◆コンピュータによるデザインワークが一般化してしまった現在は、アナログ時代のように、デザイナーが写植オペレーターといった第三者に文字組みを指示して作り上げてもらうことはなく、文字組みにも自分のデザインを具体的に擦り込むことができるようになりました。
そして、その事はデザイナーにとって喜ばしい出来事なのです。例えば私は【図01】に近い文字組みを写植時代に作成しようとして、写植オペレーターにずいぶん嫌な顔をされたことがありました。それは、デザイナーになりたての頃でもあり、先輩からの「写植オペレーターを怒らせたら仕事ができなくなる」という教えにビクビクしていたからかもしれません。
 
ヒラギノ角ゴStd W1〜W9の組み合わせ
 
ヒラギノ角ゴStd W1〜W9、ヒラギノ明朝Std W2〜W8の組み合わせ
 
ヒラギノ丸ゴStd W2〜W8の組み合わせ
 
ヒラギノ明朝Std W2〜W8の組み合わせ
 
【図01】上から、ヒラギノ角ゴシックW1〜W9を一文字ごとに変更したデザイン。ヒラギノ角ゴシックW1〜W9と、ヒラギノ明朝W2〜W8を一文字ごとに変更したデザイン。ヒラギノ丸ゴシックW2〜W8を一文字ごとに変更したデザイン。ヒラギノ明朝W2〜W8を一文字ごとに変更したデザイン。かつてAdobeからリリースされていたMultiple Master Fontを使えばいとも簡単にいくつもの太さを簡単に作成することができました。それを知って並行輸入品を購入したときは、その機能と文字デザインの自由度にずいぶん興奮したものです。ただし、これらを必要とするデザインシーンはそれほど多くないので、徐々に使用頻度は落ちてしまい、今ではまったく使わなくなってしまいました。  
     
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