もちろん、フィルタの処理が好ましくないという話ではありません。工夫のない処理は、安っぽくて逆効果であるということです。つまり、安易な逃げ道に走り、消化不良のデコレーションで終わってしまわないように、デザイナーはもっと注意をはらうべきなのです。
 なお、作例で逆に誤解を受けてしまうとまずいので事前にフォローしておきますが、あっさりしているのがデザインで良い方向というわけではありません。このあたりのさじ加減は本当に難しく、いつも頭を悩ませています。そして、そんな時によく引き合いに出す資料をリメイクしてみたものが【図05】です。下に行くほどデザイン度が強くなっています。また、ここでもわかるように、派手な色だから目立つ、というわけではありません。高級感を得るために、よく金銀やメタリックカラー等の特色を使うデザインがあります。しかし、常に高級感を演出するためにそれらが必要であるとは限りません。
     
【図05】ヒラギノ角ゴStd W6とヒラギノ明朝Std W7の組み合わせに対して、上から、無調整、Illustratorの【効果>ワープ>旗】を実行、【効果>ワープ>旗】を実行したものを背面に配置、【効果>ワープ>旗】を実行したものを背面に配置し、カラーリング調整。
 
 
 
 
 
     
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