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アプリケーションサポートFAQ
Adobe InDesign CS

Adobe InDesign CSにおける千都フォントの既知の問題や回避方法、技術情報などをお知らせいたします。
2008.06.04更新
目次
1.ヒラギノOpenType
1.1 他のフォントに置き換えると文字化けする文字がある
1.2 ダブルクォーテーションを縦組にするとダブルミニュートに置き換わらない
1.3 横組でダブルクォーテーションの位置がずれる

1.4 縦組で和文グリフが横倒しになってしまう
1.5 アクセントが文字の右上に表示される

* * *

1.ヒラギノOpenType

1.1 他のフォントに置き換えると文字化けする文字がある
Mac/Win:共通 OSバージョン:共通 フォントの種類(Pro/Std):Proのみ

現象:ヒラギノOpenTypeで入力したテキストを、他社のOpenTypeフォント(小塚明朝 Proなど)にフォント変更すると(またはその逆)、丸入り数字記号、四角入り数字記号などの非漢字が別の文字に変ってしまう場合があります。
InDesign 2.0でも類似の現象が発生していましたが、漢字での文字化け現象はかなり改善された模様です。

回避策・解決策:有効な解決策はありません。現時点では、種類の異なるOpenTypeフォント間の書体変更を行った後は、慎重に確認を行った方が良いでしょう。同一バージョンのヒラギノOpenType Proフォント同士の書体変更は問題ありません。また、InDesignの字形パレットから文字を入力する場合は、できるだけ「全異体字」「aalt」などのタグ付けがされていない文字を選択した方がより安全と思われます。

追加情報:弊社での検証の結果、InDesign 2.0/CSでは、入力されたグリフを一意に識別するのにグリフ番号ではなく、Unicodeのコードポイント、グリフ置換フィーチャの名前(「全異体字」「aalt」など)、フィーチャ内での並び順、などの情報を利用しているようです(字形パレット上の各グリフにカーソルを近付けたときに表示される情報)。これらの情報は各OpenTypeフォントに内蔵されているものですが、すべてのフォントで同一の値が設定されているとは限りませんので(グリフセットの異なるフォント間では特に)、書体を変更すると別の文字に変ってしまう場合があります。


1.2 ダブルクォーテーションを縦組にするとダブルミニュートに置き換わらない
Mac/Win:共通 OSバージョン:共通 フォントの種類(Pro/Std):共通

問題点: 横組でダブルクォーテーションを入力し、組み方向を縦組に変えたところ、ダブルクォーテーションがダブルミニュートに置き換わらず、ダブルクォーテーションのまま仮想ボディの中央に現れます。
InDesign 2.0から継続して発生している現象です。

回避策・解決策:以下の手順によりダブルクォーテーションをダブルミニュートに置き換えます。

1) ダブルクォーテーションをカーソルで選択する。
2) 字形パレットのプルダウンメニューで[選択された文字の異体字を表示]を選択する。
3) 字形パレットに並んだ異体字の中から「等幅全角字形(fwid)」のダブルクォーテーションを選び、置き換える。
4) 組み方向を「縦組み」に変更する。
5) ダブルクォーテーションがダブルミニュートに置き換わる。

追加情報:左ダブルクォーテーションのUnicodeはU+201C、右ダブルクォーテーションはU+201Dですが、InDesign 2.0/CSではこれらを「全角グリフ」と仮定して処理しているようです(Unicodeは各文字の文字幅は原則として規定しません)。全角のダブルクォーテーションを縦組に変えると、縦組置換が働いて縦組用のダブルミニュートに置き換わりますが、プロポーショナルのダブルクォーテーションには対応する縦組用のグリフが存在しないため、本現象のような不具合が発生します。


1.3 横組でダブルクォーテーションの位置がずれる
Mac/Win:共通 OSバージョン:共通 フォントの種類(Pro/Std):特定のフォント

現象: ヒラギノOpenTypeの太いウエイトの書体で、横組でダブルクォーテーション(またはシングルクォーテーション)を入力すると、位置がずれてテキストボックスからはみだしたり、前後の文字に重なったりします。Stdフォント/Proフォントに関係なく、ヒラギノ明朝のW4以上、ヒラギノ角ゴのW7以上、ヒラギノ丸ゴのW8で発生します。
InDesign 2.0から継続して発生している現象です。
InDesign CS 3.0では改善しましたが、3.0.1で再び発生しています。

回避策・解決策: ずれが発生しているダブルクォーテーション(またはシングルクォーテーション)をカーソルで選択し、文字パレットのカーニングを[メトリクス]にすることで、位置がずれる現象は解消されます。

追加情報: 左ダブルクォーテーションのUnicodeはU+201C、右ダブルクォーテーションはU+201Dですが、InDesignではこれらを「全角グリフ」と仮定して処理しているようです(基本的にUnicodeは各文字の文字幅は規定しません)。そのため、段落パレットの[文字組み]を[行末約物半角]などに設定すると、InDesignがこれらグリフの文字幅に-500を適用して処理するため、ヒラギノOpenTypeのようにダブルクォーテーションにプロポーショナルグリフを割り当てているOpenTypeフォントでは、本現象のように文字がずれるなどの問題が発生します。ヒラギノOpenTypeの細いウエイトで本現象が発生しないのは、InDesign側で「文字幅が500以下のグリフについては-500を適用しない」などの例外的な処理が行われているためと思われます。


1.4 縦組で和文グリフが横倒しになってしまう
Mac/Win:共通 OSバージョン: 共通 フォントの種類(Pro/Std): Proのみ

現象:縦組で、例えば二重丸数字(aj16223〜aj16232)を入力すると、和文グリフにも関わらずプロポーショナル欧文グリフのように横倒し(時計回りに90度回転した形)で表示されます。同種の数字記号の他、aj12210「矢印」、aj12639 「、(てん)」、aj12088 「JASマーク」などでも横倒しになります。
InDesign 2.0から継続して発生している現象です。

回避策・解決策: 横倒しになった文字を選択して、文字パレットの「文字の回転」で「90°」回転させることで、文字の方向変換ができます。

追加情報:本現象は小塚OpenType Proでも発生します。InDesign 2.0/CSでは、字形パレット上の4桁のUnicodeのコード表示が0と2で始まるグリフについて、縦組時に横倒しになる傾向があるようです(ただし、そうならないグリフもあります)。


1.5 アクセントが文字の右上に表示される
Mac/Win:Mac OS X OSバージョン:共通 フォントの種類(Pro/Std):Proのみ

現象:ことえりの「文字パレット」から、アクセント付きグリフを入力すると、アクセント記号が文字の上に付かずに文字の右上に表示されてしまう場合があります。aj09396「上リング付きE」、aj09399「上リング付きI」、aj09402「上リング付きO」、aj09408「上リング付きe」などでアクセント記号が正しい位置に表示できません。

回避策・解決策:InDesign CSの「字形パレット」から選択して入力すると、アクセント記号が付いた字形を正常に入力することができます。

追加情報:本現象で問題になる文字は、単独のUnicodeコードポイントを持たない文字です。たとえばaj09396「上リング付きE」は、U+0045「E」とU+030A「COMBINING RING ABOVE」の2文字の合成文字として「ことえり」からは入力され、InDesign CSがそれらを2つの独立した文字として取り扱うため、このような現象になるものと思われます。同じアクセント付きグリフでも、aj09404「上リング付きU(U+016E)」などは単独のUnicodeコードポイントを持つので、ことえりの「文字パレット」から正常に入力できます。