SCREENホールディングスを知る

SCREENの技術

フォトリソグラフィーを軸とする要素技術を原動力に、常に時代を捉えた革新的な製品を創出してきたSCREEN。その心奥には、開発型企業としてのDNAが深く刻まれており、今も次なる技術革新に向けた取り組みが力強く推進されています。ここでは、SCREEN各社が進める最先端技術開発についてご紹介します。

01 スマートシティーの実現にもつながる
半導体製造の先進技術

SCREENセミコンダクターソリューションズ

EUVL塗布現象装置とプロセス技術

半導体デバイスの「高集積化=集積回路の微細化」を実現するために、半導体リソグラフィーでは集積回路をSiウエハーに転写させるためのレーザーの短波長化が繰り返し進められてきました。それに伴いパターンを転写させる露光装置、及びフォトレジスト材料(感光材料)の開発も繰り返し行われ、さらなる微細化が実現されました。一方で、現行の半導体デバイス製造工程で使用されているArF液浸リソグラフィー(※1)は、短波長化せずに微細化を実現した事例で、露光装置、材料、塗布現像装置の3つが従来以上に連携することでプロセスを確立することができました。
次の世代と目されているEUVLは、波長13.5nmの極紫外線を使用する最後の短波長化とも言われており、EUVLでの量産を支えられるメーカーはSCREENを含むごくわずかに淘汰されているのが現状です。SCREENの塗布現像装置は露光装置とフォトレジスト材料のブレイクスルーをつなぐ装置であり、フォトレジストを塗布したシリコンウエハーを露光装置へ送り、集積回路が転写されたシリコンウエハーを再び戻して現像し回路パターンを形成する役割を担います。EUVL塗布現像装置には、精度や安定性はもちろん、より微細な30nm以下のパターンに対応した均一性制御、あるいは30nm以下のパターン上に現れる微小異物の抑制制御が求められています。

※1 ArF液浸リソグラフィー
半導体製造において高集積化、回路パターンの微細化をはかる手段。波長193nmのArFエキシマレーザーと光学投影レンズを用いて回路パターンを1/4に縮小投影させられるArFリソグラフィーに、レンズと回路パターンを転写させる基板との間を超純水で満たし解像性を向上させる液浸技術を組み合わせたリソグラフィー技術。

01開発アプローチ

約10年前から世界の3つのコンソーシアム、Selete(日本、現EIDEC)、SEMATECH(US)、IMEC(EU)で、EUVLのプログラムがスタートしました。当時は世界に数台しかない露光装置を各コンソーシアムが所有しており、各メーカーが単独で露光評価を実施することは不可能でした。そのため、初期の段階では他メーカーとの関係性を構築し、情報と材料を入手して評価を開始する困難さがありました。そこでSCREENはSeleteに参加することによって露光評価機会を得ると共に、学会やシンポジウムなどにおけるSeleteとの共同発表を通してEUVLへのSCREEN参画の認知を進め、情報と材料を集められるようにしました。
さらに段階が進み、実際の塗布現像装置での評価に関しては、EUVL特有の問題点が何であるかをまず限定するところに最大の難しさがありました。これを乗り越えたのは、ヨーロッパのIMECへの参加によるところが大きいと言えます。量産に近い露光装置をもつコンソーシアムはIMECだけであり、ここでの評価結果をSCREENが持つ過去の事例と照らし合わせることにより、これまでの世代のリソグラフィーでも問題になっていたものはEUVLでも同様に発生するという現在の状況を確認でき、改善の手法もまた従来の手法と同様であるという情報を得ることができました。
また大手半導体メーカーも露光装置の研究に取り組んでおり、EUVLの本格的な量産化も間近に迫っています。

02革新性

EUVLにより、半導体デバイスの製造コストを大幅に削減できます。現在の微細化の主流は、リソグラフィー工程を複数回繰り返すマルチパターニング(※2)となっていますが、EUVLではこれを従来の1回のリソグラフィ工程とすることができ、試算によってはコストを半分以下に削減することが可能となります。また、EUVLとマルチパターニングを組み合わせることで、より一層の微細化を期待でき、これにより半導体デバイスの消費電力をさらに削減することが可能となります。
一方で塗布現像装置に要求される項目は、パターン線幅の制御、微小異物の抑制など従来と大きくは変わらないものの、対象となるパターン線幅は2014年には24nmであり、一般的に言われるインフルエンザウイルスの大きさである100nmと比べてもはるかに小さいものとなっています。この線幅のばらつきを1nm以下に制御し、小なものでは26nmの微小異物の発生を制御することがEUVLがその効力を発揮する必須条件となります。

