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佐川印刷株式会社 様 EQUIOS Online事例

業界のリーディングカンパニーを支えるEQUIOS
効率化を進め、新規ビジネスへ

佐川印刷は、25カ所の支店・営業所、7つの工場を持ち、2,000人を超える従業員を有する。2020年には創業50周年を迎える同社は、出版・商印用の枚葉機、オフ輪だけではなく、フォームやグラビアの輪転機も所有、企画から発送までのワンストップサービスを提供する。また、近年ではいち早く水性フレキソ印刷機を導入した、業界を代表するリーディングカンパニーだ。同社にあってEQUIOSの導入はどのような意味を持ち、どのような役割を果たしているのか。梅林裕蔵常務取締役、デジタルプリプレス部統括部長の田中裕人氏、デジタルプリプレス部デジタルソリューション課長の川東宏之氏に話を聞いた。

User Report

21セットのワークフローRIPをEQUIOSに統合し、作業の標準化・コスト削減を実現

report5-01.png同社のデジタルプリプレス部は京都の本社をはじめ、東京、横浜、大阪、埼玉のプリプレスの5拠点、刷版を担う日野工場(滋賀県蒲生郡)や厚木工場(神奈川県厚木市)、千葉工場(千葉県習志野市)などに約260人が在籍し、データ制作からRIPの出力、刷版までを管轄している。しかし、同社全体では各地の工場での運用を含め、6セットの「Trueflow」と他社製の15セットのワークフローRIPを運用し、パラメーターや面付けパターンなど工場ごとに設定していたため、作業を標準化できないことが課題となっていた。

田中統括部長は「例えば、京都本社で1次RIPを出力して、2次RIPを出力する日野工場でのパラメーター設定が違っていたために事故が起こることもゼロではなかった」と振り返る。また、川東課長は「現行のワークフローRIPのサポートの期限が迫り現状の課題を解決できるワークフローへの更新も検討すべき時期に来ていた」と言う。そこで、ワークフローRIPを統合し、標準化、共通化に向けた取り組みを開始した。複数のメーカーにプレゼンを依頼、検討を重ねた結果、2016年7月に「EQUIOS」と「EQUIOS Online」の導入を決めた。

梅林常務は採用の理由を次のように話す。「非常に使いやすい、というのが一つ。また、当社では多くのハードでRIPを運用することになるので、どうしても設備の更新、ソフトのバージョンアップのコストがかさんでしまう。SCREEN GP ジャパンさんからは『東日本』と『西日本』のワークフローセンターをつくってサーバーを2つに統合し、それをバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)でつないでハードの数を削減してはどうか、という提案があった。これにより、サーバー数や維持費、ソフト更新のコストが削減でき、環境の違いに左右されずに品質を担保できる。非常に大きなメリットだと感じた」

他社製ワークフローRIPを使い込んでいる現場では、導入について消極的な意見もあったが、導入の際には大きな問題もなく、データの移行もスムーズに行われた。
「他社製ワークフローRIPで運用していた、全国版で地域ごとに差し替えが必要な冊子の仕事を、しっかりとEQUIOSでできるようにしてくれた。導入の際には、信用できる技術サポート、トラブル時の対応、この2つも重視した。その点でも信頼感があった」と梅林常務は評価する。

EQUIOSが自動化やビジネスの拡大を支える

report5-02.png本社工場では、SCREENグラフィックソリューションズのロール式フルカラーインクジェットプリンター「Truepress Jet520」でバリアブル印刷や製本、多品種小ロットの仕事をこなしているが、当然、「EQUIOSとの親和性が高く、活用にもつながった」(田中統括部長)
当初の予定どおり、ワークフローRIPの設備を集約したことで、サーバーの台数、保守費用などを大きく削減できた。現在は、EQUIOSをカスタマイズし、面付けから梱包・出荷までの生産工程の完全自動化を進めている。また、EQUIOSは同社の多種多様な印刷形式にも、「OutlinePDF-Advance」を出力することで対応することができる。

「EQUIOS Onlineは社内業務の効率化よりも、お客さまに対する営業の『ツール』として活用している。営業所は全国展開しているが、営業所からは届きにくいお客さまもいる。そんなとき、レスポンスを得るには最適なツールになる」と川東課長は語る。実際に、クライアントの部品メーカーのカタログ編集に活用され、早速、ペーパーレス、校正時間の短縮などの成果を挙げているという。「メーカーさんのカタログの仕事などはページのボリュームもあり、通常の校正と比較し非常にEQUIOS onlineとの親和性が高い」(川東課長)

そして現在、クライアントへEQUIOS onlineでのオンライン校正、検版などを川東課長が提案しており、すでに、10社ほどに採用されたとのことだ。「大ロットの印刷物は間違いなく減少するが、まだまだ、利益の源泉は紙だ。これからは、印刷物に価値を持たせるため、多品種小ロットはもちろん、バリアブルやパーソナライズなどに対応し、そのためのデータの加工もしっかりやっていかなければならない。必要なときに必要な印刷物を提供できるよう、デジタル印刷、マーケティングオートメーションに対応できるようなシステムを整えていく」と田中統括部長は語る。「去年、全国的に残業時間は大幅に減ったが、加工高が上がり、事業は全てが増収増益となった。もちろん、他にも要因はあると思うが、EQUIOSにより、一つ一つの仕事が効率化されたことで、全体では大きな結果をもたらしたのではないか」と梅林常務は経営面での効果も実感している。そして、「EQUIOSは、他業界や新ビジネスへの展開を進めている当社の戦略の支えとなってくれている」と評価する。

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企業情報

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佐川印刷株式会社
住所:京都府向日市森本町戌亥5番地の3
代表者:代表取締役社長 木下 寧久
設立:1970年11月
従業員数: 2,084人(関連会社含む)
出典:「印刷新報 2018年5月31日号」
http://www.spcom.co.jp/