右は、前工程を経て作ったIC の拡大写真である。この回路の中で最も細かい部分は、幅がわずか0.1 μ m 以下になる。この回路を作るのに使われている技術は、超精密な写真技術である。
では、さっそくIC 製造の「前工程」と「装置」の説明に入ろう。
なお、ここで理解すべきことは、『どうやって回路を作るか』ということの1 点だけである。従って、IC 回路の設計やIC の構造のことは、全く覚えなくても結構である。
右側の図は、IC を作る一連の工程の全体像を描いたものである。
この図を見てもわかるように、IC の製造では同じ一連の工程が何度も繰り返されている。ということは、右図のうち、いちばん左の一行の流れさえ理解できれば製造工程の内容は一通り解るということになる。
では、1 つのIC 回路ができるまでを「ウェーハの一部を拡大した図」で説明しよう。
まず、今回作る回路を右図のようなものと仮定する。(実際にこういう形状の回路は作らないが)