※2 マルチパターニング
半導体製造において高集積化、回路パターンの微細化をはかる手段。露光を複数回に分けることにより微細な回路パターン幅を形成できる技術。 例えばダブルパターニングの場合、写真のような32nm幅のパターンが64nm周期で並んでいる場合、露光を2回に分けることで16nm幅のパターンを32nm周期で形成できる。ただし、工程を2回に分けることによるコストの増大が欠点。

線幅の精密制御
  • 1本が32nm幅のパターン、写真視野は一辺540nm
  • 1本が40nm幅のパターン、写真視野は一辺540nm。パターンが大きくなるとコントラストが鮮明になる
微小異物の抑制制御
  • (左)32nmの線と線の間にできた微小異物、写真視野の一辺は675nm。(右)パターン形成後に落下してきた異物。
  • (左)パターン下にある異物。(右)パターンの中に埋まっている異物。

03活用フィールド

スマートフォンやタブレットPCに代表されるIoT(Internet of Things)(※3)に内蔵されるCPUやDRAMといった半導体デバイスの製造工程の一部を担うことが想定されています。微細化による消費電力の削減により、上記のようなバッテリー電源を主とする携帯端末に幅広く使用されています。

※3 IoT
Internet of Thingsの略。パソコン、スマートフォンに代表されるインターネットに接続されるモノ、さらに自動車、医療機器、家電など通信機器を備えたあらゆるものがインターネットを通じて接続されることによる新たなサービス、ビジネスモデル、またはそれを可能とする要素技術の総称。

04技術展望

IoTに内蔵される半導体デバイスをより安価に大量に製造できれば、結果としてIoTを世界中へ普及させることに貢献できます。IoTがさらに普及することで、スマートシティーの実現にもつながります。
IoTから集められた情報をクラウド化し、さらにこのビッグデータを解析することで、エネルギー使用の効率化・最適化が実施され、CO2の排出削減にもつながっていきます。最終的には近い将来起こる人口増と都市化による爆発的なエネルギー需要への対応も期待されています。

02 従来方式の課題を解決した
高付加価値露光技術

SCREEN PE ソリューションズ

ダイレクトイメージング技術とは

スマートフォンやタブレットPCといったデジタル機器の高性能化が進む中、使用されるプリント配線板にも、より高密度・高精度化が要求され、配線パターンの微細化がいっそう進んでいます。それに伴い、フォトマスクを使用した露光プロセスでは、位置合わせや、ごみなどに起因する不良が発生し、生産効率の低下を招く要因となっています。また、デジタル機器の製品サイクルはますます早くなり、短納期化要求もいっそう進んできています。こうした課題を解決するプロセスとして、数年前からダイレクトイメージングによるマスクレス露光が普及し始め、現在では主流となってきています。

01開発アプローチ

当初SCREENでは、ダイレクトイメージング装置をポリゴンミラーと、光源に個体レーザーを用いたもので2001年に製品化しましたが、この方式では精度や解像度がこれ以上望めないと判断し、新たな方式を探索しました。そして着目したのが、安価な汎用感材の使用をベースに、変調素子にプロジェクターなどに使用されているデジタルマイクロミラーデバイス(※)と、業界初となる超高圧水銀灯を搭載するというもの。マイクロミラーデバイスのデータ制御はパズルを解くように難しく、超高圧水銀灯をマイクロミラーデバイスに集光させる技術も一朝一夕には確立できなかったものの、創意工夫を重ねることにより、ついに世界初の超高圧水銀灯を搭載した装置として実現することができました。
その後、さらなる高生産性を求めて、光源を超高圧水銀灯から、ハイパワーで環境にも優しく省電力の紫外線LEDに替え、現在のメイン製品に搭載しています。光を高効率で取り込みつつ、LED自体の発熱を抑制する必要があり、当初より数値シミュレーション技法を用いた開発と試作を経て、製品化にこぎ着けることができました。

02革新性

従来技術である一括露光は、フォトマスクの画像をそのまま転写(露光)するのに対して、ダイレクトイメージングは、フォトマスクを介さず、直接回路データを基板上に露光する技術です。工程が簡略化されることで納期短縮とコスト削減が図れるだけでなく、マスク起因の不具合排除と位置精度の向上により、製造歩留りに大きく貢献します。また、取り扱いにおいても特別なスキルが不要で、枚葉管理が可能になるなど、一括露光に比べて付加価値の高い露光技術と言えます。

  • パターン直接露光(新手法)
  • フォトマスクを介した
    パターン露光(既存の手法)

