Doc. No.: FT160519_004J

株式会社SCREENファインテックソリューションズ(以下、SCREEN FT)はこのほど、フレキシブルディスプレー用ポリイミド塗布装置「SK-Pシリーズ」を開発しました。この装置の販売を2016年3月から開始、有機ELディスプレーをはじめとしたフレキシブルディスプレーの量産化に貢献していきます。

次世代のディスプレーとして注目されている有機ELディスプレーは、ガラス基板だけでなく、プラスチック系のポリイミドを用いたフレキシブル基板に形成させることができます。ポリイミドを用いたフレキシブル基板は、薄くて軽く、柔軟で丸めることもできるため、高性能化、薄型化が要求されるウエアラブル端末や電子ペーパー、車載用ディスプレーなどへの活用に期待が寄せられています。しかし、現在のフレキシブル基板の製造工程においては、材料のポリイミドを、大サイズのガラス製支持基板に、薄く均一に塗布することが難しく、フレキシブルディスプレー量産化への大きな課題になっています。

このような動向を受け、当社は、2013年から高粘度材料の塗布技術の開発を開始。世界シェアの約8割を誇るコーターデベロッパーで培った塗布・乾燥技術とノウハウを承継、活用し、光の透明度や乱反射に影響を与えるポリイミド内の微小なごみや気泡の発生を抑える技術を確立。厚さ約10マイクロメートルのポリイミドを均一に塗布することに成功しました。最大サイズは、第6世代と呼ばれる1,500mm×1,850mmまで対応でき、これを120秒以下で塗布処理することが可能。高品質なポリイミド膜が塗布できる、歩留まり向上を実現した装置となっています。

当社は、今回の「SK-Pシリーズ」の発売により、需要の拡大が見込まれる次世代ディスプレーに対応したポリイミド塗布システムの業界標準を目指します。そして、今後もディスプレーパネル業界のさまざまなニーズに応え、同分野の発展に貢献していきます。

※ 高分子化合物の総称。非常に高い機械強度、優れた耐熱性、電気絶縁性を持ち、耐薬品性にも優れている。ポリイミドフィルムは、OA機器やカメラ用のフレキシブルプリント配線板、電線の層間絶縁材や半導体の保護膜などとして広く利用されている。

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