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「SSDM2021」において、SCREENが「SSDM 若手研究者賞」を受賞

2021年9月10日

Doc. No.: SPE210910J

株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズはこのほど、2021年9月6日(月)から4日間にわたって開催された国際会議「2021 International Conference on Solid State Devices and Materials」(主催:公益社団法人 応用物理学会)において、昨年度の同会議で当社が発表した論文が評価され、「SSDM Young Researcher Award(SSDM 若手研究者賞)」を受賞しました。

 

今年53回目の開催を迎えた「International Conference on Solid State Devices and Materials」(以下、SSDM/国際固体素子・材料コンファレンス)は、固体素子および材料に関わる研究者に最新の成果を公表する機会を提供する場として、最高レベルの評価を得ている国際会議の一つとされています。また、半導体デバイスや材料に関する幅広い分野をカバーしており、学際的で新たな研究分野も含まれています。同会議には12の分野が設定されており、会場では産学官の間で毎回活発な議論が交わされますが、今回は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴う渡航制限や、健康・安全面での懸念などを考慮し、バーチャルコンファレンスとして開催されました。

SSDMでは、優れた論文を発表した著者に対して、3つのカテゴリーの賞を設けており、このたび、昨年度のSSDMで当社が兵庫県立大学との共著として発表した「Millisecond Post Deposition Annealing for Improving the EOT and Dit in TiN/HfO2/SiO2/Si Gate Stacks using Flash Lamp Annealing」が、「SSDM 若手研究者賞」を受賞しました。

近年の半導体製造工程では、現在主流の高誘電率半導体の集積プロセスにおいて、熱履歴管理がゲートスタックにとって重要な課題となっています。さらに、最新の半導体ロードマップによると、将来の5ナノメートル以下のノードにおいて、SiGe/Geチャネルと3D積層の導入により、熱履歴の制限がより一層厳しくなると見込まれています。そのため、デバイスや材料の開発とともに、ゲートスタックの低熱履歴プロセスの重要性が高まっています。

そのような動向を背景に同論文では、TiN/HfO2/SiO2/Siゲートスタックの酸化膜換算膜厚(以下、EOT)と界面準位密度(以下、Dit)を、成膜後にフラッシュランプアニールによって改善し、誘電体の緻密化がEOTのスケーリングにつながることを実証しました。また、フラッシュ照射前のハロゲンランプでの予備加熱温度が、Ditを向上させる重要なパラメーターであることも示しています。これらの成果によって同手法が、低い熱履歴を維持しながらゲートスタックを改善できる可能性を示唆するものとなっています。

当社は、今回受賞した論文をはじめとした技術革新を絶え間なく推進することにより、高度化、多様化、省エネルギー化などが強く求められる顧客ニーズに幅広く対応し、半導体業界のさらなる発展に貢献していきます。

 

※ SSDM Young Researcher Award(SSDM 若手研究者賞)
SSDMにおいて、研究内容・口頭発表・質疑応答態度に優れ、将来の成長が期待される若手研究者に贈られる賞。対象は、同会議開催翌年の4月1日時点で33歳以下の研究者に限られる。