Doc. No.: HD180730

株式会社SCREENホールディングスは、光干渉式断層撮像システム「Cell3iMager Estier(スリー・ディー・セル・イメージャー エスティア)」を応用した研究開発の一環として、国立大学法人鳥取大学(以下、鳥取大学)との共同研究を進めてきた結果、光干渉式断層撮像技術を用いたマウス受精卵の3次元可視化技術の構築に成功しました。

Cell3iMager Estier

【既存観察法との比較(2細胞期)】

顕微鏡観察
Estier

【内部構造の観察】

内部細胞塊の抽出

近年、細胞イメージング分野は、解析装置の進歩に伴って著しい発展を遂げています。細胞や生体組織の研究分野においては3次元形状の構造を観察・計測する研究が増加しており、細胞などを傷つけることなく容易に観察できる解析装置が求められています。

当社が2017年12月に販売を開始した「Cell3iMager Estier」は、前処理を必要とせず、非侵襲1で安全に高解像度(3μm)の3次元画像を容易に撮影できるため、空洞や間隙(かんげき)など、外部からは分からない内部構造を観察できるという点に特長があります。そこで当社は鳥取大学と共同で、「Cell3iMager Estier」による、受精卵の3次元可視化技術の研究※2に着手。マウスの受精卵を24時間ごとに撮像した結果、初期胚の割球の様子、透明帯、胚盤胞などの空洞、内部細胞塊※3、栄養外胚葉などの3次元構造を観察することに成功しました。

当社は、今後もお客さまの幅広いニーズに応えるとともに、ライフサイエンス分野の発展に貢献していきます。

■ 鳥取大学 准教授  大林 徹也氏のコメント
これまで受精胚の内部構造の3次元観察を行うためには、蛍光ラベル標識やレーザー顕微鏡が使用されてきました。光干渉式断層撮像技術により、未標識のマウス受精胚の内部構造を非侵襲的に観察することができました。現在、開発を進めている3次元画像解析システムを活用することで、受精胚の内部構造変化やその品質を定量的・客観的にAI評価することが期待できます。

※1非侵襲(ひしんしゅう):生体に傷害を与えたり、内部環境の恒常性を乱す恐れがないこと。
※2「Cell3iMager Estier」は研究用途です。
※3内部細胞塊:将来胎仔(たいじ)となる受精卵内部の細胞塊。

*この結果は2018年7月26日から27日に幕張メッセで行われた「第36回日本受精着床学会総会・学術講演会」で発表されました。

本件についてのお問い合わせ先

株式会社SCREENホールディングス ライフサイエンス事業室
Tel: 075-931-7824
screen_lifescience@emis.screen.co.jp

掲載されている情報は発表時のものです。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。