MPU(micro processor unit)はパソコンなどの心臓部(頭脳部といったほうが正確)に使われるIC である。
MPU の市場はDRAM に比べて変動幅が小さいが、これは他のロジックIC 全体とメモリ全体についてもいえることである。
MPU を製造するときの最小加工寸法は、1990 年代までDRAM より1 世代遅れるといのが一般的だった。しかし、だからといってMPU のほうが作りやすかったわけではない。なぜなら、MPUはDRAM よりもチップサイズがずっと大きく、その大サイズ全面にわたって回路欠陥ゼロを達成しなくてはならないからである。また、DRAM には多少の欠陥があってもそれを補うバイパス回路があるのに対し、MPU は動作に最低限必要な回路だけで大きな面積を使うため、スペース的にバイパス回路を作る余裕がない。したがって、トータルでいうと微細化の先端を走っていた時代のDRAM と当時のMPU で、どちらの製造工程がより簡単ということはいえない。
一方、2000 年頃になるとMPU の微細化が加速してDRAM に並ぶという現象が起きている。これはその以前からIntel は予言していたことでもある。そして現在はMPU の回路の微細化がDRAMよりも速くなるという傾向さえ見られる。