03活用フィールド

SCREEN製品として、下に挙げたダイレクトイメージング装置に搭載されています。
・デジタルマイクロミラーデバイス+UV-LED=Ledia6
これらの装置は、主にスマートフォンやタブレットPCといったデジタル機器に内蔵されているプリント基板の配線パターン形成に多く用いられていますが、近年では一般的なプリント基板にも採用が広がりつつあります。

04技術展望

IoTに内蔵される半導体デバイスをより安価に大量に製造できれば、結果としてIoTを世界中へ普及させることに貢献できます。IoTがさらに普及することで、スマートシティーの実現にもつながります。
IoTから集められた情報をクラウド化し、さらにこのビッグデータを解析することで、エネルギー使用の効率化・最適化が実施され、CO2の排出削減にもつながっていきます。最終的には近い将来起こる人口増と都市化による爆発的なエネルギー需要への対応も期待されています。

03 未知なる可能性を秘めた
プラズマ技術

SCREEN ファインテックソリューションズ

LIA(Low Inductance Antenna)とは

SCREENホールディングスのグループ会社であるEMDが大阪大学と共同で開発したLIAは、大容量の高密度プラズマを形成するにあたり、逆転の発想で考案されたユニークなプラズマ技術です。LIAの特徴として、inductanceが低いことがありますが、その特徴を得るためにはLIAアンテナの内径が重要なパラメータになります。
その内径が大きくなり過ぎれば、アンテナ内での電位差が生じ、プラズマの分布が不均一になります。また内径が小さ過ぎれば、inductanceは小さくなりますが、分解されるプラズマへ渡るエネルギー効率が悪くなり必要なプラズマ密度が得られなくなる不具合が生じます。そのため、プラズマを安定的に均一に発生させるのに最適な形状が、現状のLIAの形状と言えます。

01開発アプローチ

アンテナの絶縁構造については、アンテナの銅パイプとプラズマ空間を絶縁し、かつプラズマ空間にさらされる中で耐性がある材質を選定する必要があります。そこでセラミックにより絶縁性を実現する手法を検討したものの、アンテナの形状がU型であり、また内部に銅パイプを均等に通す必要があることなどから、セラミックをU型状のパイプ構造に成形する加工技術について試行錯誤する必要が出てきました。このセラミック製のU型パイプの制作を実現するために、加工者の職人と議論を重ね、複数回に及ぶ試作を経て実現に成功しました。

02革新性

一般的なプラズマCVD成膜装置では、CCP(容量結合プラズマ)と言われる結合方式がとられますが、この場合は平面型の電極板が必要になり、電極板を大型化することで場所によって電位に差が生じます。この電位差が成膜された膜厚のばらつきを生じることから、大型の基板などに均一に成膜することが困難になります。また、これに対する結合方式としては、ICPの技術がありますが、従来型のコイル式のICP(誘導結合プラズマ)ではコイルを大きくするとinductanceが大きくなることによって電源が巨大化するため、結果的に大型基板などへの成膜を実現することが困難になります。
そこでLIAは、ICPの特徴を生かし、小さなアンテナを複数配置することで、大型基板に対しても均一な成膜を実現することを可能にしました。

ガス種:SiH4+H2 Plama 圧力:0.6Pa プラズマ源size:1000×1100mm:(基板size:600×720mm)

  • CCP方式に比べICP-LIAプラズマ密度は約5倍、プラズマ電位は約1/5以下
    高密度で低ダメージな
    プラズマを実現

03活用フィールド

コンパクトなプラズマから数メーター級のジャイアントプラズマまで、同じアンテナ方式で形成することが可能です。液晶パネルや半導体製造装置をはじめ高分子フィルムやガラスの表面処理など、幅広い分野で活用できる技術です。またLIAを利用することで、高い生産性を実現でき、さらにコストを削減することができます。

04技術展望

プラズマは未知の部分も多い技術ですが、逆に大きな可能性を秘めた技術でもあります。
現状実用化されている具体例では半導体や太陽光発電の電子部品向けの成膜装置があり、さらなる応用としては医療やバイオの分野で活用する研究が活発に行われています。この技術を電子分野だけでなく、他の科学分野で活用できる技術に進化させていきたいと考えています。
例えば、すでにプラズマを医療機器分野へ応用する研究は進められていますが、SCREENの持つ技術を使い、LIAで発生する高密度プラズマの特徴を生かすことでより効果的な医療機器を開発出来る可能性があります。

SCREENの技術トピックスはこちら

  • SCREEN HOT NEWS
成長のプロセスを楽しめ