因果関係の推定には複雑な分析が必要となるため、観測データのみを使っての推定は難しく、適切な施策や効果検証につながりにくいことが課題となっていました。
このような動向を背景に当社は、変数間の因果関係を自動で推定できるアプリケーション「Causalas(コーザラス)」を開発。相関関係による表面的な関連性だけでなく、データの背景にあるメカニズムや原因を特定することで、施策の有効性や効果の予測を可能にしました。また、変数間の関係を分析し、自動的に推定した因果グラフ※1を描くことで、変数間の因果関係を可視化することができます。Causalasは、滋賀大学 清水昌平教授により開発された統計的因果探索アルゴリズム「LiNGAM」※3を採用しており、清水教授の監修を受けて開発されました。因果探索は現在も多くの研究者によって発展しており、Causalasではその最新の成果を反映し、今後もアップデートを続けていきます。
当社ではこれまで、清水教授の技術指導の下、「LiNGAM」の公式Pythonパッケージの開発や、因果探索コンサルテーションを展開してきました。加えて本製品の販売により、お客様のより良い意思決定や問題解決をサポートするとともに、データ分析の実践、有効活用に引き続き貢献していきます。
※1 変数間の因果関係をグラフ(ノードとエッジ)で視覚的に表現したもの
※2 因果関係を意味する「Causal」とアドバンストシステムソリューションズの略称である「AS」を合わせて「Causalas」
※3 Linear Non-Gaussian Acyclic Modelの略。観測変数の分布の非ガウス性を利用して因果グラフを一意に推定できる手法
■ 滋賀大学 データサイエンス学系 教授 清水 昌平
機械学習が普及する中、統計的因果推論への期待が高まっています。データに基づく意思決定を行う上で、予測するだけでなく因果関係を調べることも重要です。Causalasは、データに基づいて因果グラフを推定し、因果関係の分析を支援します。LiNGAMやCAM-UVなどのアルゴリズムを利用でき、ブートストラップ法による信頼性評価や介入シミュレーションの実行も可能です。 |
● 本件についてのお問い合わせ先
株式会社SCREENアドバンストシステムソリューションズ 事業推進課 Tel: 075-414-7702 SG_QUERY_AS@screen.co.jp
Causalasについて詳しくはこちら
この記事のNL_240228.pdf