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製品情報

サンメッセ株式会社 様 EQUIOS Online事例

信頼性の高いオンライン校正で、
検証作業省略化による生産性向上と顧客価値の向上を実現

サンメッセ株式会社はリモートワークでの校正作業を支援する「EQUIOS Online」を導入。顧客にオンライン校正のメリットを提供するとともに、ワークフローRIP「EQUIOS」と連携させ、入稿からRIP処理までトラブルのない環境を整えた。2020年10月に開催した顧客向けのウェビナーではコロナ禍におけるオンライン校正への関心の高さが示され、採用する企業が増加。「EQUIOS Online」が社内の生産性と顧客価値の向上に貢献している。

User Report

データ検証時間が70分から40分に短縮

eq-jirei002.pngサンメッセ株式会社は1935年創業の中部地区を代表する印刷会社。岐阜県大垣市の岐阜本社、東京都江東区の東京本社に加え、新宿支店、名古屋支店、大阪支店、岐阜支店など、東名阪のエリアに事業所を構える。主要業務は商業印刷で、売上高約150億円のうち7~8割を占める。その他、コーポレートコミュニケーション事業、パッケージ事業、IPS事業、ICT事業を展開し、発送代行やアッセンブリーを含めたBPO(業務の一括受託)も手掛ける。

従業員はパート・アルバイトを含めて約1,000人。大垣市内に本社工場、中工場、西工場の生産拠点を持ち、カメラマン9人を擁するフォトスタジオも構えている。生産設備はオフセット輪転印刷機、オフセット枚葉印刷機、ビジネスフォーム印刷機、ラベル印刷機と多彩で、“一社責任体制”による一貫生産を基本方針としている。

各支店・営業所には、素早く顧客の要望に応えるため、企画・デザイン担当者を配属。本社のデザイン・制作部門は各事業所と連携しながら、入稿、制作、チェック、面付け、RIP処理を担当する。

同社製造副本部長兼生産管理部長の髙田正治氏は「保有する印刷機が多種多様で、当日の機取り変更も頻繁に起こります。変更された版面に印刷用PDFを貼り付ける際に、ボトルネックが発生することがありました」と述べる。同社のメインのワークフローRIPは「EQUIOS」。当初は他社製のオンライン校正システムを使用していたため、出力互換の不安から、確認作業に手間が掛かったり、機取り変更も融通が利かないことがあった。そこで2019年12月に、完全入稿データや校了後データを直接、「EQUIOS」に人手を介さず受け渡せる「EQUIOSOnline」を導入。「業務の流れに待ったをかけずに済むようになりました」(髙田氏)と、工程の削減を実現した。

「EQUIOSOnline」は「EQUIOS」に印刷用PDFを受け渡す役割に加え、リモートでの効率的な入稿、校正、進捗管理を可能にしている。例えば、修正指示、修正・変更点のチェックや承認など、顧客とリモートで校正作業を進められる。

「お客さまには“校了後のデータがRIP時に化けることがありません”とご提案しています。品質保証の部分でも、『EQUIOS』とつながっていることは大きいですね」(同社本社工場プリプレス一課長木村彰孝氏)。顧客への品質保証に加え、同社では「EQUIOSOnline」から「EQUIOS」に受け渡すデータの高い信頼性により、「ページ物の場合、RIP後には面付けの確認だけで済みますので、件数やページ数が多いほど、時短の効果は高くなります」(同社本社工場プリプレス一課DTP係稲葉久雄氏)とRIP後の校正検査の省略化を効果として挙げた。

eq-jirei003.pngA4×6ページの月刊社内報の業務では以前、制作会社から入稿されたネイティブデータのフライトチェックを工場で実施していた。しかし、同社と制作会社の環境は異なるため、PDF作成、ジョブの取り込み、確認に約50分、紙面比較検査装置による演算不備の確認に約20分、合計約70分を要していた。時間帯によって業務が集中すると、下版の遅れも発生する。

