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製品情報

音羽印刷株式会社 様 EQUIOS Online事例

自粛下の校正に効果
安心・安全と効率化を顧客と共有

音羽印刷株式会社は、Webポータルシステム「EQUIOS Online」を活用したオンライン校正により、校正作業の効率化を実現している。2020年から始まった「EQUIOS Online」によるオンライン校正は、自社業務の効率化というメリットだけでなく、行動制限などが求められていたコロナ禍における校正作業において、同社と顧客企業に大きな成果をもたらした。その結果、リモート勤務を余儀なくされていた顧客企業からは「在宅でも校正確認が可能になった」など、高い評価を得ている。

User Report

report8-01.png音羽印刷は1927年、印刷文化の発展の地である東京都文京区で創業。以来、時代とともに目まぐるしく変化し、多様化するニーズに対し、長年にわたって培った技術・経験を生かして、「ものづくり」の観点から顧客のビジネス発展に貢献。2017年には創業90周年を迎えている。現在では、オフセット印刷やビジネスフォーム印刷をはじめ、バーコード印刷やシール印刷など、さまざまな印刷を手掛けている。主な顧客は金融関連の企業で、約款や帳票などの印刷物を受注している。

同社では2018年に、ワークフローシステム「Trueflow」の更新時期を迎え、「ペーパーレス化への対応」「業務効率の改善」「オンライン校正」を実現できるシステムを採用条件に後継製品を検討。既設の「Trueflow」との親和性や求める機能を全て装備した「EQUIOS」と、「EQUIOS Online」の導入を決定した。

生産本部プリプレス部ゼネラルマネージャーの山岸弘宜氏は、「当社は、リピートものが多く、システム移行による再現性などを考慮して「EQUIOS」を選択しました」と説明する。

コロナ禍を追い風にオンライン校正を展開

2020年初旬に国内でも感染が確認された新型コロナウイルスの猛威は瞬く間に広がり、多くの企業がリモートワークなどにシフトした。

最初の緊急事態宣言が発出された当時、同社では校正紙を出力して顧客に郵送し、顧客からは、朱字を入れた校正紙をスキャンしたデータを、メールなどで送付してもらう運用としていた。そのため、同社と顧客の双方に大きな負担が掛かっていた。その際、オンライン校正の運用を告知していた顧客から、「ぜひ利用したい」といった声が強く寄せられたという。

営業本部営業企画課マネージャーの鹿野明恵氏は、「コロナ禍は当社だけの問題ではなく、お客さまのビジネスの停滞にもつながっていく。そのためオンライン校正の運用は、待ったなしの状況になりました」と当時を振り返る。

印刷会社と顧客の双方がメリットを享受

report8-02.jpg顧客の要望を受け、2020年6月から運用を開始したオンライン校正は、対面が難しい場面で大きな効果を発揮し、また、移動時間がなくなった分を他の仕事に回すことができた。さらに、校正紙が削減できるので、ペーパーレス化を求める顧客からの要望にも応えられる。つまり、印刷会社と顧客の双方に大きなメリットをもたらしたといえる。実際に顧客からは、オンライン校正の導入により、リモートワークでも安心して校正できる点が高く評価されている。

生産本部プリプレス部の水野純一氏は、「コロナ禍が追い風となった面もありますが、お客さまもオンライン校正に大きな可能性を感じていただけたと思います。当社にとっても他社との差別化ができるため、ビジネスの囲い込みもできます」とメリットを語る。

山岸氏は、「EQUIOS Online からEQUIOSにデータが直接登録されるので、お客さまはRIP処理されたデータを画面上で確認できます。これまで校正紙と実際の印刷物の差異を指摘されることもありましたが、本印刷と同等の内容を画面上で確認できるので、安心感を与えることができます」と語る。また、生産本部プリプレス部リーダーの佐藤直樹氏も「内容確認後、承認されれば、すぐに刷版に移行できるので、当社の作業効率も格段に向上しました」と、校正から刷版までの工程における自動化が構築できたと評価する。

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入稿から下版まで2日間の短納期作業も劇的に改善

導入効果を発揮した事例として山岸氏は、入稿から下版まで2日間しかない月刊誌の制作を挙げる。

この事例では、データ変換後にRIP処理をして紙に出力し、その日のうちに社内便で営業に届け、翌日には顧客に提出するという非常にタイトなスケジュールとなっていた。しかし、オンライン校正への移行後は、データ生成、出力、顧客への納品といった一連の作業が画面上で完結できるようになった。その結果、従来と比較して作業時間は半減。佐藤氏は、「入稿から下版まで2日間というタイトなスケジュールが当たり前のようにできることで、作業の負担を大幅に削減できました」と、「EQUIOS Online」の導入によって劇的に改善されたと説明する。

鹿野氏は、「EQUIOS Online導入後は、各工程での待ち時間がなくなり、校了までに時間の余裕ができたと実感しています」と、校了までに生じる不透明な「待ち時間」というタイムロスを解消できたと、効果を挙げた。

バックアップ機能で顧客に安心感を提供

顧客からは、「EQUIOS Online」のバックアップ機能についても評価を得ている。同社の主要顧客である金融機関では、過去に作成した校正履歴を官公庁に提出することがある。そのため顧客は、校正履歴を保管しているが、その作業には苦慮していた。「EQUIOSOnline」では、過去の校正履歴をデータとして保存できるため、すぐに顧客に提供できる。また、紙ベースでの校正履歴の保管も不要となった。

現在、同社では6社のクライアントで「EQUIOS Online」による運用を行っており、今後は対象のクライアントを増やすことも検討している。

さらに将来的な構想として「EQUIOS」とMIS を連携させた運用による、さらなる効率化の構築も視野に入れている。

企業情報

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音羽印刷株式会社
住所:東京都文京区本郷1-30-8
代表者:代表取締役社長 土屋 勝則
創業:1927年9月
従業員数: 60人
出典:「印刷ジャーナル 2022年9月15日号」
https://www.otowa-printing.com/