■概要
NEDOプロジェクト※1では、燃料電池の普及促進・市場拡大を図るために、生産技術、高付加価値化技術、安全技術等の実用化技術開発に取り組んできました。その中で、株式会社SCREENホールディングスは、2013年から燃料電池の量産製造技術開発を実施しました。
今般、NEDOプロジェクトの成果をもとに、(株)SCREENホールディングスは、ディスプレイ製造装置で培った塗布・乾燥技術とノウハウを活用し、これまで実現が困難とされていた、家庭用燃料電池(エネファーム)や燃料電池自動車に採用されている固体高分子形燃料電池の電解質膜に電極触媒を直接塗工・乾燥する技術開発に成功し、同技術を搭載した燃料電池製造装置「RTシリーズ」を開発しました。この装置は、燃料電池に用いられる触媒層付き電解質膜※2をロールtoロール方式※3で連続生産することが可能で、製造時間の短縮と生産コスト低減が期待できます。
なお本製造装置は、(株)SCREENホールディングスの子会社である株式会社SCREENファインテックソリューションズが製造・販売を行います。
今後、さらなる機能強化(生産能力向上、生産品質向上)の開発を継続し、燃料電池の製造装置市場におけるデファクトスタンダードを目指すとともに、燃料電池市場のビジネス拡大、同分野の発展に貢献していきます。
【用語解説】
※1 NEDOプロジェクト
「固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発/実用化技術開発/直接塗工法を用いた低コストMEA量産製造装置の開発」(2013~2014年度)
※2 触媒層付き電解質膜
触媒層と電解質膜で構成された燃料電池用電極膜(Catalyst Coated Membrane : CCM)
※3 ロールtoロール方式
ロール状に巻いた材料に加工を施し、再びロールに巻き取る。電子デバイスを効率良く量産する手法として使われる。