「EQUIOS Online」導入後は、ジョブを作成して制作会社からPDFを入稿してもらうことにより、工場では面付けや塗り足しなどの基本検査の確認作業に専念でき、事前準備の時間が合計約40分に縮まった。事前にフライトチェックを行うことで業務やリスクを分散させることもでき、粗利改善に貢献している。

また、同社本社工場 プリプレス一課DTP係 田中香寿美氏は「ページ物では、まとめて入稿されることがあります。進捗管理上は効率が良いのですが、作業効率としては、できたページ順に入稿していただいた方が助かります。『EQUIOS Online』ではページ単位で入稿できるため、進捗の管理がしやすく、リアルタイムで校正をフィードバックすることもできます」と、入稿の待ち時間削減やスケジュール管理のしやすさもメリットに挙げている。

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複数人が関わる校正作業で効果 在宅ワーク需要が追い風に

eq-jirei004.png同社は、オンライン校正を周知するため、積極的にプロモーションを展開している。2020年10月に開催した、同社のソリューションを紹介するウェビナー「サンメッセSolution Webinar GALLEY+オンライン」では80名が視聴し、想定を超える反響を得た。顧客を招いて毎年開催している技術展示会に代わって企画されたもので、「テレワークでも安心!最新オンライン校正システムの使い方」のセッションでは、オンライン校正への問い合わせが多数寄せられ、採用に至る案件もあった。

髙田氏は「お客さまに提案したのは、1枚のチラシであっても各ブロックで校正担当者が違う場合、メリットが大きいということです」と述べる。多店舗を展開する流通系の顧客は、チラシの校正時に各店舗の店長が集合し、会議で内容をチェックしていた。オンライン校正を採用した後は、各店舗に居ながら内容を確認することが可能になり、店長の負担が大幅に軽減された。

顧客先で担当者から上席へと承認工程が進む案件では、最終段階で大幅な修正が入り、納期に影響が及ぶことがある。そこで、オンライン校正によって初校の段階から、意思決定の権限を持つ上司を含めて複数人が同時に確認する形態に切り替え、承認プロセスが円滑になったケースもある。

「新型コロナウイルスのパンデミックにより、在宅ワークが増えています。そのため、2020年から顧客の反応は良くなりました。大手企業にも採用され、自信を持ってご提案できています」(木村氏)

一方で、顧客先の担当者が採用したくても、上司が校正の手法を変えることにリスクを感じることがある。同社では、そうした不安を解消するために校正紙を併用し、段階を踏んで丁寧に導入をサポートしている。「EQUIOS Online」の操作方法についても、独自に操作マニュアルを作成。顧客に出向いてレクチャーを実施することもある。

営業部門と連携し さらなる啓発へ

同社では、2008年ごろからオンライン校正に取り組み始めた。「最初は苦労しました。パソコンとプロジェクター、スクリーン、企画書を持って、営業担当者と一緒にお客さまにプレゼンして回りました」(髙田氏)。採用する顧客数はなかなか伸びなかったが、風向きが変わったのは在宅ワークが増えた2020年だった。会社の方針としても、オンライン校正の売り込みを強化。営業用のプレゼン資料を作成した他、東京本社で社内向けのオンライン校正の説明会も開いた。

「今後、お客さまにオンライン校正のメリットをもっと感じていただくためには、営業部門の力が必要です。校正紙のデリバリーは顧客との接点を持つ上で大事なことかもしれませんが、オンライン校正に移行すれば、本来の営業業務に時間を割くことができます」(髙田氏) 今後、同社では顧客の成功事例を収集し、営業部門にフィードバックすることにより、社内外に向けてオンライン校正の啓発に力を入れていく。

企業情報

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サンメッセ株式会社
住所:岐阜県大垣市久瀬川町7丁目5-1
代表者:代表取締役社長 田中 尚一郎
設立:1935年
従業員数: 687人(2021年3月期現在)
出典:「デジタルワークフローソリューションズ2021」
https://www.sunmesse.co.jp/