タイポグラフィの世界  
     
  ●図3 
民友社活字製造所『活字見本帳』(昭和11年3月刊)所収の40・36・35ポイント組見本。
40ポイントは築地初号仮名の字形に倣ったらしいが書体としての品質は格段に劣る。
36、35ポイント仮名は同じ字形。最初に36ポイントが作られ、後にそれを1ポイント小さい35ポイントに鋳込んだ。
32ポイント仮名は明らかに秀英舎の仮名である。一般の活字鋳造所は自社独自の書体を開発するのではなく、他社から母型を買って鋳造するか、あるいは活字を買ってきて複製するかのいづれかで、活字見本のラインアップを増やしていった。