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出力の手引きWeb

美しいグラデーションを出力する

2018.09.12

■概要
EQUIOS Ver6.01より、グラデーションのトーンジャンプを低減する機能が追加されます。
出力チケットの設定に「平行、円形グラデーションのトーンジャンプを軽減する」という設定が加わります。
TrueflowのAPPEではない方の従来処理をお使いの経験のある方は、同様の設定があったことを覚えておられると思います。
EQUIOSでは、APPEのグラデーション生成の部分を独自にカスタマイズし、TrueflowのAPPEではない方の従来処理と同様の方法でグラデーションを生成する機能をサポートしました。
この機能は、グラデーションのトーンジャンプを防ぐために役に立ちますが、いくつかの留意事項があります。

■互換性
グラデーションのみの再現が変わる設定であり、互換性には影響ありません。

■処理の概要
処理の仕様の概要について下記に説明します。

  • グラデーションの濃度変化するポイントそろっていると、その濃度変化が目立ちやすく、トーンジャンプの要因となる。
  • グラデーションに僅かなノイズを加え、濃度変化するポイントをランダムにずらすことで、トーンジャンプの低減が期待できる。
  • 対象となる部品は、特に目立つ平行、円形グラデーション。
  • グラデーションメッシュや偏心円は対象外
  • 透明の影響の及ぶ領域では処理の対象とはならない

これらの仕様はTrueflowと同様です。

■品質について
グラデーションの品質について、以下の様な一長一短の特徴があります。
実際のトーンジャンプは網点を紙に印刷した場合で確認されるもので、webサイトでは正確な表現ができません。下記の図は出力のイメージを見えやすく図示したもので、実際のRIP出力ではありません。

元データは図の様に2つのオブジェクトが重なっていますが、オーバープリントでも、透明でもありません。グラデーションオブジェクトの端の色が、下の平網と同じ値になっているところがポイントです。
①はEQUIOSのデフォルト設定での出力です。多くのケースで問題ありませんが、色の変化の設定によっては、稀にトーンジャンプが目立つことがあります。
②は、今回の対応の結果、グラデーション部分にノイズが乗った場合の結果です。
M=50%, Y=100%で、同じ色のはずの2つの図形の境界部分に、ノイズの有無による段差が僅かに現れるケースがあります。
③は、今回のノイズ付加の処理を行わず、階調再現の高い12bitの網を使用した場合です。
APPEのグラデーションの内部演算は、非常に高い精度で演算されており、出力される網を階調再現性の高い12bitのものを使うことで、ノイズを加えなくても多くのケースのトーンジャンプが軽減される可能性があります。この設定でトーンジャンプが抑制できる場合、ノイズの有無による影響も避けることができます。

■留意事項
1) パフォーマンス
通常はこの処理がパフォーマンスに影響することはほとんどありません。しかし、マシンのスペックや同時演算の負荷が重いなどの要因により、若干パフォーマンスが低下する可能性があります。

2) 透明の影響について
透明の影響に関する留意事項はTrueflowでもEQUIOSでも同じ事が言えますが、透明の使用が当たり前になってきた最近のDTPデータで特に留意しておく必要があります。

  • グラデーションに透明の影響が及ぶ領域では、内部処理として画像として処理されるので、ノイズが付加されない
  • 最近のDTPデータでは、透明効果は当たり前の様に使用されており、ノイズの有無の差による段差が発生するリスクがある。

 

3) デフォルト設定はOff
Trueflowでは、この機能はデフォルト設定としてOnでしたが、EQUIOSではOffがデフォルトです。どうしてもトーンジャンプが防げない場合の一時的な回避策としてご利用ください。
問題がない場合は、Offの設定と併せて、12bit網の使用をお勧めします。