*角ゴシック体と丸ゴシック体
「角ゴシック体」と「丸ゴシック体」との組み合わせにより、インスタントにポップで新しい書体のイメージを作り上げることが出来ます。それはスタンダードな書体でも仮想ボディの大きな書体でもない両者の融和といった世界だと感じています。具体的には、漢字のみ角ゴシック体とし、それ以外を丸ゴシック体とした場合、丸ゴシック体の可愛らしさに若干の緊張感を加えたイメージを得ることが出来ます。また、漢字のみ丸ゴシック体とし、それ以外を角ゴシック体とした場合、角ゴシック体の堅苦しさを若干緩和させるイメージを得ることが出来ます。乱暴な言い方をすると、学童向けの科学系技術書などの解説文に適しているのではないでしょうか。
  ところで、挑発的なデザインであっても、ベースとなる活字のデザインはしっかりしたものがベストでしょう。システマチックに統一されたファミリーは色々なシーンに必要不可欠です。つまり、しっかりとデザインされている書体を使うからこそ挑発的なデザインを生み出すことが出来るのです。もちろん、いい加減にデザインされた書体であっても、偶発的に優れた成果物が生まれることもあるかもしれません。しかし、常に偶発的な結果に依存しているだけでは前に進むことは出来ません。特にInDesignなどの合成フォント機能を使ったときに、システマチックな書体の有無はデザインに大きく影響してきます。それは、もっともシンプルな文字組みデザインである合成フォントで確認することが出来ます。
ファミリーとしての角ゴシック体と丸ゴシック体を組み合わせることで、それぞれの良い部分を引き出すことが出来ます。ちなみに個人的には【図06】の中では【漢字のみヒラギノ角ゴStd W4、それ以外はすべてヒラギノ丸ゴPro/Std W4】の組み合わせが好きです*。
     
     
【図06】    
         
    ↑漢字のみヒラギノ角ゴStd W4、それ以外はすべてヒラギノ丸ゴPro/Std W4   ↑ヒラギノ角ゴStd W4
         
     
         
↑漢字のみヒラギノ丸ゴPro/Std W4、それ以外はすべてヒラギノ角ゴStd W4 ↑ヒラギノ丸ゴPro/Std W4
     
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