DRAM(dynamic random access memory)は、コンピュータのメモリに使われているほか、家電(特にデジタル家電)などにも広く使われている。
よく256MDRAM とか512MDRAM、あるいは1GDRAM という言葉を耳にすることがある。ここでいうM(メガ)やG(ギガ)とは、ひとつのDRAM の中に何個の記憶素子(超小型のトランジスタとコンデンサと抵抗の組合せで1 単位の素子)があるのかを示しており、M は100 万個、G は10 億個という意味である。たとえば512MDRAM は素子の数が 512×100 万個= 5億1,200 万個 のDRAM で、4GDRAM は 4×10億個= 40 億個の素子をもつDRAM ということになる。この数字が大きいほど、DRAM のメモリ容量(記憶能力)は大きい。
一般にDRAM は3 年で世代がひとつ進み、その世代ごとに集積度は4 倍になるとされてきた。しかし64MDRAM 以降はもっと小刻みに1 年〜2年で集積度を2 倍にするほうが普通になっている。
DRAM の最小加工寸法(DRAM の配線の最も細かい部分の幅)は世代が1 つ進むごとに約0.7 倍となる。これは、集積度を上げたときにチップのサイズがあまり大きくならないようにするためである。
DRAM の進歩には集積度のほかに記憶処理速度もある。当初はFPM(fast page mode)のみが存在していたが、その後より高速なEDO(expandeddata output)が現れ、さらにスピードの早いシンクロナス(synchronous)、ランバス(Rambus)、およびDDR(double data rate)が登場している。
また、同じシンクロナスでも速度別にPC100やPC133 といった名称がついている。PC100 は動作速度が100MHz、PC133 は133MHz で、数字が大きいほど速度も速い。
一方、DDR は従来のシンクロナスの2倍の速度が可能だが、その後は速度が4倍のDDR2 も登場し、さらには速度が8倍のDDR3 も次に控えている。
なお、シンクロナスの次の世代のDRAM としてはラムバスが有力視されたこともある。しかしラムバス型DRAM は歩留まりが低くコストも高いことから、結果としてはシンクロナスの延長線にあるDDR のほうが普及することとなった。
また、シンクロナスDRAM はよくSDRAM と表記される。一方、ラムバス型DRAM はRDRAMと表記される。