FPDの生産工程では、エッチングに使用する薬液の濃度変化によるプロセス不良や、エッチングレートの低下が問題となっていたため、処理時間や処理枚数などの経験値に基づき、装置内の薬液の全量を交換する必要がありました。そのため薬液の交換頻度が高くなり、生産効率の低下をはじめ、薬液のランニングコストや廃液量の増大など、多くの課題の原因となっていました。
あるお客様では、シュウ酸(ITOエッチング液)の運用において、水分の揮発によりエッチング能力が低下するため、その都度薬液の全量を交換されていました。SCREENフェバックスでは、薬液の使用量を何とか減らせないかというお客様のご要望にお応えするため、リアルタイムに濃度を測定できる最適な濃度計をご提案。測定データに基づいて水分を必要な量だけ供給することにより、シュウ酸の濃度を一定に保ち、薬液の使用可能時間の延長を図りました。また、測定、管理、制御を自動で行うことにより、省力化にも貢献。さらに、複数のタンクを測定できるSCREENフェバックスの薬液濃度管理システムのメリットを生かし、同社のケースでは、2つの生産ラインに対してそれぞれ2つのタンク、計4つのタンクの測定・制御を1つのシステムで行いました。1つのタンクでも効果は見込めますが、4つのタンクの一括制御により「極めて大きい効果が得られた」と、お客さまに十分に満足していただくことができました。そのほかの使用薬液についてもぜひ検討してほしいと、より一層の厚い信頼をお寄せいただいています。